トラスコ中山株式会社 ~最後発の参入から2,000億企業へ。業界の雄が語る成長の秘訣~

Vol.1 上場準備から得た学び

トラスコ中山株式会社 代表取締役社長 中山 哲也 (2019年4月取材)

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【ナレーター】

自治体による情報プラットフォームの提供やクラウドファンディングの台頭など、起業家創出の支援の充実化が進む現代社会。

しかし、実績を重ね、業界を代表するような存在になるためには、相応の努力と覚悟が必要であり、その道のりも容易ではない。

そんな中、高い参入障壁を乗り越え、最後発でスタートしたにもかかわらず、業界を牽引する企業がある。トラスコ中山株式会社だ。

1959年に創業した同社は、業界最後発として工場や建設現場で使用される機械工具の卸売業界に参入。

プロツールの卸売業として、現在200万点以上のアイテムと、38万点以上の在庫数、そして最先端のテクノロジーを駆使した物流システムを武器に、2018年度には売上高2100億円を突破した。

同業他社とは一線を画する経営を行い、最後発組から業界の雄へと成長を遂げた秘訣に迫る。

―上場準備から得た学び―

【ナレーター】

大学卒業後、家業である現トラスコ中山に入社。印象に残っている仕事に、1987年の上場準備をあげた中山。当時をこう振り返る。

【中山】

とにかく聞いたことも見たこともないような、わからないことがたくさん押し寄せてきました。

その当時、私どもの会社規定といえば、結婚3年目の社員には結婚祝い金をいくら出すといったことくらいしかなかったのです。そんな会社がいきなり上場ですから、まるでトロッコ列車が前をゴトンゴトンと走り出すようなものです。

しかし前を見れば、そこにはレールがありません。「これはレールを敷かなくてはいけない」と、レールを敷く。そしてまたゴトンゴトンと進む。またレールを敷く。

そういうことで、オンボロトロッコ列車の会社が、少しずつガタンガタンガタンと音を立てながら前に進んでいったというのが実態でしたね。

【ナレーター】

この経験から上場はあるものと一緒だということを学んだという。

【中山】

「上場は漬物石と一緒だ」という妙な言い回しをしてはいますが、おいしい漬物をつけようと思うと、漬物石を上から乗せるのと同様に、やはり会社もある程度肩に色々な重みを感じていないといけないのではないかと思うのです。

何でも好き勝手にやればいいというものではないのです。社会的の目や考え方が乗った中でどうしていくかということなので、良い会社づくりをするためには、私は、上場は避けて通れない、そういう一つの関門かなというふうに見ています。

【ナレーター】

その後、1994年に代表取締役社長に35歳で就任。当時、上場企業の中でも若い社長であり、経営者としての実績や経験など、ないものだらけだったと振り返る中山。

しかし、そのことが逆に功を奏したという。

【中山】

何もないわけですから、何かをつくろうとしますよね。どちらかと言えば椅子は前のめりに座りますし、経営に対する考え方というのは非常にアグレッシブだったと思いますね。

それなりの年齢を重ねて実績を積まれて社長になられた方は、間違いなく「ああ、苦労した甲斐があった」と思うでしょう。

この苦労した甲斐があったかどうか、実績を何とかしてこれからつけなければならないという経営者のスタンスは、1年や2年ではそんなに差がつかないと思いますが、5年10年経つとやはりぐっと差はつくだろうと、当時はそんな想いでした。

社長プロフィール

President's profile
氏名 中山 哲也
役職 代表取締役社長
生年月日 1958/12/24
略歴 1981年3月 中山機工株式会社(現トラスコ中山株式会社)入社
1984年10月 取締役
1987年12月 常務取締役
1991年12月 代表取締役 専務取締役
1994年12月 代表取締役社長(現任)

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