【ナレーター】
100年以上にわたり、味噌の醸造・販売や加工食品の製造・販売を手がける食品メーカー「ハナマルキ株式会社」。
2012年に発売した『液体塩こうじ』は、酵素の力で素材の旨みを引き出すという特長や、調理する際の使いやすさで、消費者の心をつかみ、同社を代表する商品へ成長。
近年では、海外の生産拠点として、タイに新たな製造工場を設立するなど、グローバル展開を加速させており、日本が誇る食文化をさらに世界に発信するべく挑戦を続けている。
先代のバトンを受け継いだ4代目新社長が思い描く、ハナマルキの未来像とは。
【ナレーター】
自社の強みは、全社員が経営理念を共有し、ものづくりに携わっていることだと花岡は語る。
【花岡】
2代目のハナマルキの社長を務めた花岡金郎という男がいるのですが、彼は、品質管理に徹底してこだわったと父から聞いております。そして、3代目の花岡俊夫は、それを具現化するために伊那(長野県)に工場を建設しました。
伊那工場は、業界で先駆けてHACCP対応の規格になっておりまして、現在では世界的な食品安全基準である「FSSC22000」も取得しております。
そういった経営理念を全社員がしっかりと認識して、ものづくりに携わっているところが、ハナマルキの強みだと理解しております。
【ナレーター】
花岡の原点は幼少期にある。祖父や父が味噌づくりに邁進している姿に憧れを抱き、大学卒業後、新卒でハナマルキに入社。当時抱いていた想いとは。
【花岡】
やはり和食の文化というのは、世界に通用するのではないかと。味噌やこうじを使った調味料を、世界に発信していきたいというのが入社したときの想いです。
【ナレーター】
その後、経営企画、管理部門を経て、マーケティング、営業職を経験してきた花岡。『液体塩こうじ』の発売時は、自ら営業の旗振りを率先して行った。当時の状況について、こう振り返る。
【花岡】
ちょうどこうじを使った商品の研究をしていたとき、塩こうじというのが話題になりました。それから開発をスピードアップしていったのですが、当社のこだわりとして素材とものづくりを大切にするという経営理念がございます。
塩こうじを市場に投入するときは、やはり品質の良いものでないといけない。しっかりお肉やお魚を柔らかくする、旨味を引き出す酵素というのがあります。
この酵素が残存した状態で商品を市場に投入したいという想いがあり、理想的なものができるまでは販売せずに追求し続けたというのが、開発の背景にあります。
あとはやはり、液体塩こうじというのは当社の特許の技術になるのですが、販売当時は、塩こうじは粒の印象がありますので、液体が市場に受け入れられるかどうかは、かなり社内で議論がありました。
けれども、私が自分で使ってみて、これは非常に便利だし、多くの人に知ってもらう価値がある商品だなと実感できたため、自ら営業活動を一生懸命したというのが、当時の話としてはございます。
【ナレーター】
2012年に販売を開始した『液体塩こうじ』は、万能な発酵調味料として知名度を上げ、国内外で順調に売上を伸ばしてきた。2020年のコロナ禍においても、タイに『液体塩こうじ』の新工場を設立し、積極的に事業を進める。この挑戦の真意とは。
【花岡】
外食の需要や、食を通じていろんな人とコミュニケーションを取ることですとか、そういうことがいずれ復活してくるのを見込んでいましたので、コロナ禍においても積極的にプロモーションや普及活動や営業活動を継続することが非常に大事だと思いました。
そこで、会っていただけるお客様のところには積極的に足を運んだり、オンライン会議を駆使したりして、弊社の商品の魅力などを伝えようと考えて行動してまいりました。
経営者プロフィール
氏名 | 花岡 周一郎 |
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役職 | 代表取締役社長 |
生年月日 | 1982年2月2日 |
出身地 | 東京都 |
座右の銘 | 「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ。」 |
2010年:早稲田大学大学院商学研究科修士課程修了
2004年:ハナマルキ株式会社
2006年:取締役就任
2015年:常務取締役就任
2017年:専務取締役就任
2020年:代表取締役専務就任
2022年:代表取締役社長就任
会社概要
社名 | ハナマルキ株式会社 |
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本社所在地 | 長野県伊那市西箕輪2701 |
設立 | 1918 |
業種分類 | 食料品・飲料製造業 |
代表者名 |
花岡 周一郎
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従業員数 | 290名 |
WEBサイト | https://www.hanamaruki.co.jp/ |
事業概要 | 味噌醸造販売および加工食品製造販売 |