
エーステクノロジー株式会社は再生可能エネルギー、特に太陽光発電事業を軸に、地球温暖化対策への貢献を目指す企業だ。用地の仕入れから設計・施工・メンテナンスまで一貫して手がけ、各部門のスペシャリストによる迅速かつ高品質なサービス提供を強みとする。同社を率いる代表取締役、近藤雅哉氏は大工から営業、そして起業家へと多様なキャリアを歩んできた。「人生に無駄な経験はない」という信念のもと、人材育成にも注力し、企業の成長と社会貢献の両立を追求する。同社の経営哲学と今後の展望について話を聞いた。
多様な職歴が生んだ「人生に無駄なし」の哲学
ーーこれまでのご経歴についてお聞かせください。
近藤雅哉:
高校卒業後、3年間にわたり大工としてリフォーム工事や新築工事に従事してまいりました。その後、営業職へ転身し、通信業界において営業活動を行っておりました。通信機器の契約に至ったお客様に対しては、配線工事も自ら対応しており、大工として培った現場経験を活かし、お客様の疑問や不安をその場で解消できたことが自分の強みだと感じています。
こうした経験を通じて、「人生に無駄なことはなく、すべての経験が次につながっている」という考えを強く持つようになりました。現在はエーステクノロジー株式会社の代表として、再生可能エネルギー分野における事業推進に取り組んでおります。
ーー貴社を設立されたきっかけや、当時の思いをお聞かせください。
近藤雅哉:
個人事業主として太陽光の請負工事を続ける中で、より大きな視点で業界に貢献したい、
そして仲間が安心して働ける環境をつくりたいという思いが強くなりました。また、多くの同業他社が倒産し、忙しい時期に協力してくれた下請けの工事店を守れなかった悔しい経験もあります。
これらの経験から、「仕事をもらうだけでなく、自ら仕事をつくり出し、仲間を守る環境をつくりたい」と強く感じました。再生可能エネルギーは社会貢献性が高く、自ら仕事を生み出せる分野であることもあり、2022年にエーステクノロジー株式会社を設立し、事業拡大を目指しています。
ーー数ある事業の中で再生可能エネルギー事業を選ばれた理由は何ですか。
近藤雅哉:
再生可能エネルギーは地球環境の課題解決に直結し、社会に大きく貢献できる分野だと考えています。また、自ら仕事を生み出せる可能性が大きいことも魅力でした。自分自身の経験を活かして、持続可能な社会づくりに貢献したいという強い思いから、この事業を選びました。
専門性とワンストップ体制で高速・高品質を実現

ーー改めて、貴社の事業内容と強みについて教えてください。
近藤雅哉:
弊社は、太陽光発電事業を展開しており、発電所の建設に必要な土地の取得から設計・施工、行政対応、資材調達、現場工事、そして完工まで、一貫して自社で対応できる体制を整えております。完工した発電所は、大手企業様をはじめとするお客様にご購入いただく仕組みです。
特に、用地仕入れから設計・施工までを社内で完結できるため、案件の組成スピードにおいて他社と比較して大きな優位性を持っています。また、私自身が工事畑出身であり、全国に広がる協力工事店との強固なネットワークを活かすことで、地域を問わず安定的かつ高品質な建設を実現しています。
こうした社内体制と現場経験を活かし、今後も高品質・スピード・安定性を重視した事業推進を行ってまいります。
未経験者も即戦力へと育てる人材育成への情熱
ーー採用において、どのような人物像を求めていらっしゃいますか。
近藤雅哉:
まず、会社のビジョンや目標に共感し、自分が会社から何を求められているのかを理解したうえで、自発的に行動できる方を求めています。事業を進める中で、課題や問題は必ず出てきますが、それを他人事にせず、改善に向けて逃げずに取り組めるかどうかが大切だと考えています。
当社では、太陽光業界が未経験でもしっかりと即戦力へ育てる環境があります。実際に異業種から入社し、若手でも活躍している社員が多くいます。自ら考え、課題に向き合い、行動できる方であれば、必ず成長できる会社だと思います。
スキルよりも「ありがとう」と感謝の言葉を伝えられる気持ちを持っているかどうかを重視しています。また、会社のビジョンに共感し、「ここで働きたい」という強い意欲があるかも大切にしています。つまり、スキルよりもマインドを重視しています。
ーー未経験者が早期に活躍できるのはなぜでしょうか。
近藤雅哉:
当社では、我が社のビジョンに共感し、主体性を持って能動的に動ける方を見極めて採用しています。そのため、入社後も自ら考え、積極的に行動する方が多く、未経験でも早い段階から結果を出せる環境が整っています。
また、EPC事業を社内で完結していることで、業務全体の流れを把握しやすく、現場経験がなくても実践を通じてスピーディーに成長できるのも大きな理由です。
地球温暖化に挑み、社会から必要とされる企業へ
ーー事業を通じてどのような社会貢献を目指していらっしゃいますか。
近藤雅哉:
私たちは再生可能エネルギー事業を通じて、地球温暖化の抑制に貢献したいと考えています。太陽光発電などのクリーンエネルギーを広めることは、持続可能な社会をつくるうえで欠かせません。
また、環境への負担を減らすだけでなく、地域の皆さまや取引先、社員など、関わるすべての人にとって必要とされる会社であり続けたいと思っています。環境保全と経済活動の両立を目指し、豊かな地球を子どもたちや未来の世代へ引き継ぐことが私たちの使命だと考えています。
2つの重点戦略で描く成長へのロードマップ
ーー今後注力したいテーマについて教えてください。
近藤雅哉:
当社は、EPC事業の強化と人材育成を重点的に進めています。EPC事業では、用地仕入れから設計・施工までを社内で一貫して完結できる体制をさらに強化し、案件のスピードと品質を高めることで、太陽光事業における建設シェアトップ10入りを目指します。
また、既存取引先とは定期的な打ち合わせを通じて課題をしっかり把握し、解決に努める「クライアント第一主義」を徹底しています。これにより、良好な関係を築きながらニーズに応え続けています。人材育成では、未経験者も早期に即戦力となれる教育体制の充実と、主体性を持って能動的に動ける人材の採用・育成に力を入れています。若手が活躍できる環境づくりや、営業部門での安定的な成果を出せる仕組み作りも進めています。
これらの取り組みを通じ、5年後・10年後には東証プライム市場への上場を果たし、持続可能な企業成長と社会貢献の両立を実現していきます。
編集後記
「人生に無駄な経験はない」という言葉は多様な職務経験を経てきた近藤社長だからこその重みがある。スペシャリスト集団による迅速かつ高品質な事業展開と、未経験者をも即戦力へと育てる人材育成力。その根底には常に周囲への感謝と社会への貢献を忘れない近藤社長の確固たる信念がある。同社の挑戦は、再生可能エネルギー業界に限らない。多くの企業にとって、事業成長と社会貢献を両立する上での確かな指針となるのではないだろうか。

近藤雅哉/高校卒業後、日米商会で現場管理を経験。その後、営業職としてニューゲートに入社し、通信業界で営業スキルを習得。独立を経て工事業界に復帰し、法人成りで雅株式会社を設立。代表を務めた後、さらなる成長を求め同社代表を辞任。現在はエーステクノロジー株式会社を設立し、再生可能エネルギー事業および建設事業を展開している。