【ナレーター】
会社の基盤は人材であり、社員が働きやすい環境をつくることが必須だと考える中西。そのために導入した独自のシステムとは。
【中西】
ユニークなものとして「従業員の提案制度」があります。従業員の提案が多く採用されているというのが、当社の大きな特長です。
まず製品に対しての改善提案というのがあり、こういう新製品が欲しいという提案を受けて、開発がスタートした製品も多くあります。この制度は4年ほど前からやり始め、どんどん提案件数が増え続けています。
製品以外の提案で大きなものとしては、従業員の子どもたちの小・中学校での給食費を会社で補填しようというのがあります。自治体ではそのような制度はありますが、民間企業でやっているところは多分、今もないのではないでしょうか。
費用は当然かかりますが、それよりも従業員に喜んでもらえたり、ニュースに取り上げられてもらって企業の知名度が上がったりという利点があります。そのように、いろいろな提案が上がり、会社として形にできるというのが本当に強みだと思います。
改善提案を出すというのは、みんなが会社を良くしようと思ってくれているということです。それによって会社がどんどん変わるのだというのを、強く認識してもらっています。
【ナレーター】
今後もさまざまな挑戦をしたいと語る中西。現在取り組んでいることと、見据えている展望とは。
【中西】
昨今、少子化が進んでいますが、人口が減るということは働き手が減るということなので、機械で補わなければなりません。そこで、当社としては省人化、ロボット化を進めるために研究開発をしています。
また、今年から当社の8階に、コラボエイトと言われるスペースを作る予定になっています。
中にはテストキッチンがあり、企業さんに来てもらって、当社とさまざまな研究開発をしたり、そこで作られた商品の試運転をしたりというのを行った上で、一緒に切磋琢磨できるような事業を考えています。コラボするスペースとして活用していきたいと思っています。
さらに、「未来の給食センター」という動画を作成しました。
例えば風力や、太陽熱、地熱発電などの恩恵を受けやすいという効率を考えて、洋上に給食センターをつくり、できあがった給食をドローンで運ぶという内容となっています。食器の洗浄も、料理を作るのも自動です。
現在、学校給食センターの多くの業務は人の手で行っていますが、テクノロジーの力を活用すれば人がいなくても作業ができるようになります。
そんな未来のイメージ図をつくって、社内や社外で共有しようというところから、動画の製作はスタートしました。社員全員がこの未来に向かって突き進んでいこうというイメージを共有し、考えていただきたいと思います。
海外展開も少しずつ考えています。一つは日本独自の技術である過熱水蒸気に関するものです。
蒸気自体にどんどん熱を加えていくと温度はどんどん上がっていきますが、その蒸気を使って食材を焼くと、短時間で熱が入ってうまみが逃げにくくなります。
この新しい調理方法について、当社は研究開発を20年以上やってきていますので、今後は海外に向けて販売実績を上げていこうとしています。この技術は海外にないため、今、とても注目されています。
もう一つは、やはり日本の炊飯という技術を伝えていきたいです。海外の日本食文化でも、炊飯がどんどん注目されています。
海外の日本食料理店や、日本の調理法でご飯をおいしく食べたいというニーズに対して販売を進めています。
【ナレーター】
求める人材像について、中西は次のように語る。
【中西】
要領よくできる人が好ましいと思っています。ちゃんと目的や結果に向かって、順序よくものごとを進められる人が、やはり必要ではないでしょうか。
あとは、臨機応変に対応できるというのも大事です。「要領をつかんでものごとを進められる」「臨機応変に対応できる」。この二つができる人が好ましいと思っています。
ー大事にしている言葉ー
【中西】
『「いただきます」の未来をつくる。』というのが、当社並びに当社の社員全員のキャッチフレーズであり、私が大事にしている言葉です。
これは、社員から公募し、その中で一番よいと思い、選んだ言葉です。世の中が未来に向けて進んでいくなか、当社はその流れに乗り遅れず、食に関わる未来を我々が作っていくのだ、という気持ちが込められています。