―市場縮小による危機を脱した“切り札商品”―
【ナレーター】
その後、みすずコーポレーションの前身となるみすず豆腐へ入社。当時は乾物を中心に製造・販売を行っていたが、時代の移り変わりとともに市場は縮小。危機感を感じた塚田が自社製品の中で着目したのが、当時小規模な設備で製造していた味付けあげだった。
【塚田】
携わっている従業員が1ラインで6人くらいでしたでしょうか。それでも、売れていました。僕は「これは売れているのに、早くやらないと絶対他の会社もやっちゃうよ。簡単だから」(と考えていました)。これが唯一の伸びるチャンスだなということは直感的にわかっていました。当時、うどん用のあげしかなかったのですが、いなり寿司(用のあげ)もつくろうという話が出て、いなりの皮を豆腐の売り場に持って行けば良いんじゃないかと考え、お豆腐の売り場で売ったんです。レトルトですが、要冷蔵の売り場で、「要冷蔵」とあえて書いて売ってみた。そうしたら、大阪はうどんあげが売れて、スーパーではいなり寿司の皮が足りないくらい売れたんです。というのは、昔の油あげの売り場での一番の用途はいなりだったんですよ。ですから、昔はあの油あげは「いなりあげ」として売っていたんです。今は全部これに置き換わってしまい、今は一番売れているのは「刻み」というものです。味噌汁に入れるときなどにも便利ですからね。そういうものになってしまった。ですから、いなりずしの皮はきっと家庭で炊くのは面倒ですし「売れる」と思ったんです。それから、10年くらいの間にほとんどの店に入ったと思います。
経営者プロフィール
氏名 | 塚田 裕一 |
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役職 | 代表取締役社長 |
生年月日 | 1958年8月27日 |
出身地 | 長野県 |
座右の銘 | 不易流行 |
愛読書 | 『こうして会社を強くする』稲盛和夫/PHP |
尊敬する人物 | 稲盛和夫氏 |
略歴
1980年成蹊大学法学部卒業後、株式会社加ト吉(現テーブルマーク株式会社)入社 食品業界の経験を積み、みすゞ豆腐株式会社(現株式会社みすずコーポレーション)入社 2001年代表取締役社長に就任
会社概要
社名 | 株式会社みすずコーポレーション |
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本社所在地 | 長野県長野市若里1606 |
設立 | 1949 |
業種分類 | 食料品・飲料・たばこ・飼料製造業 |
代表者名 |
塚田 裕一
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従業員数 | 849名 |
WEBサイト | https://www.misuzu-co.co.jp/ |
事業概要 | 凍り豆腐、油揚げ、味付け油揚げのレトルト食品・チルド食品、シート食品他の製造と販売 |