
インタビュー内容
【ナレーター】
半世紀以上にわたり美容室の繁栄を支え、美容師に特化した製品を提供する株式会社ミルボン。プロユース市場をリーディングメーカーとして牽引している。
美容師が持つ感性の力を、髪の水分量や強度変化など科学の力で分析し、製品開発を行う独自の手法や、美容室の増収増益への貢献を第一にした独自の教育システムを武器に、世界14の国と地域で事業を展開している。
近年では、美容室と協業し、リアルとデジタルの価値を融合した新たなサロン体験ができる『Smart Salon』の拡大や、海外展開の推進など、さらなる成長を目指し、挑戦を続けている。
「日本発(初)、世界No.1のグローバルプロフェッショナルメーカーになる」というビジョンを掲げ、躍動する企業を率いる経営者の軌跡と、成長戦略に迫る。
【ナレーター】
自社の強みについて、坂下は3つの要素を挙げる。
【坂下】
インタビューを受けるときに、「縮小する国内市場において」という枕詞がよくついてきますが、ミルボンの使命は美容室の増収・増益なので、「そう簡単に市場を縮小させてたまるものか」と思っています。
美容はお客さんの欲求にアクセスをするビジネスですから、付加価値を追求してトップラインを上げていく必要があります。しかし、その一方で客数は減っていくので、結局はサービス単価を上げていかなければなりません。
美容室がプライシング力を発揮できるものは何かというと、ヘアカラーやサロントリートメントなどです。ここをミルボンがしっかり支援していきます。
そのために、弊社では営業と教育の2つの職種を設けています。教育部門は100人以上いるのですが、そのようなメーカーはどこにもありません。この100名を超える教育部隊が美容室に入り込み、しっかりと付加価値を追求してプライシング力を高めていく。今の時代背景にもぴったり合っているんです。
業務の付加価値が高まると、お客さんの満足度につながります。今までの美容室は、いろいろな商品を取り扱っているけれど、周知されていない状態でした。そこでミルボンは、「milbon:iD」という美容室出店型のECサイトを展開しました。
さらに、美容室の店舗づくりを支援する「Smart Salon戦略」を新しくスタートさせました。顧客体験の導線をしっかり作ることで、お客さんの興味・関心を引き出し、商品の相談にも乗ってあげる、そういった店舗づくりに取り組んでいます。
これらのインフラを整えていくことによって、商品販売における成長戦略を最大化させる。これができるメーカーはミルボンしかありません。
また、美容師の育成にも取り組んでいます。ミルボンが長年力を入れている取り組みに「ビューティーソムリエ育成」があるのですが、認定された方には認定証をお渡ししています。
業務の付加価値、成長戦略のためのインフラ、そして主役で動き回る美容師の育成の仕組み。この3つを整えていることがミルボンの強みであり、今の時代でも美容室に対して成長戦略を提供できる取り組みになっていると思います。
【ナレーター】
坂下のビジネスパーソンとしての原点は、2010年にある。新卒で入社し、経営企画、商品企画と順調にキャリアを重ねた後、ミルボンの子会社である、ミルボンUSAに社長として赴任。アメリカで日本の商品が通用しないことを実感し、試行錯誤を繰り返す中で得た、ある気づきとは。
【坂下】
やはりアメリカでのビジネスはなかなか難しく、日本で売っているものをそのままアメリカで発売してもうまくいかないことを目の当たりにしました。
「今後グローバルで戦っていくためには、製品戦略をこうしなければならない」ということを開発本部に伝え続け、だんだんと耳を傾けてくれるようになり、アメリカ向けの製品を作ってくれました。
しかし、今度は販売チャネルの問題にぶつかりました。美容室への直販をしていたのですが、アメリカは広いですからこれだとなかなか成長スピードが上がりません。そこで、代理店契約を始めたのですが、販売代理店には相手にしてもらえませんでした。
運命的な出会いがあり、何とか1社だけ話が進み、「さあ、ここからだ」と思った矢先に、日本に帰らなければならない状況になったんです。
「もっとスピード感を上げなきゃいけなかったな」など、いろいろと思うことがあったのですが、ある会社の仲間から「そういう風に考えていちゃダメだ」と言われたんです。
「やってきたこと、できたことを全部書いて、一言『俺はよくやった』と言いなさい」、そう言われたんです。その瞬間に、できなかったことも全て受け入れながら、できたことにフォーカスして陽転していく、そういう心境になりました。
「仕事はどこまでいっても自己完結だな。自分で自分を評価すべきだな」と思う経験をさせてもらいました。

経営者プロフィール

氏名 | 坂下 秀憲 |
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役職 | 代表取締役社長 |
生年月日 | 1976年2月3日 |
出身地 | 千葉県 |
座右の銘 | 「過去に学び、未来に備え、今を生きよ。言い換えれば、今この瞬間からビジョンを生きよ。」(ケン・ブランチャード著『ザ・ビジョン』) 「入らなかったら「あっ、カップが動いた」、入ったら「カップが待ってた」って、いつでもカップのせいにするの。」(青木功) 「目に見えないものを大切にせよ」 |
愛読書 | 『ザ・ビジョン』ケン・ブランチャード著 毎年の『BCGが読む経営論点』ボストンコンサルティンググループ編 |
尊敬する人物 | 佐藤龍二・母(坂下泰子) |
会社概要
社名 | 株式会社ミルボン |
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本社所在地 | 東京都中央区京橋2丁目2番1号 京橋エドグラン |
設立 | 1960 |
業種分類 | その他製品 |
代表者名 |
坂下 秀憲
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従業員数 | 904名、(連結1,188名)※2024年12月31日 現在 |
WEBサイト | https://www.milbon.com/ |
事業概要 | ヘアカラー剤、ヘアスタイリング剤、パーマ剤、シャンプー、ヘアトリートメント、育毛剤、スキンケア・メイクアップ化粧品の製造および販売(国内・輸出)など |