日本化薬株式会社の概要と沿革

まず、日本化薬の基本情報は以下の通りです。

【日本化薬の概要】

社名日本化薬株式会社
本社所在地東京都千代田区丸の内二丁目1番1号 明治安田生命ビル(19階、20階)
設立年月日1916年(大正5年)6月5日
代表取締役社長鈴木 政信
株式公開東証一部上場(証券コード:4272)
資本金149億3,200万円
事業内容機能化学品、医薬、化学品、他
日本化薬HP:会社概要より引用


日本化薬は、東京都千代田区に本社を置く、機能化学品から医薬品、化学品などを扱っている会社です。その歴史は大変古く、今から約100年前の1916年に日本初の産業火薬メーカーとして誕生したことに始まります。現在では、東証一部へと上場しており、情報通信、医療、安全の部門に分けて各事業を行なっています。その中でも世界的にトップクラスのシェアを誇る製品を数多く排出しており、日本化薬は名実共に世界的な企業と呼べますね。

それでは日本化薬の歴史を沿革で見ていきましょう。

【日本化薬の沿革】

1916年日本最初の産業用火薬メーカー、日本火薬製造株式会社として発足
(本社 東京市麹町区有楽町1-1)
帝国染料製造株式会社設立
1917年山口県厚狭工場、製造および営業認可を受け、製造開始
1922年株式を東京取引所へ上場
1931年山川製薬株式会社設立、翌年アスピリンを上市
1934年日本導火線株式会社、日本雷管株式会社、中外雷管株式会社を吸収合併
1943年帝国染料製造株式会社、山川製薬株式会社を吸収合併
1945年北洋火薬株式会社を設立
商号を日本化薬株式会社と改称
1946年岩鼻作業所貸与許可が下り、黒色火薬と導火線の製造開始
1947年本社を日本化薬ビルに移転(千代田区一番町15-5)
1948年DDTの生産開始
ペニシリンの生産開始
1956年スイス・ガイギー社と技術提携、殺虫剤ダイアジノンの生産開始
1963年デミング賞受賞
1969年ブレオマイシン(抗がん薬)上市
エポキシ樹脂生産開始
1970年オランダ・アクゾ社と合弁会社化薬ヌーリー株式会社(後に化薬アクゾ株式会社と社名変更)設立
昭和電工株式会社との共同出資で、アクリル酸エステルの製造を目的として、日昭化薬株式会社を設立
1971年樹脂部新設
高崎工場竣工、医薬品工場として新発足
1973年抗痙縮剤ムスカルム錠を上市
1974年基山工場閉鎖
1976年インドネシアにペトロキミア・カヤク社(農薬メーカー) 設立調印
岩見沢工場閉鎖
1977年厚和産業株式会社を設立
折尾工場閉鎖
1978年福山工場を箕島地区へ移転、操業開始(移転終了 昭和61年2月)
1982年ニューヨーク駐在員事務所開設(後に現地法人に)
鹿島工場新設
1983年医薬事業本部、化学品事業本部の二事業本部制に
ランダ注製造承認取得
本社を東京都千代田区富士見1-11-2へ移転
1985年小倉染料工場閉鎖
偏光板事業開始
1986年創立70周年、新社章制定
1988年デュッセルドルフ駐在員事務所開設(後フランクフルトに移し現地法人に)
1990年東京工場の農薬製造部門鹿島工場への移転完了
姫路工場エアバッグサンプルを出荷開始
1991年機能性フィルムの合弁会社株式会社ポラテクノ設立
1992年研修センター「飛翔」竣工
化薬サートマー株式会社設立
1993年台湾日化股?有限公司設立
上海駐在員事務所設立
1994年日化実業株式会社は内外興業株式会社を合併し、株式会社ナイガイニッカ発足
エアバッグ用インフレータ納入開始
1995年食品事業の子会社日本化薬フードテクノ株式会社設立
中国に合弁会社招遠先進化工有限公司設立
1996年中国に合弁会社無錫先進化工有限公司(現 無錫先進化薬化工有限公司)設立
創立80周年
1998年化学品事業本部、組織再編(6事業部)
介護者滞在施設「あすなろの家」竣工
1999年チェコのインデット セイフティ システムズ a.s.に資本参加
エヌ・エス・カラーテクノ株式会社設立
2000年東京工場、福山工場を分社化、株式会社日本化薬東京、株式会社日本化薬福山設立
アメリカにライフスパーク Inc.設立
2001年精密化学品事業本部が発足し、三事業本部制に
2002年中国に化薬化工(無錫)有限公司を設立
2003年株式会社ポラテクノは中国に無錫宝来光学科技有限公司を設立
2004年株式会社ポラテクノがアメリカのモクステック,Inc.に資本参加
全社機構改革。機能化学品事業本部、医薬事業本部、化学品事業本部の3事業本部と、経営戦略本部、グループ管理本部、生産技術本部の3本部発足
2005年研究開発本部発足
2006年統合研究棟竣工
チェコにニッポンカヤク CZ,s.r.o.を設立
株式会社ポラテクノがジャスダック証券取引所に上場
韓国にE-マテリアルズ株式会社を設立
株式会社ナイガイニッカがエヌ・エス・カラーテクノ株式会社を合併し、株式会社ニッカファインテクノと商号を改称
カヤフロック株式会社は高分子凝集剤事業を事業譲渡し、清算
2007年メキシコにカヤク セイフティシステムズ デ メキシコ, S.A. de C.V.を設立
セイフティシステムズ事業本部が発足
北洋化薬株式会社は、カヤク・ジャパン株式会社に商号を改称
2008年株式会社カヤテック、カヤク・ジャパン株式会社、旭化成ケミカルズ株式会社、同社子会社の旭化成ジオテック株式会社は、カヤク・ジャパン株式会社を承継会社として各社の産業火薬事業を総合。
アメリカのマイクロケム CORP.を子会社に
2012年マレーシアにカヤク セイフティシステムズ マレーシア Sdn.Bhd. を設立
2014年本社を丸ノ内に移転
日本化薬HP:沿革より引用


日本化薬は現在に至るまで、様々な製品を世に出してきました。そのどれもが基盤となる「火薬」「染料」「医薬」「樹脂」の4つの技術を最大限に活かした製品であり、それぞれのニーズ、時代背景にも沿った製品を作ってきたことで多くの信頼を得ている企業です。

日本化薬株式会社の企業ビジョン

次に、日本化薬の企業ビジョンをまとめていきます。

【KAYAKU spirit】

日本化薬グループは、わたしたちのあるべき姿(企業ビジョン)をKAYAKU spirit「最良の製品を不断の進歩と良心の結合により社会に提供し続けること」と定めています。
日本化薬グループの役員・従業員一人ひとりが、KAYAKU spiritの実現を目指した事業活動を行うことで、企業の経済的責任・社会的責任・環境責任を果たします。
日本化薬グループは、すべてのステークホルダーの信頼に応えるCSR経営を行ってまいります。
日本化薬HP:企業ビジョンより引用

火薬と聞くと少し危険なイメージや馴染みが薄いものですが、日本の発展には欠かせない薬品です。日本化薬はそれにより培った技術とノウハウを現在も活かし続けることで様々な事業の発展に繋がっています。社員一人ひとりが責任を持って事業へと取り組むことで企業として社会への貢献をしている素晴らしい企業の一つと言えます。化学の分野から日本支える日本化薬の発展は、これからもわたし達の生活の発展にもつながりますのでこれからも努力を続けていって欲しいですね!

日本化薬株式会社の事業内容

最後に日本化薬の事業内容は以下の通りです。大きく分けて4つの事業を中心に行なっています。そのどれもが高品質であり、安全性も高い事から多くのシェアを獲得しています。中でも セイフティシステムズ事業のシートベルト関連製品は世界で1位のシェア率を誇るなど、日本のみならず日本化薬は世界的な信頼とシェアを獲得している企業なんです!

【機能化学品事業】
樹脂・色素・触媒をコアと定め、環境・省エネルギー分野で、独自の素材・技術を複合化した機能化学品を提供し続ける。

機能性材料事業
エポキシ樹脂、紫外線硬化型樹脂、ポリイミド・アミド樹脂、MEMS材料樹脂、液晶シール材、LED封止材などの樹脂材料、機能性フィルム

色素材料事業
インクジェットプリンタ用色素、繊維用染料、製紙用染料、樹脂着色剤、感熱顕色剤、顔料誘導体(シナジスト)、イメージセンサー用カラーレジスト、各種赤外線吸収剤など

触媒事業
アクリル酸製造用触媒、メタクリル酸製造用触媒

ポラテクノ
偏光フィルム、液晶プロジェクタ用部材

【医薬事業】
得意技術によるイノベーションの推進、高品質な医薬品の安定供給により、医療の向上と医療費の効率化を通じて社会に貢献する。

医薬品
抗がん薬、がん関連薬剤、バイオ後続品、循環器用薬剤、医療機器

原薬
医薬品原料、医薬中間体

診断薬
腫瘍マーカーを中心とした診断薬

【セイフティシステムズ事業】
火薬安全技術をコアコンピタンスとして、自動車安全部品を中心に、世界中のより多くの人々に安全を提供する。
自動車安全部品(エアバッグ用インフレータシートベルトプリテンショナー用マイクロガスジェネレータ スクイブ)

【アグロ事業】
有効性、安全性、環境適合性に優れた農薬を、使いやすく且つ性能を活かす製剤技術と共に提供する。
殺虫剤,除草剤などの農薬、防疫用殺虫剤、動物忌避剤など
日本化薬HP:事業・製品より引用

日本化薬株式会社は、オンリーワンの技術を活かし世界になくてはならないモノを作ります!

創業から100年にも及ぶ年月を歩んできた日本化薬は、世界中から多くの信頼を得てきました。日本初のダイナマイトの製造したことでも多くの知名度を得ており、常にその時代に必要とされる製品を造ることでなくてはならない企業として成長を遂げました。現在では火薬だけでなく、医薬品や自動車などの安全装置関連の事業など、わたし達の生活を安全面から支える事業にも力を入れています。日本化薬の発展がわたし達の生活をより豊かなものにしてくれるのは間違いなさそうです!これからも日本化薬のますますの活躍と発展に期待していきましょう!