株式会社メガカリオン 「足りない」「もたない」血小板をiPS細胞で量産。輸血医療の常識を覆す前例無き挑戦の全貌 株式会社メガカリオン 代表取締役社長 赤松 健一  (2021年8月取材)

インタビュー内容

【ナレーター】
その後、役職定年を迎えた赤松は製薬会社を退職し、製薬会社の団体である日本製薬工業協会に参画。任期がある中で声をかけられたのがメガカリオンだった。

入社を決断した理由について、赤松は次のように語る。

【赤松】
株式会社INCJという政府系投資企業に勤務している知人が私を推薦してくれて、当社の経営陣から声をかけられました。そこで「メガカリオンがどういうことをやろうとしているのか」という話を聞いたのです。

メガカリオンがやろうとしているテーマは非常に社会的にも意義があるものでしたし、「日本初となるアカデミアの技術をいかに実用化するか」という話でもありましたので、興味をもちました。

「誰もやったことがない」という意味では非常に難しいテーマではありましたが、やりがいがあると思ったのと、「思い切ってチャレンジしてみようかな」とも思ったのがきっかけで、入社を決めました。

【ナレーター】
大手企業からベンチャー企業への転職となった赤松。入社したことで得た気づきとは。

【赤松】
役職定年を迎える年齢は、転職に踏み切るかどうか、ギリギリのラインだと思います。

その人なりの価値観がありますから「どうするのがいい」とは一概には言えませんが、転職を決断した身からすると非常に得難い体験ができたので今は後悔することはありませんし、結果がどうあれ幸福だと思っています。

【ナレーター】
iPS細胞でつくられた血小板を新たな輸血医療の手段のひとつとして実用化を目指すメガカリオン。近年では輸血以外の用途でも応用できることが研究結果によって明らかになったという。

【赤松】
PRP(Platelet Rich Plasma/多血小板血漿)という、患者さん自身の血を採取し、血小板を濃縮したものを再度患部に注射するという療法が、アメリカなどでよく用いられています。当社の血小板も、濃縮し集めることでPRP 療法に応用することが可能だと考えています。

血小板を生成しきれない細胞のなかにも、血小板と同様の成長因子が多数含まれていることが判明しています。それについて我々は「iMDF® (iPS-Megakaryocyte Derived Factors)」という商標を登録しました。

これは、いわゆる血小板のもととなる成熟したメガカリオサイトがリッチな分画で存在しているもので、しかも凍結できます。動物の骨などに凍結したサンプルを打つと骨形成が非常に促進される、というデータも取得できています。

輸血以外でこの技術を応用して他分野にも展開し、他の企業様と一緒に開発できれば輸血にとってもいいことだと思いますので、そういったところにも展開していきたいと思っています。

【ナレーター】
そして2019年、代表取締役社長へ就任。組織づくりについて、様々な機能を有する人材が必要になると赤松は語る。

【赤松】
会社として成立するうえでは、その下支えをしていただく方々も必要です。当社は特に、投資していただいたお金が研究・開発などのベースとなるので、有効に使っていかなければなりません。

そうした投資していただいた資金の予算計画の立案や進捗管理、株主への定期的な報告など、会社が組織として回るには様々な機能を兼ね備えた人材を集めなければいけないと考えています。

【ナレーター】
理想の組織と血小板製剤の安定供給を実現するために、今求めている人材像とは。

【赤松】
ある程度楽観的に希望を抱いて、そこに意欲を燃やせる人が当社には合っているのかなと思います。

実験をいくら行っても、期待するような結果が出ないことのほうが、実際には多いのです。そこで悲観的になってしまうと、どんどんネガティブスパイラルに陥ってしまう。

ある程度前向きに、楽観的で、「必ず何とかなる」という思いで仕事に取り組んでもらうのが、特に当社のような会社には必要かなと思います。

-視聴者へのメッセージ-
【赤松】
何かを決断するときは、「自分で決めて後悔しない」というのが決め手なのではないか、と思います。

人間、自分で決めれば、将来どうなっても後悔しないと思うんですよね。熱意があれば誰かが助けてくれますし、自分でネットワークを作ることが日本で窮屈に規制されているわけでもありません。

本当にやりたいのであればやってみれば、後悔せずに良い経験ができるのではないかと思っています。

とはいえ、年代や家庭環境などにもよりますから、どういう決断をするかは皆さんよくよく考えてのことでしょうね。

ただ、私の場合、この年齢でも新しいことをチャレンジしていますので、若い方も思い切って飛び込んでチャレンジしてみたらどうでしょうか。後悔はしないと思います。

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社長プロフィール

氏名 赤松 健一
役職 代表取締役社長
生年月日 1955年5月8日
出身地 岡山県
座右の銘 生涯現役
愛読書 フィクション・ノンフィクション含めて乱読
尊敬する人物 懸命に生きて人生を全うした全てのひと
略歴
1980年  岡山大学大学院理学研究科(生物学)修士課程修了
1980年  中外製薬㈱ 入社 研究部にて抗がん剤、造血因子(EPO, G-CSF)、
抗体医薬(アクテムラ)の開発に従事
2001年より バイオ製造研究のCMC薬事部長、生物技術研究所長など担当
2013年 株式会社メガカリオンCOOとして入社、2019年に代表取締役社長に就任
薬学博士(1993年7月京都大学薬学部)

会社概要

社名 株式会社メガカリオン
本社所在地 京都府京都市下京区中堂寺南町134 京都リサーチパーク2号館
設立年月日 2011
業種分類 医薬品
代表者名 赤松 健一
従業員数 30 名
WEBサイト http://www.megakaryon.com/
事業概要 iPS細胞株から高品質の血小板及び赤血球を産生し、①計画的安定供給が可能で、②安全性が高い、血液製剤を開発する。
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