※本ページ内の情報は2026年8月時点のものです。

情報漏洩のリスクが高まる現代において、企業が保有する内部データの安全な管理と活用が急務となっている。そんな中、過去35年にわたり企業の内部データを管理してきた確かな実績を基盤とし、独自の「AIデータ基盤」を提供して、企業のビジネスを強力に支援しているのがオープンテキスト株式会社だ。同社の代表取締役社長を務める三浦デニース氏は、シリコンバレーでキャリアをスタートさせ、テクノロジー業界で長年にわたり第一線を走り続けてきた。今回は三浦社長に具体的な経営の軸や同社の強み、日本法人が目指す未来について話を聞いた。

テクノロジー業界は「一生勉強」 最先端への興味と細部へのこだわり

ーーまずは、貴社に入社された決め手を教えてください。

三浦デニース:
企業の透明性や実直さといった文化への共感と、やりがいの大きさです。以前勤めていた企業でも日本やアジア太平洋地域の市場を率いていましたが、2023年秋に弊社の面接を受けた際、日本社会へ貢献し、真の価値を提供できる企業だと感じました。当時の日本法人は変革を必要とする状態でしたが、私は課題を解決し、新たに組織を構築していく過程にやりがいを感じます。この挑戦への思いが入社を後押ししました。

ーーキャリアを重ねるうえで大切にされている価値観は何ですか。

三浦デニース:
常に最先端に興味を持ち、細部に注意を払い続けることです。私はアメリカの大学でコンピュータサイエンスと数学を専攻し、その後にシリコンバレーでキャリアをスタートさせました。テクノロジーの進化とともに歩み、業界には計35年携わってきましたが、テクノロジー業界は「一生勉強し続けなければならない業界」であると定義しています。技術も企業も絶えず変化し続けるため、決して学ぶことをやめてはいけません。だからこそ、常に最先端に興味を持ち、細部に注意を払い続けることを私自身にも組織にも求めています。常に準備を整えることが、組織を牽引する上で不可欠なのです。

サイロ化を打破し「インテグリティ」を経営の軸に据える

ーー社長就任後、どのような組織改革に取り組みましたか。

三浦デニース:
2024年に社長に就任して以来、第一の優先事項として部署間の協業を促し、組織を一つにまとめる基盤づくりに取り組みました。当時の日本法人は、優秀な人材が揃う一方で、知識や技能が縦割りに孤立する課題を抱えていました。顧客に価値を提供する上で、チームの連携は不可欠です。外部企業がサポートを海外へ委託する傾向にある中、弊社の日本法人は国内ですべて対応できる規模と専門知識を有しています。この強みを生かすため、部門間の壁を取り払いました。

その結果、組織全体の連携が強化され、お客様に対してより包括的で質の高いサービスを提供できる体制づくりにつながったと考えています。

ーー経営の軸として重視している考え方は何ですか。

三浦デニース:
最も重要視しているのは「インテグリティ(誠実さ)」です。常にお客様や業界に対して真実を伝えることを徹底しています。お客様が弊社のサービスを信頼してくださる以上、長期的な価値を提供し続けるためには、この誠実な姿勢が欠かせません。

リプレイスではなく「補完」 アプリケーションの垣根を越える連携力

ーー貴社が提供するサービスの強みを教えてください。

三浦デニース:
最大の強みは、既存のシステムを置き換えるのではなく、不足している機能を補完しながら価値を高められることです。

多くの企業では、管理部門で「SAP」、営業部門で「Salesforce」、日常業務では「Microsoft 365」といったように、さまざまなシステムやアプリケーションが利用されています。当社のソリューションは、コンテンツを軸に、部門やシステムの垣根を越えて連携させ、一つの統合されたプラットフォームとして活用できる環境を提供します。複数のアプリやシステム内に散在する契約書や提案書、メール、画像などの非構造化データを一元管理し、必要な情報を各アプリケーションからシームレスに検索・活用できる点が大きな特徴です。これにより、お客様は既存の業務プロセスを大きく変えることなく、情報の活用価値を高めることができます。

ファイアウォール内の90%のデータと独自の「AIデータ基盤」

ーー企業のデータ管理において、貴社ならではの付加価値は何ですか。

三浦デニース:
企業の内部に蓄積された膨大なデータを、安全に管理しながら活用できることです。世界のデータの90%は、ファイアウォールの内側、つまり企業や組織の内部ネットワークの中に存在します。一般的な生成AIは、インターネット上の公開情報をもとに学習しています。しかし、企業にとって本当に価値のある情報の多くは、契約書や技術文書、業務記録、顧客情報など、社内に保管されているデータです。

当社は、こうした企業内のデータを長年にわたって管理してきた実績を持ち、そのデータを安全に活用するための基盤を提供しています。これにより、お客様は情報漏洩のリスクを抑えながら、自社の知識やノウハウをAIで活用し、業務の効率化や意思決定の高度化を実現できます。

さらに、当社が提供するAIデータ基盤は、社内に散在する情報を統合し、新たな知見やビジネス価値を引き出すことを可能にします。企業の重要な情報資産を守りながら活用できること、そして35年以上にわたり企業の情報管理を支えてきた経験と実績こそが、他社にはない大きな強みだと考えています。

ーー最後に、今後の展望と求める人材像についてお聞かせください。

三浦デニース:
今後はオープンテキストを、グローバル全体における「リーダー的存在」へと引き上げることを目指していきます。日本は国際的にも信頼の厚い立ち位置にあり、今後の10年で技術変革を牽引できると確信しています。将来的に従業員数を現在の約300名から倍増させ、提携網も拡大する計画です。

また、採用の面では特に若い世代の人材に期待しています。AIがあらゆる業界で活用される中、弊社のプラットフォームには既にAIが内蔵されており、お客様に直接的な価値を提案できます。世界で通用する人材へと成長できる環境を提供していきたいですね。

編集後記

三浦社長へのインタビューを通して、「インテグリティ」を重んじる真摯な姿勢がひしひしと伝わってきた。情報管理における真の価値が問われる中、確かな実績に裏打ちされた同社のAIデータ基盤は、今後さらに多くの企業を支える基盤となるに違いない。組織の壁を取り払い、強固な連携のもとで日本法人を次なる飛躍へと導く同社の未来に、大きな期待を寄せたい。

三浦デニース/カーネギー・メロン大学卒業。テクノロジー業界で35年以上の経験を持ち、エンタープライズデータ管理、DX、アナリティクス、カスタマーエクスペリエンス領域に携わる。MarkLogicやMedalliaにて日本・APAC事業を統括する要職を歴任。キャリアを通じて多国籍チームを率い、事業成長や市場開拓、Go-to-Market戦略を牽引。2024年にオープンテキスト株式会社へ入社し、同社代表取締役社長に就任。