※本ページ内の情報は2026年4月時点のものです。

投資家から厚い支持を集める不動産投資専門ポータルサイト「健美家(けんびや)」。現在LIFULLグループの一員として、国内最大級の不動産・住宅情報サービス「LIFULL HOME'S」との連携を深めている。健美家の代表取締役社長の成瀬亮輔氏は「泥臭い現場主義」と「血肉化」の精神を武器に、同社を投資家の意思決定を支えるプラットフォームへと進化させようとしている。「監督ではなくキャプテンでありたい」と語る成瀬氏に、同社が守り抜く矜持とグループの牽引役として描く未来図を伺った。

「できない理由」を探さない 逆境を糧にするキャプテン型経営

ーー経営者として大切にされていることはなんですか。

成瀬亮輔:
どんな逆境や失敗も、すべて自分の糧(ポジティブ)に変えていく「血肉化」の精神です。私は新卒で株式会社LIFULLに入社してからの17年間、数々の経験を積んできましたが、生来の負けず嫌いな性格もあり、1年目の営業成績がゼロだった苦い経験や、知名度ゼロの地での新規開拓など、何事にも誠心誠意向き合うことを信条としています。特に意識しているのは、できない理由を探したり、否定的なところから入ったりするのではなく、常に「どうすればできるか」を肯定するところから思考をスタートさせることです。このスタンスは、経営者となった今でもコミュニケーションの基盤として最も大切にしています。

ーー社員の方々との関わり方で意識されていることはありますか。

成瀬亮輔:
私は組織の「監督」として上から指示を出すのではなく、同じ目標に向かって仲間と一緒に汗をかく「キャプテン」でありたいと思っています。そのため、1on1などの対話を通じて、フラットに現場の課題や悩みを吸い上げる時間を非常に重んじています。自らの思いや会社の方向性を自分の言葉で伝え、全社員で同じ方向を向いて進んでいくことが、組織のモチベーション向上につながると信じています。

利回り1%の重みを知る「マニアックな信頼」と「熱狂」

ーー貴社が多くの投資家から強く支持されている理由は何でしょうか。

成瀬亮輔:
不動産投資において、利回り1%の違いが人の人生を大きく変えうるという重みを、深く理解している実務者集団としての矜持があるからです。弊社が運営するポータルサイト「健美家」は、創業時から社員自身が投資経験を持ち、「自分たちが知りたい情報を集めよう」という思いでつくられたものです。よい意味でマニアックであり、見栄えだけを重視するのではなく、あえて情報の密度を高く保ち、実業に近く親近感が湧くポジションを確立しています。この「投資家ファースト」の姿勢こそが、私たちの一番の誇りです。

ーー他社にはない貴社ならではの強みはどこにあるとお考えですか。

成瀬亮輔:
豊富な掲載物件数で投資家の選択肢を最大化していることに加え、著名な投資家の方々によるコラムやニュースといった「生の声」が重要なコンテンツとなっています。成功談だけでなく、リアルな経験談に触れられることが、唯一無二の信頼を生んでいるのです。また、弊社は少人数の組織でありながら非常に高い生産性を誇っています。その「個の強さ」の源泉は、社員全員が投資を愛し、自社のサイトに深い愛着を持っているからです。この熱狂的な文化は、今後も絶対に守り抜きたい部分です。

LIFULLグループのアセットを融合させ、業界課題を解決する「社会装置」へ

ーーLIFULLグループとの融合はどのように進められているのですか。

成瀬亮輔:
現在、LIFULLグループとして、初心者の方も多く見るLIFULLの不動産投資サイト「LIFULL HOME'S 不動産投資」と、プロ層からの支持が厚い「健美家」の2つのサイトを運営しています。直近の大きな取り組みとして、「LIFULL HOME'S 不動産投資」のシステムと「健美家」を連動させました。これにより、不動産会社様は一回の入力で両方のサイトに物件を掲載できるようになり、大変喜ばれています。このように、「健美家」のよさは変えずに、LIFULLが培ってきたブランドやノウハウを融合させることが私の役割です。

ーー今後テクノロジーはどのように活用されていくのでしょうか。

成瀬亮輔:
これまで属人的だった知見や業務を、生成AIなどの先端技術を活用して言語化し、仕組み化していきます。AIで効率化できた時間は、先輩社員からのOJTなど「人間にしかできない生の対話」に還元し、プロフェッショナルを育てていきたいです。将来的には、単なる物件掲載サイトにとどまらず、不動産会社様が抱える人材や集客といった経営課題まで解決できる「社会装置」への進化を目指しています。データとテクノロジーの力で、投資家の方々が適切な意思決定を行えるプラットフォームへと拡張していきます。

ーー最後に、今後の展望をお話いただけますか。

成瀬亮輔:
LIFULLグループの代表である伊東も非常に熱量を持った人間であり、グループ全体として「一緒にやろう」という熱い文化が根付いている企業です。健美家としては、国内最大級の「LIFULL HOME'S」と連携を深めながら、単独で成長するだけでなく、グループ全体の成長を牽引するエンジンのような存在になりたいと考えています。ゆくゆくは親会社を追い越すほどの勢いで、グループに貢献していくつもりです。不動産投資が資産形成のひとつの選択肢として当たり前になる時代に向けて、ユーザーが幸せな資産形成を実現できるよう、業界のスタンダードをつくり上げていきます。

編集後記

「監督ではなくキャプテンでありたい」。成瀬氏のその言葉には、現場を愛し、泥臭く課題に向き合ってきた経営者としての覚悟が滲んでいた。利回り1%の重みを誰よりも理解し、投資家からの支持を集める同社。そこにLIFULLグループの強大なテクノロジーとネットワークがかけ合わされることで、不動産投資の世界はより透明で、確かなものへと変わっていくはずだ。不動産投資における正しい判断を支えるプラットフォーム、さらには業界の課題を解決する「社会装置」へと進化を遂げる同社の第二創業期から、今後も目が離せない。

成瀬亮輔/1985年岐阜県生まれ。2009年に株式会社ネクスト(現・株式会社LIFULL)に入社。不動産・住宅情報サービス「LIFULL HOME'S」のセールスマーケティング部兼アカウントマネジメント部長およびグループ会社取締役を経て、2025年10月に健美家株式会社代表取締役社長に就任。