【ナレーター】
社員のアイデアから生まれたプロジェクトの中では地域貢献に発展し、その地域から表彰を受けたこともあったと語る石原。この経験から、現場スタッフの声の重要性を改めて感じたという。
【石原】
お客様と面しているスタッフのアイデアっていうのはやっぱり鮮度がいいんですよね。我々経営陣では思いもつかないこと、もしくは副作用みたいなものが生まれたりするので。
当然、当社の見られ方も変わってきていて、そこでできることというのはもう変わってきているんだというのは本当にコロナになってから特に私自身、感じているところが正直あります。
チャレンジしたいという方がいるのであれば、どうやってやったらこう背中を押しながら成功に持っていけるかなということをみんなで工夫していくことが大切かなと思います。
【ナレーター】
お客様から預かった名作、名品を次の時代につなげていくのが当社の仕事だと語る石原。その真意に迫った。
【石原】
我々が扱っている商品って、いわゆるブランド品です。高い安いではなくて、誰もがいいと認めたものが、メーカーからブランドとして育っていくと思うので。
ですので、これだけ儲かればいいだろうというよりは、そのお客様に「また来るね」と言っていただくことがとても大事だと信じてやってきています。
そういう意味では、やはりいいモノを持っている方にお譲りいただいて、その時代のいいモノを探している方につなげていくということを誠実に、真面目に、ずっとやってきた会社なので。それはもうこれからもやっていきたいなとは思ってますね。
【ナレーター】
買い取りした商品は窓口の鑑定士だけでなく、買い取り商品が集まる商品センターでも熟練したスタッフたちが何重ものチェックを行い、不良品と偽物を流通させないチェック体制を構築。
この他社と一線を画する仕組みが、顧客からの信頼獲得につながっている要素のひとつだと石原は言う。
【石原】
もし間違ったモノを当社が買ってしまっても、外に出さないということが大事だと思っていますので、全店舗で買ったモノは一旦愛知県にある商品センターに送ります。
そこで何重ものチェックをかけて、もしくは外注先様に出して、このクオリティーでこの条件であればこの値段で出しましょうというプライスまでしっかりつけてお店に出し、お客様に見ていただくという形をとっています。
お客様が我々を信じてお店に来ていただくからには、お客様にそこまでやっているんだと思ってもらえるところまでは、やはりしっかりやっておくべきだと思いますので。
目では見えないもの、もしくは気づけないものというのも中にはあるかもしれないのですが、そういった意味では、しっかりAIも活用していきながら、当社の目利きのスキルレベルを上げていきたいとは思っています。
【ナレーター】
石原が見据える、コメ兵の未来像とは。
【石原】
競合さんも増えてきて、先ほどあったお客様が買う段階でリユースもしくはリセールすることを考えて買っていくことが増えてきています。
そうなってから市場が広がっていくので、参入企業も含めて競争は激しくなってくると思います。
その競争の中でもお客様に選ばれるコメ兵であり続けること、選んでいただけるところまで我々が成長していく必要があるかと思いますし、今はまだ少しずつですけれども、海外にも進出していき、現地で買取りをさせていただいて、商品化を行い、販売をすると。
日本で培った経験や日本で磨いてきたビジネスモデルを、海外でもしっかり使って、リユースという文化を海外のお客様にも経験していただきたいと思っています。
【ナレーター】
求める人材像について、石原は次のように語る。
【石原】
誠実であってほしいということと、こういう商売をやっているからには「モノ好き」であってほしいですね。
お客様の笑顔が自分にとっては最もうれしいというか、最高の褒め言葉と思えたり、お客様の表情や「ありがとう、また来るね」という言葉をいただけることが自分のモチベーションアップにつながったり、仕事に対する熱量の向上につながる、そういった人と一緒に働きたいと思っています。
―大事にしている言葉―
【石原】
「実るほど頭(こうべ)を垂れる稲穂かな」。
怠慢もしくは上からものを言うのではなくて、当社にとってありがたいことをしていただいた人にはちゃんと頭を下げられるような、低姿勢で対等にいろいろな人たちといろいろなことを話せるような人になってほしい。自分もそうありたいと思います。
後は「ご縁」とか「おかげさま」という言葉、古い言葉かもしれないんですけれども、そういったこと、もしくはそういった気持ちで、人と一緒に何か目標に向かって進んでいきたいと思っている部分でありますので、そういった言葉を忘れないようには、自分自身、心がけています。
経営者プロフィール
氏名 | 石原 卓児 |
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役職 | 代表取締役社長 |
生年月日 | 1972年9月21日 |
出身地 | 愛知県 |
座右の銘 | 実るほど頭(こうべ)を垂れる稲穂かな、「One for all,All for One(一人は皆のために、皆は一人のために)」(をモットーに、「現場第一」「お客様視点」で、挑戦し続ける経営に力を注いでいる) |
愛読書 | 「人を動かす」 デール・カーネギー(D・カーネギー) |
1996年、大手家電量販店ヨドバシカメラにて約2年間従事したのち、1998年コメ兵に入社し、カメラ売場に配属。
その後、時計売場の責任者を経て、有楽町店店長、新宿店店長、営業企画部長、WEB事業室長などを歴任し、店舗開発、販売促進、などマーケティング業務に従事。2011年に常務取締役、2012年に代表取締役副社長、2013年に代表取締役社長(4代目)へ就任。
2020年10月1日から、ホールディングス体制への移行と同時に、コメ兵ホールディングス代表取締役社長を兼任。(2021年4月より、リユース業協会副会長も務める)
会社概要
社名 | 株式会社コメ兵 |
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本社所在地 | 愛知県名古屋市中区大須3-25-31 |
設立 | 2020 |
業種分類 | 小売業 |
代表者名 |
石原 卓児
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従業員数 | 連結 1087名(2023年3月) |
WEBサイト | https://www.komehyo.co.jp/ |
事業概要 | 中古品・新品の宝石・貴金属、時計、バッグ、衣料、きもの、カメラ、楽器などの仕入・販売 |