
株式会社エッジコネクションは、「あなたの事業課題、丸投げしてください。」というコンセプトで、事業責任者の抱える「営業・人事・財務」の課題を総合的に解決する事業課題総合サポート企業だ。経営に悩む企業の心強い味方ともいえる。同社をけん引する代表取締役社長の大村康雄氏は、学生ベンチャーを起業した後、金融機関の勤務を経て、二度目の起業で同社を創業した。今回は過去の起業の背景や現在の事業内容に加え、伴走型支援企業としての新たなミッション、独自の評価制度や求める人物像について、大村氏に聞いた。
一度は諦めた夢が再燃した起業家魂
ーー貴社を起業するまでの経緯を教えてください。
大村康雄:
私が慶應義塾大学に在学していた頃、世の中はITバブルで、ライブドアやサイバーエージェントが注目されていました。起業に際しての資本金規制が撤廃され、資金がなくても会社をつくれるようになったこともあり、一緒に遊んでいたメンバーと学生のノリで有限会社ネクストサービスサプライヤーを創業しました。
しかし、うまくいかなかったので会社をたたみ、卒業後はシティバンクに就職しました。サラリーマンとなりましたが、学生時代に経験した起業の方が楽しく、やりがいがあったと感じていました。そこで、シティバンクの同期で仲の良いメンバーと一緒に、もう一度起業しようと考え、2007年に弊社を創業したのです。
ーー大手企業の社員ではなく、起業を選ばれた理由をお聞かせください。
大村康雄:
学生時代のベンチャー起業の楽しかった経験を、社会人になってからもう一度味わいたいと考えたこと、そして親の影響も大きくあります。
本好きの母は図書館司書で、子ども時代から「好きなことを仕事にしなさい」と言っていました。また、父は寺の僧侶で、法事がない限り家でゆっくり過ごす自由業です。つまり、自分の生まれ育った環境が、サラリーマンよりもベンチャー企業と似ていたことが、起業につながったのだと思います。
特に大きな夢があったわけでもなく、若さからくる甘い考えから24歳で起業しましたが、今冷静に考えるとリスクの高いことだったと思います。
シティバンクで学んだ効率化と組織の仕組み

ーーシティバンクでのご経験の中で現在に生きていることはありますか。
大村康雄:
大きく2つあります。1つは現在の事業の基盤となる電話営業のスキル。もう1つは、効率を求める考え方です。当時は残業を良しとしない文化が根付いており、全世界に30万人規模の社員がいる大きな会社がどのように動いているのか、その仕組みを肌で学べた経験は非常に大きいです。特に、属人性を徹底的に排除し、特定の人物がいないと業務が回らない状況を良しとしない仕組みづくりを取り入れたいと強く感じました。
ーー社員数が増加する中、どのような仕組みで組織を運営されていますか。
大村康雄:
現在、弊社の社員数は100人規模まで拡大しましたが、どんな人が入社しても会社が回る仕組みを重視しています。銀行業務の性質上、誰か一人しか全体を把握していない状況は不正の温床にもなり得ます。そこで、弊社でも業務を分業化し、相互に確認機能を持たせています。細切れにすることで一つひとつの仕事の難易度が下がり、責任の所在や進め方が標準化されます。これにより、新入社員でも早期に戦力化できる体制を構築できました。
「電話」という強みを活かして、ビジネスを切り拓く
ーー銀行員時代に16ヶ月連続で売上高目標を達成されたコツを教えてください。
大村康雄:
私は営業が好きではないからこそ、相手に納得してもらい、気持ちよく契約を結んでもらえるような営業スタイルを追求しました。どのような論理展開をすれば顧客の納得を得られるかを考え抜き、顧客や状況に応じたトークや提案を徹底的に研究しました。結果として、再現性の高い営業スタイルを確立でき、目標を達成できたのだと考えています。
ーー現在の主要な事業展開について詳しくお聞かせください。
大村康雄:
最もニーズがあるのは営業支援です。ヒアリングを基に分析を行い、営業の困りごとの原因をつきとめます。また、クライアントがこれまで接点を持てていない企業に対しては、弊社がテレマーケティングでアポイントを獲得し、営業担当者へ引き継ぐ支援も行っています。
一度お付き合いを始めると、継続利用いただくケースがほとんどです。アポを取り、クライアントが営業を行うことで成約に至る流れが定着すると、必然的に先方の営業人員を増やしたいという話が出てきます。
そこから人材紹介や資金調達支援などとともに、営業会議のサポートや資料見直しなどの営業の周辺ニーズを拾い、新たなビジネスへと展開しています。現在は伴走型支援企業として、営業支援の仕組みをより強固なものにしています。
伴走型支援への転換と新規事業への挑戦
ーー伴走型支援のコンセプトに変更されたことによる変化をお聞かせください。
大村康雄:
社員の意識が大きく変わりました。単に依頼された作業をこなす「アウトソーサー」ではなく、クライアントが成功するまでしっかりフォローしようとする姿勢が根付いたのです。
この「伴走型」の考え方が現場の行動として浸透した結果、お客様との向き合い方が深まり、クライアント満足度の調査でも、現在では常時8割を超える評価をいただけるようになりました。今では、お客様と成果を共に喜び合える関係性が構築できています。
ーー新規事業である海外企業の日本進出支援についてもお聞かせください。
大村康雄:
数年前から支援を本格化させ、現在では月に3社ほど弊社経由で日本進出を果たしています。サポート範囲は日本法人の設立支援から販路開拓までと幅広く、対象地域もアジアだけでなくアメリカやカナダなど多岐にわたるのが特徴です。確かなニーズを実感しているため、今後も積極的に開拓していく予定です。
実力主義の評価制度と部署間連携のフォーマット
ーー10期連続増収15期連続黒字を達成されているとうかがいましたが、貴社の強みは何だとお考えですか。
大村康雄:
社員一人ひとりのKPIが明確に設定された人事制度です。頑張って結果を出せば給与が上がり、そうでなければ下がる仕組みで、成績は翌月の給与にすぐ反映されます。上司の顔色をうかがう必要はなく、評価への不満も出にくいのが特徴です。仕組みによってマネジメントの難易度を下げている点が、組織としての大きな強みといえます。
会社紹介の段階で実力主義の環境であることを伝えているため、こうした方針に賛同してくださる方だけが集まってくれます。やった分だけ正当に評価される納得感があるからこそ、全員が迷いなく業務に取り組める環境が整っているのです。
ーー部署間の連携において工夫されていることはありますか。
大村康雄:
ルールの明確化とフォーマットの活用を徹底しています。たとえば部門間で業務を引き継ぐ際、必要な条件が揃っていないと渡せないルールを設け、受け取る側に「拒否権」を与えました。もし突き返されれば業務効率が落ち、結果として自身のKPIが下がり給与にも影響が及びます。そのため、全員が質の高い連携を心がけるようになりました。フォーマットを埋める仕組みにしているのも、属人性を排除するためです。お互いの業務効率を下げないよう、現場では常に建設的な話し合いが行われています。
成長の秘訣は素直さとアドバイスできるマインド
ーー貴社が求める人物像についてお聞かせください。
大村康雄:
素直で、自分を変えることに対して前向きで、楽しみながら取り組める人です。商談先のクライアントを変えることはできませんから、自分を変えない限り成績は伸びません。指摘されたことを受け入れ、具体的な改善方法を学ぼうとする「素直さ」を持った人が成長します。
また、伴走支援を行う上で、クライアントに対して「プロとしてのアドバイス」ができるマインドも不可欠です。「自分はもっとやれるはずだ」と高い向上心を持ち、自ら知識を得ていく姿勢がある人は成長が早いです。
ーー貴社に入社される方はどのような方が多いのですか。
大村康雄:
自分を変えることにチャレンジできる人です。弊社では、常に新しいことに挑戦し、自分自身を磨き続けることが求められます。現在、実績を上げている社員の前職は、調理師やバーテンダーなど多様で、話すことが苦手だった人が自信を持って話せるようになった事例もあります。
ーーその他、貴社で働く魅力はどのような点が挙げられますか。
大村康雄:
評価制度以外では、未経験からでも「自分を本気で変えられる環境」が魅力です。日々の業務や目標に対して、必要に応じていつでも上司へ相談できる環境があり、進捗状況に応じて具体的なアドバイスやフォローを受けられます。営業職においては、商談内容まで細かくチェックし、具体的なフィードバックを随時行う体制があるため、異業種から転職して部長職まで昇進した社員も多くいます。また、人間関係も「ほどよい距離感」を大切にしています。私も、過度にベタベタせず、困ったときには「親戚のおじさん」のように頼れる。そんな、立ち位置を意識してます。
新ミッションの策定と生成AIによる業務効率化

ーー会社のミッションを新しくされた背景についてお聞かせください。
大村康雄:
最近、「挑戦する事業責任者への伴走支援を通して、日本を『世界で一番事業運営がラクな国』にする。」というミッションへ変更しました。以前から実現したい内容でしたが、社内の意識が伴走支援にしっかりと向いてきたため、本来目指すべき姿を改めて掲げました。より広い視野で社会に貢献していく決意を表しています。
ーー注力されている生成AIの活用について具体的な取り組みをお聞かせください。
大村康雄:
非効率な業務を削減するため、生成AIを活用し、業務のアプリ化など積極的に業務効率を上げるための施策を内製で進めています。テレマーケティングの結果を自動集計して分析をかけるシステムを構築し、現場からも非常に好評です。効率の悪い仕事は生成AIに代替できると考えており、今後も活用の幅を広げていく予定です。
ーー今後3年から5年先のビジョンについてお聞かせください。
大村康雄:
新しく掲げたミッションの社会的認知を高めたいと考えています。50人から100人規模の企業が経営に悩んだ際、「まずはエッジコネクションに問い合わせてみよう」と思い浮かべてもらえる存在になることが目標です。社員数の増加が着実に売上高に反映される組織をつくり上げ、さらなる飛躍を目指します。
編集後記
「営業とは自分自身が商品であり、自分を売り込むことが営業」「そのためには常に素直でいることが大切」と情熱を持って語る大村康雄社長の姿に、強いリーダーシップを見た。明確なKPIに基づく実力主義で、自身の可能性を最大限に引き出せる同社の環境は、成長意欲が高い人にとって最適だ。新たに掲げたミッションのもと、伴走型支援で事業者を支え続ける同社の挑戦に、これからも注目していきたい。

大村康雄/慶應義塾大学経済学部経済学科卒業後、シティバンク銀行(現・SMBC信託銀行)入行。2007年、株式会社エッジコネクション創業。営業支援業を軸に、人事・財務課題にも対応するコンサルティング企業として展開。これまでに1800社以上を支援し、継続顧客割合は75%を超える。2024年7月には『24歳での創業から19期 8期連続増収 13期連続黒字を達成した黒字持続化経営の仕組み』を出版。