
幼い頃から起業を志し、学術書専門の営業職から未経験のリユース業界へ転身した株式会社JP.Companyの代表取締役、荒木淳平氏。同氏は独自に培った技術を活かして、海外販売や自社サイトの運営、ライブコマース事業を牽引する。異業種から参入した背景には、変化を恐れず挑戦し続ける強い信念があった。アメリカやドイツへの展開も控え、同社の躍進はさらに勢いを増している。「日本一」を目指す荒木氏にその軌跡と展望、ともに未来をつくる仲間への思いを聞いた。
「起業」という幼い頃からの夢 学術書の営業から掴んだ思わぬ事業機会
ーーまずは、起業に至るまでのご経歴を教えていただけますか。
荒木淳平:
大学卒業後は輸入系の企業に入社し、大学教授に学術書を卸す専門書店の営業に携わっていました。海外の著名な大学の書籍を扱う特殊な分野を担当し、学会の時期には週末も大学へ足を運ぶような毎日でした。一方で、私には小学校4年生の頃から「起業したい」という思いがあり、その夢を叶えるべく限られた収入をやりくりして3年ほどで開業資金を準備しました。
また、営業活動の傍ら社内の技術者からプログラミングを学び、当時自作したシステムは現在の社内業務でも活用するほどの大きな強みとなっています。前職で引き留められた経緯もあり、実際は30歳を過ぎた後の起業でしたが、この期間の経験こそが現在の基盤をつくってくれました。
ーー創業当初は、どのようなスタートだったのでしょうか。
荒木淳平:
実は起業当初、シェアリングサービスを立ち上げようと考えており、そのために限られた予算のなかでブランドバッグなどを仕入れていました。しかし、直前で事業の方向転換を決断し、手元に残った在庫をインターネットのオークションサイトで販売してみたのです。すると想定を大きく上回る反響があり、市場の確かなニーズを実感できたことから、この業界ならビジネスとしてスケールアップできると確信しました。
その後、本格的に仕入れを行うため古物市場に通い始めます。当時の業界は昔ながらの商習慣が色濃く残っており、新参者にとっては参入障壁の高い世界でしたが、前職で培った営業力を活かして同業者との信頼関係を地道に築き上げていきました。古物市場にノートパソコンを持ち込み、競りに参加しながら自作システムのプログラミングを行うなど、既存の枠にとらわれない独自のスタイルで事業の基盤を切り拓いていったのです。
eBay海外販売からライブコマースへ 時代を先読みした多角的な事業展開

ーー改めて、現在展開されている主な事業内容について教えてください。
荒木淳平:
現在は中古のブランドバッグや時計などを、世界最大級の越境ECであるeBayなどのプラットフォームを通じて海外の販売サイトで展開しており、売上高の大部分をアメリカやオーストラリアなど海外のお客様が占めるようになりました。
また、自社サイトでの販売と並行して、ここ数年特に注力しているのが生配信で商品を販売するライブコマースです。まずは海外向けの配信からいち早くスタートし、確かな実績を積み重ねてきました。日本の企業に先駆けてライブコマースへの事業化へ踏み切れたことは、私たちの大きな強みとなっています。さらに、今年の5月からは、新たにTikTokのオークション機能を活用したライブコマースも開始し、現在では国内へも展開を広げているところです。
ーーライブコマース事業での反響はいかがでしょうか。
荒木淳平:
非常に良い手応えを感じています。視聴者の多くは30代から40代で、最初はただ見ているだけでも競り合いで値段が上がる様子が面白いようで、そこから「自分も参加したい」という意欲が生まれ購買につながっています。国内で本格的に展開している企業が少ない分、独自の販売手法を蓄積できているのです。先駆者としての強みを発揮して、配信サイトの運営企業とも連携しており、今後はこの経験をもとに配信者の育成や販売の助言を行う事業へも展開していく考えです。
世界へ存在感を示す アメリカやドイツへの展開と売上高1000億円の目標

ーー今後の海外展開や事業全体の目標を聞かせていただけますか。
荒木淳平:
今後はアメリカとドイツへの進出を予定しており、まずは国境を越えた電子商取引で課題となる返品対応への対策を進めていきます。特に返品の習慣が根付くアメリカでは現地で迅速に対応できる体制が不可欠となるため、対応力を高めながら事業の効率化を図っていく方針です。同様にドイツでの展開も準備を進め、海外における私たちの存在感をさらに高めていきたいと考えています。
また、事業全体の目標としてライブコマースで「日本一」になることを掲げており、これから先は取扱商品をブランド品以外にも広げて新しい領域を開拓していくつもりです。外部企業からの委託販売なども視野に入れつつ、ゆくゆくは売上高を1000億円規模へ到達させるという目標に向かって、私たちの挑戦はまだ始まったばかりです。
ーー今後、どのような方と一緒に働きたいとお考えですか。
荒木淳平:
一番求めているのは「変化を楽しめる姿勢」のある方です。海外を相手に取引していると状況が非常に速い速度で変わります。弊社はそれに柔軟に対応し、新しいことへのチャレンジ精神を持っている方が活躍できる環境です。
採用において過去の技術や経験はあまり問いません。固定観念にとらわれず未知の知識を吸収できる潜在能力を大切にしているのです。私自身、今後も新たな事業を立ち上げていく予定です。弊社の明るい社風に共感し、チームとしてともに会社を大きく育てていく意欲のある方をお待ちしています。
編集後記
異業種からの参入でありながら的確な判断力と実行力で事業を拡大し続ける荒木社長。今回の取材を通して飾らない社長の率直な言葉と明るい社風が印象的だった。海外展開や自社サイト運営という強みを活かしアメリカなどへの進出も控えている。日本一を目指して世界へと存在感を示す同社はさらなる高みへと上昇していく。
