【ナレーター】
今後の展望として、30億円の利益創出を目指す有明が挑んでいる3つのこととは。
【有明】
1つ目は、利益の比率を変えたいと考えています。
住宅用の階段を扱う住宅事業部の収益性は非常に魅力的です。また住宅事業部と並列して、リニューアル工事をしている開発事業部も収益性が優れています。
今までこの2つの事業部は縁の下の力持ち的存在で、花形ではありませんでした。
しかし、この2つの事業部の収益性は、他の事業部よりも高いため、リソースを投入していくべきだと感じております。
その他にも工場の生産性改善や、人材の適材適所などに挑戦していきたいと思っています。
2つ目の大きなテーマは海外展開です。
当社は、アメリカ合衆国ケンタッキー州で2番目に大きい鉄骨アプリケーターを買収しました。ケンタッキー州という立地が、アメリカの各都市に届く距離に位置しているため、アメリカの事業は、まだまだ伸びしろがあると思っています。
ケンタッキー州の真下にテネシー州があり、その州のナッシュビルという都市は、さまざまなIT企業が注目している都市です。
実際、約2年前に150本程度を受注しています。2020年頃にはAmazon社の新社屋への納入も実現しました。
3つ目は、シンガポール拠点の事業性の見直しです。
現在、アジア各国は省人化の取り組みに意欲を持っています。多くの国はシンガポールにならった政策を考える傾向があるため、まずはアジアの中心であるシンガポールを抑えていきたいと考えています。
現在はコロナの影響で足踏みしている状態ですが、一度事業性を見直し、設備投資や人材配置を再考したいですね。
シンガポールは非常に魅力的で潜在能力のあるマーケットですし、お客様からの評判も非常によく、好評価をいただいている市場です。
アジアはシンガポールを中心にいろいろな国や地域に波及できればと考えています。
【ナレーター】
求める人材像について、有明は次のように語る。
【有明】
当社に興味を持っていて、素直さや負けん気の強さなど、何かひとつでも個性が際立っている方は是非受け入れたいと考えています。
当社は設計や工事、営業といったさまざまな部門があるため、活躍の裾野は広いと思います。
今いる部門で力を発揮できなかった人が、いざ別の部門にいったらすごく活躍するということもあります。たとえば、現場で学んだことを設計や営業に生かすなど、評価がガラリと変わる方もいらっしゃいますね。
人材を適材適所で受け入れられるだけの裾野があると思います。
-大事にしている言葉-
【有明】
「多角的な視野を持ち、多角的に考えること」。
会社として70年間続いてきたということは、変化を連続させてきたということです。
人は大人になるにつれて、どんどん変わることができなくなってしまうと思います。それを自ら変えるというマインドセットをしていかないと変われないのではないかと思っています。
幼い頃の父との思い出で、メガネを買ってもらったときのことを覚えています。メガネをかけた瞬間、視界がパッと広がり「すごいな」と思いました。
子どもながらに、すごいことをしてくれた、本当にすごい人なんだと父を尊敬したのをよく覚えています。
そして今回、父が亡くなったことも、多角的に物事を捉えるきっかけになった事象だと思っています。
父は人生で2回、私の価値観を変えてくれた。物理的に視野を変えてくれたということと、物事の捉え方を変えるきっかけを与えてくれました。
たとえば誰かが亡くなったなど、悲しいことが起きたとき、ただ真正面からその事象を受け止めてしまうだけでは、自分が主体的に何かを変えていくことに繋がらないと思います。
ですので、多角的に捉えること。これをモットーにしていますね。
経営者プロフィール
氏名 | 有明 威 |
---|---|
役職 | 代表取締役社長 |
生年月日 | 1987年8月28日 |
出身地 | 東京都 |
座右の銘 | 経営に正解はない |
2010年4月 阪和興業株式会社入社
2015年4月 阪和興業株式会社退社後、株式会社横森製作所入社
東京支店、米国子会社YOKOMORI USA HOLDINGS CORPORATIONのDirectorを経て
2021年6月1日 専務取締役に就任
2021年8月20日 代表取締役社長に就任
会社概要
社名 | 株式会社横森製作所 |
---|---|
本社所在地 | 東京都渋谷区幡ヶ谷1-29-2 |
設立 | 1961 |
業種分類 | 金属・非鉄金属製造業 |
代表者名 |
有明 威
|
従業員数 | 465名 |
WEBサイト | https://www.yokomori.co.jp |
事業概要 | 鉄骨階段の設計・製造・施工 |