【ナレーター】
企画や事前の見立て、工事費用を工面する難易度の高さから、利益を出すのが難しいと言われている空き家ビジネスになぜ参入したのか。その真意に迫った。
【大河】
マンションのデベロッパー事業だけ行っていれば、一番利益を上げられたと思います。自分の得意な分野ですし、ある程度ルーティンで仕事ができるところなので。
しかし、当社がやっている空き家ビジネスというのは、幅広いカテゴリーの不動産をつくる仕事です。
初めて見る空き家を何に活用するかというところから考えるため、実はとても難しいことをやっているのです。おそらくここが、他の不動産会社とは全く違うところだと思います。
なぜあえて難しいことをやるのかというと、「飽きない仕事をしたい」が原点にあるからです。
商売というのは“商い”=“飽きない”ことが重要です。飽きないように仕事をする。すなわちモチベーションを上げるためには、困難と思える仕事をハードにこなしていくことにより、頭が回転していくものだと私は考えます。
あえて難しいことに挑戦してマネタイズするというところが、仕事へのモチベーションの上昇につながっているのだと思います。
【ナレーター】
前例のないビジネスモデルを見事構築し、ユーザー数を着実に伸ばし続けているジェクトワン。挑戦を成功させるために、大河は「変化」を常に意識していると語る。
【大河】
やはり会社というものはどんどん衰退していくので、絶えず変化していく必要があります。
そのため、事業をいろいろと行っています。一言で建物といっても、マンション、ホテル、ビル、老人ホーム、物流など多くのカテゴリーが存在するため、勉強することはたくさんあります。
また、勉強すれば新しい事業がどんどん生まれます。
今までは空き家を売買するか解体するかしか選択肢がありませんでしたが、『アキサポ』があれば、無償で活用する提案ができるし、更地にして駐車場にもできるし、あるいは売買もできる。
このように、あらゆる選択肢を見い出せる仕組みをつくりたいと考えています。
その途中には、失敗することもあるでしょう。しかし、私はトライアンドエラーを繰り返すことによって初めて成功に導けると考えているので、挑戦し続けていくことが一番重要だなと思います。
【ナレーター】
今後は「空き家を軸に、新しい不動産事業体をつくりたい」と語る大河。見据えている展望とは。
【大河】
空き家事業のリーディングカンパニーになりたいと考えています。
今まで空き家に関するビジネスモデルがなかったため、新しい不動産事業体をつくれたらと考えています。
当社が無償で空き家を活用するという新たな切り口を提案をすることで、一般の意識を改革できたらと思いますね。
「空き家は当たり前の存在ではなくて、活用する。ほっといちゃいけないもの」と意識を変えていきたいと思います。
もう1つは、ソリューション事業の意識改革。まちづくりにはいろいろなやり方があると思いますが、単一の目線だけでただ建物を土地に植え付けていくという考え方ではなく、“立地目線”で考えていきたいのです。
「この場所にはこんな建物が合う」と、多角的に自分たちで選びながら決めていきたいですね。
幅広く事業を展開しているため、“狭く深く”というよりは“浅く広く”手がけているのですが、浅い部分については、他の会社とアライアンスを組んで深掘りしていくという事業体制をつくりたいと考えています。
不動産事業を、より多彩な事業・カテゴリーに対応できるようなビジネスにしていきたいですね。
【ナレーター】
求める人材像について、大河は次のように語る。
【大河】
主体的な人が望ましいです。人に言われて何かをするという方ではなくて、自分の頭で考えて能動的に動ける人を求めています。
というのも、何か言われて動く人では、自分の力を100%発揮しきれないだろうと考えるからです。自分で「これが必要だ、何が必要だ」と能動的に考えて動ける主体的な人が望ましいですね。
-大事にしている言葉-
【大河】
リクルートの創業者・江副浩正氏の「自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ」という言葉を大切にしています。
何か起こっても自分で解決して、自分で周りを変えていくというような力や思いがないと、ビジネスにおいてはなかなかうまくいかないのかなと考えておりますので。
本気で真剣にやりたいビジネスに取り組むことにより、機会がつくれると思っているため、この言葉が一番好きですね。