株式会社カオナビ ~収入ゼロの窮地と苦悩を乗り越えて。『カオナビ』誕生の軌跡~

Vol.1 運命を変えた2つの出会い

株式会社カオナビ  代表取締役社長 柳橋 仁機  (2018年7月取材)

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【ナレーター】

労働人口の減少などを背景に、労働市場が売り手市場へと大きく変化している昨今、人材確保や定着率向上のために、人材マネジメントの重要性が高まってきている。

そんな中、社員の顔写真が画面に並ぶという、シンプルかつ革新的な人材管理ツールをクラウドサービスとして展開し、成長をし続けるHRテクノロジー企業がある。株式会社カオナビだ。

所属する社員の顔と名前が一致しやすくなるという利便性以外にも、能力や評価、資格といった社員1人1人の情報をクラウド上で一元管理することで、組織の「見える化」を実現。現状に合わせた人事戦略を立てやすくなるだけではなく、生産性の向上や業務の効率化などにもつながる同社のサービスは、2018年5月時点で大手企業を含め、1000社以上が導入している。

独立後まもなく窮地に立たされ、一時は経営を断念することさえ考えた創業者を再び奮い立たせたのは、心の奥底に眠り続けていたあるテーマへの執念だった。

―運命を変えた2つの出会い―

【ナレーター】

東京理科大学の大学院へ進学後、理系大学の大学院ならではの就職活動の在り方に疑問を感じていたと振り返る。

【柳橋】

大手メーカーへの学校の推薦枠が決まっていて、そこの枠に「どこどこの会社は誰々」というように当てはめていくだけなんです。それに当時、非常に違和感を持ちました。教授が「お前、どこの会社がいいんだ」と言ってきた時に、「そういうのじゃない」と思い始めて、就職活動というのを普通に、一からやってみようと思ったんです。大学からすると僕は完全に異端児ですよね。

【ナレーター】

当時は就職氷河期と言われており、内定を受けることに苦戦していた柳橋。そんな中、ある就職活動対策の本の著者が主催する就職塾に参加したことが、柳橋の運命を大きく変えることとなる。

【柳橋】

当時学生だったので「格好良くいきたい」というようなことを言ったんです。そうしたら、「おお、いけ」という感じに言われまして、「お前の大学の先輩で吉松という、すごいやつがいるから紹介してやる」と。杉村太郎さんとの出会いが、すなわち吉松さんとの出会いでした。ですから、僕の人生、ほぼそこで決まりましたね。

その2人と出会った時に自分の人生を本気で考えました。理科大の就職活動をしている時に、さっきも言った通り、決められたコースに乗ることが良いことだという固定的な価値観があったんです。それを「違うと思う」と少し斜に構える僕は、基本的にみんなから否定されました。「なんだよ、お前格好つけているけど、だったらお前はどうするんだよ?」と言われるのですが、「だったらどうするんだ」と言われた時に、答えがなかったんです。答えがなかったのがすごい悔しかったんです。

そして、その学級会で杉村太郎さんと会った時に、僕は「こんな理科大の就職の学校推薦なんてくだらないと思っています」と言ったら、「そしたらお前、どうするんだよ?」と言われました。「いや、僕は将来、もっとビッグな人間になります」というようなことを、まだ20代の若造だから息巻いて言いました。基本的に大人と言われる人たちは、そういう意見を否定します。大人と言われる人たちはみんな僕を否定していたのに、唯一大人なのに僕を肯定した人が彼だけだったんです。「お前、いいじゃん」と言ってくれた。それで、彼に心を奪われてしまったというのがありますね。

さらに「自分の思う人生を、自分の思うままにやれ。自分の可能性にキャップがあると思っているやつがキャップをつくっているだけだから、自分がやりたいということをそのままやればいいだけだ」と言ってくれました。「こういうことを言う人もいるんだ、世の中に」と思いました。親ですらそうは言ってなかったのに、こういうこと言う人がいたんだと思って、自分の人生を自分の思うままにつくっていいというのであれば、だったらやらせてもらおうかと思ったというのが正直ありますね。そこがかなりターニングポイントでした。

社長プロフィール

President's profile
氏名 柳橋 仁機
役職 代表取締役社長
生年月日 1975/7/6

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