※本ページ内の情報は2025年11月時点のものです。

プロモーション事業を起点に、D2C、EC、飲食店、さらにはリゾートホテル開発まで、領域を問わず多角的な事業展開で成長を続ける株式会社サムライパートナーズ。同社の躍進を支えるのは、他社が追随できない圧倒的なマーケティング力である。特に、現代のマーケティングにおける強力なツールであるYouTubeチャンネルの運用を一貫して内製化している点は、同社の際立った強みと言えるだろう。その卓越した組織を率いるのが、代表取締役CEOの入江巨之氏だ。「ビジネスクリエイター」という独自の肩書を掲げる同氏に、仕事への哲学、独自の戦略、そして未来への壮大なビジョンを聞いた。

仕事は人生を面白くするための活動

ーー起業家になるという道を選んだ、ご自身の原体験があれば教えてください。

入江巨之:
経営者の家系に生まれ、事業が順調な環境で育った私にとって、起業はごく自然な選択でした。そもそも会社員になるという発想自体がなく、社会人経験もないままこの道に進んでいます。そして、18歳の頃から抱いていた「日本を変え、歴史に名を残す」という大きな志が、現在の活動のすべての原点となっています。

ーー仕事に対する哲学や価値観についてお聞かせください。

入江巨之:
1日の大半は仕事の時間が占めているわけですから、その時間をいかに自分で楽しくするかが重要だと考えています。私にとって仕事は、お金を稼ぐ手段というよりも、人生を面白くするための活動そのものです。今行っていることが好きだからこそ、情熱を注げるのです。

ーー困難なことや、気の進まない仕事には、どう向き合っていますか?

入江巨之:
大きな目標を達成しようとすれば、やりたくないことの方が多くなるのは当然です。しかし、それを乗り越えた先にしか、本当にやりたいことは待っていないと考えています。もし、やりたいことだけをやって物事が順調に進んでいると感じる時があれば、それはかえって失敗の前兆かもしれません。困難な課題をクリアし、人を巻き込んで何かを成し遂げる瞬間にこそ、本当の楽しさがあるのだと思います。

オセロの四隅を押さえるYouTube戦略

ーー事業を大きく成長させる上で、最初の転機は何でしたか?

入江巨之:
創業当初に手がけていた通販事業が、一つの大きな転機でした。その中で、どんなに良い商品を作っても、お客様に届けるための“マーケティング”が事業の成否を分けると痛感したのです。そこから、マーケティングを自社で完全にコントロールできる体制を構築すれば、事業はさらに加速すると確信しました。今ではそれが我々の最大の強みになっています。

ーーマーケティングの重要性に気づかれた後、さらに大きな飛躍のきっかけはありましたか?

入江巨之:
東京に進出したことが最も大きなターニングポイントです。もともとは九州で事業を展開していましたが、成長に限界を感じていました。東京に出てきたからこそ、今の成長が実現できたと考えています。この場所にいることに大きな意味があるのです。

ーーそうした経験を経て確立された、貴社の一番の強みについてお聞かせください。

入江巨之:
最大の強みは、マーケティング機能を完全に自社で内製化している点です。特にYouTubeをはじめとするSNSマーケティングの手法を自社で確立している企業は、他にほとんどないでしょう。多くの企業が外部に委託せざるを得ない領域を、私たちはすべて自社で実行できます。これが他社との決定的な違いです。

ーーマーケティングの内製化は、事業にどのような好影響をもたらしていますか。

入江巨之:
たとえば、人材採用もSNSでの発信だけで優秀な人材が集まります。これは他社では考えられないことでしょう。ビジネスにおける「ヒト・モノ・カネ」のうち、「ヒト」と「カネ」を動かす原動力がマーケティングです。私たちはそのエンジンを自社で持っている。これは、ボードゲームのオセロで四隅をすべて押さえている状態に近く、事業展開において圧倒的な優位性をもたらします。

次なる挑戦と未来へのビジョン

ーー今後の事業展開についてはどのようにお考えですか。

入江巨之:
常に大きな目標を掲げてチャレンジし続けることを、企業文化として非常に大切にしています。大きな挑戦をすればするほど、優秀で志の高い人材が集まってきます。現状維持は衰退と同じです。だからこそ、私たちは新しい事業と新しい挑戦を絶えず続けていくのです。

現在はホテル事業に特に力を入れており、今後も積極的に投資していく計画です。全国47都道府県にリゾートホテルを展開するという壮大な目標を掲げています。それに伴い、組織規模も現在の100名強から200〜300名体制へと拡大していく必要があると考えています。営業力は今後の成長に不可欠であり、さらに倍程度の人員が必要になります。

ーーその目標を実現する上で、現時点でどのようなハードルがあるとお考えですか。

入江巨之:
最大のハードルは資金力です。ホテル事業全体で300億から400億円規模の投資を計画していますから、それをどう乗り越えていくか。これまで10年以上かけて強固な財務基盤を築いてきましたが、大きな挑戦には常にお金の問題がついて回ります。

“ビジネスクリエイター”が描く未来

ーー「経営者」という立場と、どのように向き合っていらっしゃいますか。

入江巨之:
率直に申し上げて、私にとって「経営」そのものが目的だったわけではありません。それは、全責任を一身に負う、非常に厳しい立場だと認識しています。ただ、組織を率いる面白さや人の人生を背負う責任感もあり、何よりこのポジションでなければできない仕事がある。好きなことを追求するためには、自分で会社をつくるしかなかったのです。だからこそ私は、自らを「経営者」ではなく「ビジネスクリエイター」と名乗っているのです。

ーー貴社が社会に提供していきたい独自の価値とは何でしょうか

入江巨之:
私たちは、マーケティングを通じてお客様に情報を届けるだけでなく、ホテルやECサイトなどを通じて、お客様にサービスを直接体験していただく場も提供しています。私たちの商品やサービスに触れた方々に、これまで体験したことのないような高いクオリティを届けたい。単なる金儲けではなく、心から喜んでもらえる価値を提供し続けることを目指しています。

ーー最後に、これからの時代を担う若い世代へメッセージをお願いします。

入江巨之:
昔に比べて難しい時代になっているかもしれませんが、チャンスはいつの時代にも平等に存在します。私自身は社会人経験なくこの道に進みましたが、それは非常に稀なケースだったと自覚しています。だからこそ皆さんには、まずはどこかの会社で懸命に働き、世の中の仕組みや自分だけの武器を身につけることを勧めたい。その経験こそが、将来自分の事業を始める際の、成功確率を格段に高めてくれるはずです。

編集後記

「仕事は自分で楽しくするもの」。入江氏の言葉は、確固たる自信と実行力に裏打ちされていた。経営者の家系に生まれ、若くして起業した同氏は、マーケティングという強力な武器を自ら作り上げ、事業領域を拡大させていく。その根底にあるのは、現状維持を許さない挑戦心と、関わる人々を巻き込みながら大きなことを成し遂げることへの純粋な喜びだ。彼の見据える先にあるのは、単なる事業の成功ではない。古い業界の常識を刷新し、社会に新たな価値を提供すること。その壮大なビジョンが実現される未来に、期待せずにはいられない。

入江巨之/1985年6月12日生まれ、長崎県出身。プロモーション領域から独自の価値を創造し続けるビジネスクリエイター。従来の枠を超えた新しいビジネスモデルを確立し、D2C、ホテル開発、YouTube番組制作、イベント事業など多彩な領域に挑戦。デジタルとリアル双方での価値創造に注力している。