
インタビュー内容
―GENOVA誕生の裏側―
【ナレーター】
その後、新たな学びを得るためにアメリカ・ニューヨークへ留学。2004年のGoogleの上場やAppleの台頭などを受け、インターネットビジネスに可能性を感じた平瀬は、帰国後、すぐに事業立ち上げに動く。
当時の事業立ち上げの経緯について、平瀬はこう振り返る。
【平瀬】
会社が情報を発信する場として、ホームページの役割が出てきたときに、会社がブログを運営して色々な情報を発信することも出てきた。
商品をブログにアップしたり、製品のPRをしたりするなど、ブログをそういうふうに扱う状況を見てきて、これをビジネスにしようと思い、色々な会社に「ホームページだけではなく、ブログで色々と情報を発信しませんか」と提案しました。
当時、僕らは“ビジネスブログ”と言っていましたが、それを色々な会社さんに営業してつくるということをずっと続けてきました。今まで企業は、ホームページの運用にとても困っていたのです。
何か情報を発信したくても、ウェブ制作会社に依頼して、そのたびに見積もりがきて、アップできるのは3日後や4日後。ちょっとした情報の更新だったらその場でできるというシステムがなかったので、そういうシステム自体を僕らが提供しました。
【ナレーター】
開発したシステムを不動産会社に提案した結果、物件情報の更新という顕在的なニーズを見事掴むことに成功。
しかし、ニーズがあったのは不動産業界だけではなかった。
【平瀬】
不動産会社さんだけではなかった。その中に、今僕らのメインとなっている医療関係もあったのです。医療関係でいうと、今まで、患者さんにとって「お医者さんやスタッフの人は、どういう人なのだろう」という不安があった中で、「もう少し先生の人となりがわかるように、何でもいいからブログやホームページの中に書きましょう」と電話したら、結構刺さりまして。
「集める」に「患者さん」と書いて“集患”と言うのですが、患者さんがたくさん来るようになったと。また、患者さんとのコミュニケーションが活性化した。
今まで先生とあまり話さなかった患者さんが、「先生、あそこのご飯屋さんに行くんですか」とか、「ああいうの好きなんですか」とか、患者さんともコミュニケーションが取れるようになってきたと。ということで、会社の方向性を医療だけに特化したのが、3年くらい前のことです。
―医療機関に変革をもたらすGENOVAの事業―
【ナレーター】
医療機関を対象に「ヒトと医療をつないで健康な社会を創る」ことをミッションに掲げ、マーケティング支援事業を始めとする3つの事業に注力しているGENOVA。
その中の一つが、”身近でやさしい医療メディア”をコンセプトにしたメディア事業だ。
【平瀬】
患者様のためのメディアというのを運営しています。
どういうメディアなのかというと、体のことで悩む人が、Googleで調べたり、そうしたメディアなどで調べたりしたときに、先生が様々な記事を書いていて、その症状でこういった疑いがあるとか、こういった病気の可能性があるとか、病気についてはこういう治療をやる、というのがわかるメディアです。
見たからといって体が治るわけではないけど、症状の原因がわかったら少しは安心できますので、それで病院へ行ってもらう。先生方に色々書いていただき、それを解決できるメディア。僕らが“メディカルドキュメント”と言っているメディアですが、それを運営しています。
これがこの2年間で、ほとんどウェブマーケティング事業と同じくらいの規模感の事業に成長しました。
【ナレーター】
もう一つの柱であるスマートヘルスケア事業では、スマートフォンを診察券の代わりに使用できるアプリケーション『NOMOCa』や、電子カルテに連動している精算機システム、電子カルテ連動型ウェブ問診票などを提供。
スマートフォンで患者と医療機関をつなぐメリットについて、平瀬は次のように語る。
【平瀬】
例えば定期健診の案内や、インフルエンザ・花粉症の季節に病院から案内がくれば、「ああ、そうだ」と思い出す。早めに予防接種受けてください、とプッシュ通知が来たらわかる。
それを例えば病院だとDMで送ることもありますが、DMだと見ない場合もありますよね。でもスマートフォンだと、開封率が良い。病院側から情報をもらうと非常にいいし、病院もスマートフォンを通して患者さんとつながれるというのは非常に大きいかなと思っています。
今60歳以上の7割が、次に携帯電話を買うとしたらスマートフォンにする、となっているので、非常に進んでいますよね。
―求める人材像とサービスを創造するための独自の取り組み―
【ナレーター】
人材に求める要素について、平瀬は次のように語る。
【平瀬】
全国に営業所がありますけど、このIT商材を先生方に提案や案内できる営業担当が、やはり会社にとっては重要だと思います。商材があっても、それをきちんと病院に案内できなかったり、今薬局が増えていますが、そういうところに案内できなかったりすると意味がありません。
ITの商材というのを理解しないと、先生にもうまく説明できない。それを聞きたいという先生も多いです。経営に積極的な先生方というのは、やはり僕らから情報を取っていきます。
先生と付き合っていくスキルや、マネージメント能力。そういう辛いことも会社の中で相談しやすい環境ですとか、そういうものは必要とされているかなと思います。
【ナレーター】
サービスの創造をビジョンに掲げているGENOVA。そのビジョンを実現するために、1年に1度、新たなサービスやビジネスアイデアをコンテスト形式で披露する場を設けているという。
この取り組みに込めた想いとは。
【平瀬】
ビジネススキルを付けてほしいという要望も非常に多くあります。例えば、「おたくの社員にはもっとこういうふうにしてもらいたい」ですとか。
逆に営業だけではなく、我々のサービスがどうなったら先生に喜んでもらえるかということも、常に色々と模索しています。これはきりがないのでしょうけれども。色々なサービスをつくっていこうと。
当然、優勝すると事業化というか、そもそも事業化できそうなものが優勝するのですが、そういう形で1年に1回行っています。各チームからアイデアベースで来るのですが、僕も詳しいつもりが、意外と現場の人が結構詳しいようなアイデアもありますし、逆に優勝しなかったけど取り入れられるものとか、そういうことも結構あります。
前の会社で、新規の事業を僕がやらせていただけた経験があり、それがとても楽しかったので、当社でもやりたいなという想いはありますね。
―病気や治療に関する情報格差がない社会に―
【ナレーター】
今後、病気に関する情報格差をなくすとともに、病気の予防や未病を普及していきたいと語る平瀬。
今の事業を続けてきたからこそ、そうしたいと強く思っているという、その胸中に迫った。
【平瀬】
先生と色々とお仕事させていただいていると、最先端医療といいますか、実は病気にならないようにすることができる、そういった領域があるということを知りました。
そういうことは、僕は今まで知らなかったので、世の中の人はもっと知らないだろうと。やはり情報格差は起きていて、知っている人は病気にならないで済む。知らない人は病気になってしまう。
特に一部のがんというのはほとんど予防できたりする。これは早く世の中に教えてあげないといけないなと考えています。
予防と未病の特集というのも結構組んでいます。でも、それは知らないですよね。お医者さんがそれを知っていても、それを伝えないと知らないですものね。とにかく色々な形で僕らはそういう方法を伝えたい。あとは選択の問題なので、患者さんが選ぶことになりますが、情報は全部届けたいなと思っています。
【ナレーター】
AIやデジタル技術を活用し、医療分野における情報格差の解消と、現場の業務効率化の実現に貢献している、プライム上場企業「株式会社GENOVA」。
医療、医薬情報を正確かつ分かりやすくまとめ、提供する「メディカルプラットフォーム事業」と、予診・問診・決済がオンラインで完結する診療予約システムの開発・提供などを行う「スマートクリニック事業」を展開し、同社が提供するシステムを導入している施設数は1万軒以上にのぼる。
近年では、歯科医院のバックオフィス業務をサポートするサービスを提供するなど、社会課題のひとつである医療人材不足の解消にも注力しており、さらなる成長に向けて挑戦を続けている。
「ヒトと医療をつないで健康な社会を創る」をミッションに掲げ、躍動するGENOVAの軌跡と、経営者が思い描く未来像とは。
自社の強みと主力事業の特徴について、平瀬は次のように語る。
【平瀬】
全国のクリニックや診療所が私たちのお客様です。以前は製薬会社や大学病院を対象とする企業が多かった中で、クリニック向けに特化している点は私たちの強みだと思っています。全国に17万件ほどあるうちの、1万件以上のお客様が私たちのサービスを導入してくださっています。
私たちは「メディカルプラットフォーム事業」を展開していて、今は「メディカルドック」という医療メディアを運営しています。これはクリニックに患者様を呼ぶためのビジネスブログではなく、病気にならないための情報発信をしたいと思って始めました。お客様お客様や仲の良い先生に話したところ、多くの先生方が協力してくださったおかげで、立ち上げることができた事業です。
もう一つの「スマートクリニック事業」は、クリニックで患者様が待合室で待つ時間が長いという問題を、テクノロジーの力で解決できないかということで始まりました。
まず、受付と会計の問題を解決するために、通常、紙で渡される問診票を事前にスマホなどで入力できるようにしました。また、通院されている患者様も多いので、事前にカード登録をしてもらえれば、診療が終わった後にそのまま帰ることができる、そういったサービスも展開しています。
これは患者様にとって良いだけでなく、クリニックにとっても経営の効率化になります。紙で行っていた作業をデジタル化することで楽になったり、自動受付精算機によってお金の間違いがなくなったりと、そういった形で導入していただいています。
【ナレーター】
平瀬の経営者人生は、2005年に株式会社GENOVAを立ち上げたことから始まった。当時は中小企業向けのホームページ制作などを行っていたが、最も多かったのが町のクリニックからの依頼だったという。
【平瀬】
最初は中小企業向けにブログ型のホームページを制作販売していました。元々は医療向けとしてスタートしたわけではなかったのですが、町のクリニックさんからの反響がとても良かったのです。
院長先生やスタッフの人柄がわかるようなホームページを制作していたんですね。患者様からすると、クリニックの診療内容はわかっても、先生はどこか怖いイメージがあるでしょうし、病院やクリニックは行きたくない場所ですよね。
それが、スタッフさんが「お昼ご飯をここで食べた」といった内容が載っているホームページを見ると、患者さんが通いやすくなるんです。そうしたブログがクリニックのブランディングにとてもはまったんですね。お医者さんはお友達のお医者さんを紹介してくださるので、医療向けの会社になっていったという経緯です。

経営者プロフィール

氏名 | 平瀬 智樹 |
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役職 | 代表取締役社長 |
生年月日 | 1978年2月5日 |
出身地 | 東京都 |
座右の銘 | 友情・努力・勝利 |
愛読書 | ワンピース・スラムダンク |
2003年にアメリカへ留学、2005年帰国後、同年7月にGENOVAを創業。医療メディアに関わるメディカルプラットフォーム事業、クリニックの業務DXを促進するスマートクリニック事業を展開している。
会社概要
社名 | 株式会社GENOVA |
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本社所在地 | 東京都渋谷区渋谷2-21-1 渋谷ヒカリエ34F |
設立 | 2005 |
業種分類 | その他製品 |
代表者名 |
平瀬 智樹
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従業員数 | グループ会社全体454名(2025年6月末時点) |
WEBサイト | https://genova.co.jp/ |
事業概要 | 医療情報格差の解消と医療現場での業務効率化を目指す、ヘルスケアテック企業。 医療メディアに関わるメディカルプラットフォーム事業と、クリニックの業務DXを促進するスマートクリニック事業を展開。 |