※本ページ内の情報は2025年5月時点のものです。

皆さんは保育園の仕事現場を見たことがあるだろうか。子どもたちの相手はもちろん、日々の記録や保護者への連絡、想像力を育む教育カリキュラムまで、その業務は多岐にわたる。そんな現場を快適にするためにつくられたのが、株式会社Funkitが手掛ける「CurioKids(キュリオキッズ)」というサービスだ。

同社の代表取締役の吉村勇作氏に、CurioKidsの強みや可能性、そして会社の成長ビジョンについてうかがった。

音楽からIT、そして知育へ。異色の経歴を掛け合わせたサービス開発

ーー吉村社長の経歴をお聞かせください。

吉村勇作:
私の社会人としてのスタートは、昔から好きだった音楽制作の仕事でした。しかし、次第に仕事の中で使っていたIT技術への興味が強くなり、エンジニアに転職。当然、未経験エンジニアとしてのスタートでしたが、音楽よりも得意な分野であるとの自信もあり、人一倍仕事に熱中することができました。おかげで徐々にマネジメント業務にも携わるようになり、入社5年後には取締役を任せられるまで成長しました。

以降、経営陣として、最終的には代表取締役副社長の任を担うことに。私自身、音楽もそうですが、もともと、モノづくりに情熱とプライドがあり、結果的に短期的な利益と相反することもありました。そういった点において、自分の価値観で舵を取れる会社経営がしたいと思うようになっていったのです。

そこで私はFunkitを創業し、ゲーム開発、受託開発、人材派遣などで会社を成長させてきました。

そのタイミングで、社会では保育園不足に対し、企業主導型保育事業が打ち出されており、私たちが持つゲーミフィケーションや、ITを通した表現力、使っていてワクワクするような仕組みづくりのノウハウを、知育、特に幼児教育に活かしていきたいと考え、保育事業をスタートしたのです。

さらに保育園の運営で得られた知見を活かしたシステムづくりにも取り組み始めました。現在はIT事業全般と保育事業、そして保育から生まれたサービスの「CurioKids」の運営に取り組んでいます。

ーー仕事において、どのような考えや価値観を大切にしていますか?

吉村勇作:
働くうえで私が何より大切にしているのは、「従業員ファースト」の精神です。社員一人ひとりが、「この会社に入って本当に良かった」と心から思えるような環境を整えることが、経営者としての私の役目です。

Funkitで働いた経験が、その人の人生にとって少しでもプラスになったと思ってもらいたい。そのために、私自身が責任を持って取り組んでいきたいと思っています。

社員とは共に目標を目指す仲間であり、いわば未来の担い手です。特に新入社員は私にとっては大切な家族同然です。育つスピードや方向性は人それぞれですが、その成長をしっかりと支え、見守り、後押しできる存在でありたいと常に考えています。

幼児教育からシフト作成まで。保育の現場業務を一元化するサービス「CurioKids」

ーー貴社の事業内容と独自の強みを教えてください。

吉村勇作:
弊社の事業は大きく「IT事業」と「教育事業」に分かれています。2つの分野は相互に影響し合う関係にあり、教育分野で得たノウハウをIT分野に注入したり、IT分野の技術を教育分野の現場に還元したりしています。

まず教育分野では、保育園や幼稚園の運営を中心に、子どもたちの成長を支える取り組みを行っています。中でも注力しているのが現場の声から生まれたCurioKidsです。

CurioKidsには、知育ソリューションの他にも、日々の保育の記録や、登降園管理、従業員のシフト作成機能といった、現場で役立つさまざまな機能をオールインワンで提供しています。これからも、保育園で必要な全ての機能を追加開発してまいります。

また、IT分野では保育士や栄養士からエンジニアや営業へのキャリアチェンジというユニークな事例も出はじめています。保育分野で働く方にとっては自分のキャリアパスを広い視野で考えていただけますし、エンジニアとしても保育士や栄養士の専門性を取り入れたソフトウエア開発が提供できます。

実際に、管理栄養士のエンジニアが、食品成分に関わるITプロジェクトで活躍したり、保育関連のノウハウを、子ども向けソフトウエアの提案・開発に発揮できたりしています。

IT事業で企業の安定性を高め、教育事業の横展開で大きな成長を狙う

ーー中長期的に取り組みたいテーマや、会社の成長ビジョンをお聞かせください。

吉村勇作:
いま、取り組んでいるのが、CurioKidsをさまざまな業界へ横展開していくことです。このシステムは保育現場だけではなく、商業施設やホテル、介護や小売などとも相性が良く、それぞれの業界向けに適合するソリューションになる潜在能力があると感じています。

そのためにも、上場を見据えた体制づくりが必要だと考えています。上場という一つのマイルストーンをクリアすることで、事業の信頼性や透明性を高め、より多くのステークホルダーに支持されるきっかけをつくっていく考えです。

さらに、今後は、ビジネスの安定性を高めるために、私自身も技術者時代に多種多様な現場に常駐し、ITエンジニアとしての経験を得ることができたと感じているSES(システムエンジニアリングサービス)事業を基本として、DXや、LINEミニアプリ、インフラなど、次々に生まれる得意分野についてもソリューション展開し、事業の拡大を考えています。

ーー最後に、この記事の読者にメッセージをお願いします。

吉村勇作:
Funkitでは、向上心がある人が大きく成長できる環境づくりに力を入れています。すでに経験豊富な方はもちろん、未経験でも自己実現したい想いを持っている方は大歓迎です。

弊社は現在、積極的な事業拡張に取り組んでおり、5年後を目処として、投資価値の高いソリューションを揃えたうえで上場し、従業員規模としても、現在の約4倍にあたる1,000人まで拡大していきたいと考えています。入社後の配置については、個々の適性や希望を大切にしながら適材適所で人事を進めているので、自分が成長できるフィールドがきっと見つかるはずです。

共に未来をつくっていける仲間との出会いを、心から楽しみにしています。どうぞ一歩を踏み出してFunkitの扉をノックしてみてください。

編集後記

CurioKidsは現場からの要望をオールインワンにした「ソリューションの塊」だ。現場主義の徹底により生み出されたサービスだからこそ、多くの顧客に支持されるのだろう。他業界へ展開しても、この「現場と共に成長する」という姿勢があれば支持を得られるに違いない。Funkitが多くの顧客から信頼を寄せられる秘訣はそこにある。

吉村勇作/1973年東京都生まれ。1998年に株式会社テンダに入社後、エンジニア、営業、事業マネージャーを経て、2003年に取締役就任。2015年に代表取締役副社長を退任。2015年に株式会社Funkitを創業。東京本社のほか宮崎、千葉、名古屋に支店を設立。2018年より保育・知育のICT化を志して保育事業を開始。現在、計13の保育園を運営している。