【ナレーター】
時代ごとに生まれる環境問題や社会課題を解決するための製品・サービスを提供し続け、世界のインフラを支える企業として不動の地位を築いている荏原製作所。
今後の展望と長期ビジョンとして掲げた『E-Vision2030』へ込めた想いに迫った。
【浅見】
これから100年先を見た時に、荏原は何で貢献できるだろう、10年先を見た時にどんな荏原の姿でいるのだろう、どんな社会になっていて、そこまで行くのに荏原はどう貢献できるだろうと考えてみました。
それを考えた上でバックキャストして2020年の最初の3年間、2022年まではどういうことやらなくてはいけないのだろう、という考え方を初めてしたのです。
国連の人口予測では、今70億人強の人口が2040年には20億人増えます。それから2100年には40億人増えて110億人になります、それも増えるのは、アジアとアフリカだけなのですよね。
特にアジアでは40億人が50億人、そしてアフリカでは今の10億人が40億人になってしまう。そういうところで何が起こるかというと、恐らく日本が高度成長期に経験したようなことが起こってきます。
逆に荏原がそういう地域でできることというのは、荏原がその時期の日本で貢献したやり方を、世界の問題が色々起こるであろう場所で活かすことです。
30年も経って技術も進んでいますし、より良い方法でその問題が起こらないように貢献するということをベースに考えました。
【ナレーター】
長期ビジョン『E-Vision2030』の実現に向けてバックキャストして策定した中期経営計画『E-Plan 2022』でやらなければならないと語る、3つの経営戦略とは。
【浅見】
1つ目は、継続的に自分たちのやりたいことができるよう、収益性を良くしていく。
2つ目は「成長」させる。既存の事業を始め成長させる可能性があり、成長させなければいけない事業についてはしっかり成長させると。
3つ目は、先ほど掲げた『E-Vision2030』に沿った形で、当社が強みを発揮できる新しい事業を探して、トライして、育てようということ。大きく言うとこの3つのことをやっていこうというのが戦略ですね。
【ナレーター】
創業から100年以上経った今でも挑戦を続けている荏原製作所の、創業時から受け継がれているというベンチャースピリットの源泉とは。
【浅見】
“熱と誠”が創業の精神ですが、熱意を持ってただ決められたことを決められたようにやるのではなくて、創意工夫して誠実に最後までやり遂げるという精神が息づいていて、それが今でもなお続いているというのはあると思います。
新しいことをやるためには開発もしなくてはいけない、人も集めなくてはいけない、そういうものにはお金がかかります。
だから自分たちのやりたいことをやるためには、やはり収益性をあげないこうということを社長になってからずっと言っています。
確かにポンプなどの場合は、決まりきったことを決まり切ったようにやらなきゃいけない部門もあります。
ですが、日々の業務には対お客様に対しても色々な部門で異なるものの、何かしら改善するところがあるはずなので、そこは皆で熱意を持って良くするということをやり続けようよということを言い続けています。
【ナレーター】
この“熱と誠”の創業の精神のもと、挑戦を続ける企業風土の醸成のひとつとして行われたのが、新規事業アイデアコンペティション『E-Start2020』だ。その全貌に迫った。
【浅見】
荏原製作所は日本で約4000人~5000人の会社なのですが、その中で120提案が生まれました。審査をして、最終審査に9アイテムが残り、1時間程度の動画にまとめました。
それらに共通していたのは、会社を良くしたいという「熱さ」ですね。一番驚いたのは「宇宙がやりたい、荏原は宇宙にロケットを飛ばせます」という提案でした。
それをやるためにもやはり収益性の確保が必要です。ようやく今少し確保できるようになったので、新規事業も長期ビジョンに沿った形で、当社の強みを生かして貢献できることをやっていこうということで、新規事業アイデアコンペティション『E-Start2020』を始めたので、ぜひ今後もそういったことをやっていきたいと思っています。
-視聴者へのメッセージ-
【浅見】
荏原製作所の浅見です。本日は最後まで私のメッセージを聞いていただいてありがとうございました。
荏原製作所は1912年に創業した大学発ベンチャーで、ポンプをつくるところから始まった会社ですが、その後、日本の近代化それから戦後の復興、高度成長、それから情報化社会の進展と、時代時代に求められる製品やサービスを提供させていただいて今に至っております。
これから持続可能な社会、それから進化する豊かな生活、こういったもののために、二酸化炭素を減らしていき、環境負荷を下げていく。
そういう活動を通しながら貢献させていただいて、この先の100年も事業を通じて社会に貢献させていただけたらと思っています。引き続きご支援ご指導のほどよろしくお願いいたします。ありがとうございます。
経営者プロフィール
氏名 | 浅見 正男 |
---|---|
役職 | 取締役 代表執行役社長 兼 CEO 兼 COO |
生年月日 | 1960年4月7日 |
出身地 | 東京都 |
座右の銘 | 継続は力なり |
2010年4月 当社執行役員
2011年4月 当社精密・電子事業カンパニー営業統括部長
2014年4月 当社常務執行役員
2015年6月 当社執行役常務
2016年4月 当社精密・電子事業カンパニープレジデント
2019年3月 当社取締役(現在)
同 当社代表執行役社長(現在)
会社概要
社名 | 株式会社 荏原製作所 |
---|---|
本社所在地 | 東京都大田区羽田旭町11-1 |
設立 | 1920 |
業種分類 | 機械器具製造業 |
代表者名 |
浅見 正男
|
従業員数 | 従業員数:連結 19,629名 単体 4,688名 |
WEBサイト | https://www.ebara.co.jp/ |
事業概要 | 1912年の創業以来、水と空気と環境の分野で、優れた技術と最良のサービスを提供しつづけ、世界中の産業とくらしを支えてまいりました。 水の安定供給から水害防止など幅広く社会やインフラを支える風水力事業、エネルギーや資源の有効活用を追求し持続可能な社会の実現に貢献する環境事業、最先端の技術でくらしの進化を支える精密・電子事業で、時代ごとの社会課題を解決します。 |