プロテインは身体を作るのに欠かせないタンパク質であり、それを効率良く摂取できるサプリは、主に筋トレをする人に多く愛用されている。そんなプロテインを、筋トレをしている人だけでなく、女性や運動を始めたばかりの方でも気軽に取り入れてもらえるようにと今までにない商品展開を広げる企業が株式会社スリーピースである。
今や自社ブランドを主力商品とし、コロナ禍の逆風にも左右されることなく急成長を遂げている。同社設立の経緯や商品開発のプロセス、社内の雰囲気づくりなどについて、代表取締役の高橋達也氏に話を聞いた。
中卒でもやる気とアイデアがあれば経営者になれる!
ーー創業前までの経緯を教えてください。
高橋達也:
中学校を卒業後、高校に少し通いましたが合わずに中退して働き始めました。中卒では仕事の選択肢が限られていたので、地元茨城の建設業をいくつか経験した後、東京に出てきました。東京に行けば何かチャンスがあるかもしれない、と感じていました。
ーーそこから自分で事業を起こすのにどんなきっかけがあったのでしょうか?
高橋達也:
24歳のとき、個人事業主としてアフィリエイトを始めました。SEO対策を学びながら3〜4年続けた後、30歳頃に通信販売の仕事を現在の役員とともに始めました。それが、スリーピースの始まりです。
2016年の設立後、売上を伸ばすためには自社ブランドが必要だと考え、今世間で何が売れているのか分析した結果、生まれたのが、マルチビタミンなどのサプリメントやプロテインなどを展開する「VITAS(バイタス)」というブランドでした。現在は、このブランドのもと、多くの自社製品のラインナップをそろえています。
開発に2年の歳月をかけたこだわりのプロテイン
ーー現在の貴社の業務内容を教えてください。
高橋達也:
弊社の自社ブランドVITASの中には、大きく分けて2つの製品グループがあります。
特に注力しているのが「VITA POWER」です。これは亜鉛・マカ・11種類のビタミンを急速チャージできる栄養機能食品で、トップアスリートにも愛用されています。
2つ目は、ホエイ100%で、溶けやすさ、味、含有、成分にこだわった、理想のカラダをつくるためのホエイプロテインです。この商品では、「味には一切妥協しないこと」を徹底して目標に掲げ、私自身、製造工場に足を運び、原材料選びにもこだわり、開発に2年の歳月をかけました。
その結果、従来のプロテインのイメージを覆す、フルーツを基調とした味展開が可能になりました。最初に5つの味を発売し、なかでも「キウイ味」を特に推していました。当時、他社ではほとんどない味で、初めて飲んだ方からは「美味しい」と驚きの声をたくさんいただきました。女性にも人気です。
「美味しいからまた飲みたい」というお客様の笑顔を想像しながら、さらに、マンゴー、バナナ、チョコレート味なども開発しました。お客様にとっても、運動後の自分へのご褒美として手にとっていただけるプロテインを目指しています。
ーーパッケージも手にとりやすい感じですね。今後、通販以外にも販路を広げていく予定ですか?
高橋達也:
はい、パッケージデザインはとても力を入れた部分です。味のイメージカラーを基調にして、選びやすく、洗練されていて、軽い運動やヨガをする女性にも手に取りやすいデザインを目指しました。通販ではYahoo!や楽天、Amazon、公式サイトなどのECサイトで手に入りますし、昨年からはドン・キホーテや大型スポーツ専門店のゼビオ、ビックカメラなどにも卸しており、全国のパーソナルジムでも取り扱っていただいています。
店頭でも、他のプロテインと違って目立つデザインなので、ジムに通われている方の中には、印象に残っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。販路に関しては、今後もEC、実店舗の両方で随時増やし、より多くの方々の手に取っていただけるようにしていきたいと思います。
憧れの人と仕事をしたい!そのために本当にいい商品をつくっていく
ーー主なターゲット層は、ジムに通う方や筋トレをする方が中心ですか?
高橋達也:
現在は、フィットネス・ジムなどを利用されるお客様がメイン・ターゲットですが、今後はスポーツ界にも広く展開していきたいと考えています。2024年12月には、スペインのプロサッカーが集まる、「伝統の一戦」とも称される「EL CLASICO(エル・クラシコ)in Tokyo」の試合が行われた際に、弊社がメインスポンサーを務めました。
2024年12月には、スペインのプロサッカーが集まる、「伝統の一戦」とも称される「EL CLASICO(エル・クラシコ)in Tokyo」の試合が行われた際に、弊社がメインスポンサーを務めました。このイベントは、レアル・マドリードとFCバルセロナのOBによる試合で、イニエスタ選手や、ロベルト・カルロス選手をはじめとするサッカー界のレジェンドたちが来日しました。現在はサッカーと野球を中心に支援を展開していますが、今後はバスケットボールや、他マイナーなスポーツにも幅広く進出していきたいと考えています。
ーー社員の方もスポーツをされる方が多いのですか?
高橋達也:
現在は必ずしもそうではないのですが、今後はスポーツやVITASが好きで、弊社そのものに興味を持った方に中途・新卒問わず入社していただけるようにしたいと考えています。そのためにも、人事制度などを改めて整備したところです。
現社員には個性的な方が多く、自由な風土も特徴です。服装規定がなく、タトゥーも認めています。TPOをわきまえた範囲であれば服装は自由です。社内の雰囲気も強みの一つで、たとえば会議中でも笑い声が飛び交うほど和やかです。
私自身、「仕事は楽しくあるべき」と思っているので、社員が楽しく仕事できる環境を何より重視しています。コロナ禍の時、筋トレ系列YouTuberとタイアップして、製品が大ヒットしたこともあり、そのような楽しい企画にも挑戦していきたいですね。広報活動では、社員が一緒に仕事をしたいと思える有名人やインフルエンサーと積極的にコラボレーションしています。
やはり、好きな人や好きなことを通じて仕事をするのはモチベーションが上がりますし、それが結果にもつながると思っています。こうしたPR方法は今後も続けていくつもりです。憧れの有名人やインフルエンサーの力をお借りしながら、商品の魅力を広め、その先にしっかりと利益を生み出し、最終的に社員全員が幸せになれる会社でありたいと考えています。明るく、前向きで、誠実な方に仲間になっていただけることを期待しています。
ーー最後に今後の展望を聞かせていただけますか?
高橋達也:
正直なところ、具体的な未来の姿はわかりません。たとえば、エル・クラシコにメインスポンサーとして参加することも、2年前には全く想像していませんでした。ただ、「驚きを提供したい」という思いは常に持ち続けていますので、新しい展開を模索していきたいと考えています。
以前は売上目標を掲げていましたが、それがかえって社内の雰囲気を悪くしてしまった経験があります。現在では、「日本中の方にVITASを届ける」という目標を設定しています。その結果、自然と売上はついてくると信じています。
また、日本のプロテインは非常に美味しく、海外市場でも受け入れられる可能性が高いと感じています。そのため、アジアやヨーロッパ、アメリカなど、さらに広い市場でプロテインを広め、多くの方に喜んでいただけるよう取り組んでいきたいです。
編集後記
プロテインと聞くと、まだ馴染みの薄い方もいるかもしれない。しかし、株式会社スリーピースの「VITAS」は、従来のプロテインのイメージを一新する存在だ。豊富なフレーバー展開と洗練されたパッケージデザインは、多くの人が手に取りやすい商品となっている。
高橋社長が自信を持って薦めるVITASは、すでに日本国内で高い評価を得ているが、これからは海外にも広がり、「プロテインなのに美味しい!」という驚きを世界中に届けるだろう。VITASがもたらすのは、単なる栄養補給ではなく、笑顔と喜びを生む新しい価値観である。今後の展開にますます期待が膨らむ。
高橋 達也/1982年茨城県生まれ。最終学歴は中学校卒業。さまざまな職を経験し、2006年に個人事業主として独立。2016年にスリーピースを設立。2021年に主力商品であるVITA POWERの販売を開始し、フィットネスブランド「VITAS」を確立させる。