【ナレーター】
そして、2023年9月、代表取締役社長に就任。当時の心境を貴舩は次のように語る。
【貴舩】
前任の社長は10年ほど社長職を続けており、かつ、業績をずっと右肩上がりに伸ばしていたので、プレッシャーを感じていました。
しかしながら、この前任社長の近くで仕事をしていたこともあり、経営学の部分を勉強できたことは、とても良かったと思っています。
また、後任として私を指名していただいたことは非常に感謝していますし、「挑戦していこう」という私自身の気概にもつながっています。
そして、これから弊社がさらに成長していくために、一つひとつのサービスにおいて、音楽配信ビジネスと同じように、シェアをしっかりと獲得していきたいと考えています。
【ナレーター】
多岐に渡る商材を扱うUSENのビジネスにおいて貴舩が特に注力しているのが、社員一人ひとりの商品知識の定着である。それを支えるのが、独自の教育プログラムと充実した研修制度だ。
【貴舩】
弊社には60以上の商材がありますが、日々の環境の変化によって、その提案の仕方は変わってくると認識しています。
そこで、社員に対して商品知識に関するテストを毎月行い、研修やロールプレイングもあわせて実施し、スキルアップを可視化しするためにランク付けしています。
社員の皆さんにしっかりとキャリアを上げていただくには、我々のサービスを十分に理解した上で、お客様の課題を解決するような提案を行っていく必要があるため、これはとりわけ強化している部分です。
また、エンジニアの仕事に関しても、商材の設置やメンテナンスにはいろいろなやり方があります。これを社会の環境に合わせて日々対応するため、レーダーチャートを使ってスキルを可視化しています。
コロナ以降、弊社では、店舗のDX推進につながる商材・サービスの提供を始めました。これらにおいては、通信ネットワークも含めたワンパッケージでの提案をお客様に行う必要があります。
提案スキルを上げないと、オペレーションの改善や収益「集客分析などにつながっていることがお客様に見えにくくなります。
この提案力を強化していくためには社員一人ひとりのスキルを上げていかなければならないと考えて、これらの取り組みをスタートさせたという経緯もあります。
【ナレーター】
「今後は音楽配信事業以外の商材についてもシェアを獲得していきたい」と語る貴舩。見据える展望とは。
【貴舩】
我々のセールスチャネルは現状、直販がメインですが、今後は弊社の商材を販売していただけるようなパートナーシップも増やしていきたいと思っています。
今は全体で約85万店舗のお客様がいらっしゃいますが、マーケット規模は400万店舗以上あると言われているので、その全てのお客様にサービスを提供できるようにしていきたいと考えています。
現在、「売り上げ100億円の会社を100社つくるために、社長100人を公募して1兆円企業を目指す」ということがホールディングスの指針であり、グループ全体の目標になっています。
その中で弊社は、各事業をしっかりと会社化し、さらに育てていくという役割を持っているため、その部分を推進していきたいと考えているところです。
【ナレーター】
求める人材像について、貴舩は次のように語る。
【貴舩】
前向きな思考の方、元気で活気のある方、そして自身と仲間と事業の成長を追求する方と一緒に仕事をしていきたいと思っています。
とはいえ、入社直後に結果を出す方はいらっしゃらないため、弊社の企業文化を身につけながら培っていければ、と考えています。
ー大事にしている価値観ー
【貴舩】
私自身の造語ですが、 「素直な目と心で」という言葉を大事にしています。
年齢を重ねることには、過去の成功や固定観念、既成概念がまとわりつくというマイナスの部分もあると思います。
世の中がこれだけ変化していく中で、ビジネスも変化していきます。そのため、いろいろな情報を素直に受け取り、素直に考え、そして素直に行動していくことを、私は重視しています。
そして、「素直さこそが次のビジネスの糧になる」と、私は考えています。