目指すは仙台圏ナンバーワン。 若き二代目社長、変革への挑戦 ~仙台市内の葬祭施行数シェアトップクラスの冠婚葬祭企業~

目指すは仙台圏ナンバーワン。若き二代目社長、変革への挑戦


株式会社あいあーる 代表取締役社長 菊地 隼

※本ページの情報は2017年7月時点のものです。

仙台を地盤とする冠婚葬祭業の株式会社あいあーるは、創業から55年以上の歴史を持ち、仙台市内での葬祭施行数シェアは20%とトップクラスの業績を誇る企業だ。冠婚葬祭スタイルの多様化や、高齢化が進む現代における今後のビジョンを、祖父の後を継ぎ代表取締役社長に就任した菊地 隼氏に伺った。

菊池 隼(きくち はやと)/東北工業大学にて情報通信を専攻。企業運営には人を重視しつつ、システム業務効率化等についてもイメージを持てるという強みを持つ。仙台トヨペット、会計事務所勤務を経て、創業者逝去に伴い株式会社あいあーる代表取締役社長に就任する。

業界未経験で社長就任

-祖父である前社長のご逝去に伴い、代表取締役社長に就任されました。

菊地 隼:
後継者となることを前提に地元企業で学んでいましたが、入社当初から代表に就くのは異例のことだったと思います。最初の1~2年はまず会社に溶け込み、スタッフの力をどれだけ借りられるかを考えました。

その反面、業界の経験なく入社したために、会社を客観的に捉えることができました。当社は先代が50年もの間1人で会社を率いていたために、社員が受け身になる傾向が見られたのです。上からの指示を待つのではなく、自発的に考える習慣を作ろうという私からの呼びかけは、時間とともに浸透してきていると感じています。以前はほぼなかった部門間の交流も多くなりました。

プロフェッショナル性を高めた提案で差別化を図る

-それぞれの事業の展望をお聞かせください。

菊地 隼:
冠婚部門は年間約400組の婚礼施行組数で順調です。結婚式場はアクセスしやすさが重視されるため、宮城県では仙台にほぼ集中しています。当社の『パレスへいあん』は仙台駅近くにあり、立地としては申し分ありません。新たに式場を展開するよりも、一つの建物の中で豊富なバリエーションに対応できることや、ブライダルに付随するものすべてを自社で用意できるという専門式場ならではの強みを熟成させて、競合であるホテルやゲストハウスとの違いを打ち出していくつもりです。

葬祭部門については、年間1,700件弱施行させていただいており、今後も増えると予想されます。高齢化が進む中、葬儀場がご自宅から遠いとご家族も含めて不便な思いをされるので、会館自体は増やしていきたいです。

ただ、現在では高齢化とリンクして、亡くなった方のコミュニティが狭まっていたり、喪主となられる方が親御様のネットワークを知らなかったりというケースも多く、身内だけで小規模になさる傾向にあります。そのような中で故人をお送りするにあたり、どうすれば本当に良かったと思っていただけるご提案ができるかについては、我々は常に研究を続けなければなりません。

私も祖父母だけでなく、母も見送っています。正直、送る側からすればどこまでやっても後悔は残るものです。それでも、故人に対してここまでやれたという自負を持てれば、それだけでも救いになります。やって良かったと思える区切りの付け方は、今後の人生にも大きな意味を持つでしょう。ある種の納得感や達成感が得られるように心がけていきたいです。

仙台圏ナンバーワン企業を目指す

仙台圏ナンバーワン企業に向けての事業計画と熱い思いを語る菊池社長。

-具体的に掲げている目標をお聞かせください。

菊地 隼:
仙台圏でナンバーワン企業となることが目標です。中長期のビジョンとして、売上目標は60億円を掲げています。内訳は冠婚で18億円、葬祭で42億円です。葬祭事業のシェア30%獲得を目指して割り出しています。

冠婚事業については、多様化するお客様のニーズをしっかりと形にできるよう、専門性をさらに高めていくつもりです。付帯事業であるフォトスタジオには特に可能性を感じており、店舗の拡大も考えています。

写真という文化はデジタル化されてなお、また一層の盛り上がりを見せています。ブライダルに限らず、普段の記念や何かの折に記録として写真を残される方も増えているので、とても伸びしろが感じられる分野です。結婚式を挙げない“なし婚”のご夫婦にも興味を持っていただけますし、それらから挙式や披露宴などへのジャンプアップも期待できるでしょう。

CS(顧客満足)の向上<ES(従業員満足)の向上

-目標達成にはどのようなことが必要でしょうか。

菊地 隼:
やはり人が重要です。ブライダルはある程度時間をかけて信頼関係を構築しながら人生に一度きりのものを作っていく事業ですし、葬祭では我々がご会葬の方々にきちんとしたおもてなしができたかが、ご遺族にとっても重要となります。私は今、CS(顧客満足)のためにもES(従業員満足)が大事だと考えて動いています。安心して働ける環境と、会社へのしっかりとした信頼感があるからこそ、お客様に100%、あるいはそれ以上の環境を提供できるからです。

求める人物像と課題

-どのような人材を求めていらっしゃいますか。

菊地 隼:
お客様の期待を上回るサービスを提供するためには、まず社員と会社との間に信頼感があることが重要だと考えています。そのためには当社の思いに共感してもらえる方が良いですね。

そして、自ら考えて行動する方です。現場には、現場のスタッフにしかわからないことがあるはずです。指示されたことをやるだけでは、経営にフィードバックされませんし、変化をもたらすことも難しい。結局、トップに判断を委ねるだけの組織になってしまいます。時代の流れは速く、冠婚葬祭ともにニーズはすぐに移り変わります。現場のスタッフ自身が自分の考えを持ちながら変化を敏感に察知して、何らかの形でアクションを起こすことが大切になります。

そのために、まずは上層部からコンサルティングに取り組んでいます。また、以前の現場は即戦力を求めがちでしたが、今はオリエンテーリングを1週間前後取り入れ、机上の部分もしっかり学んでもらっています。

-御社の課題についてどのようにお考えですか?

菊地 隼:
やはり人材です。若いうちから長く勤め、中間層になってくれる方を育てたいと思います。美容や調理などの専門職は、ある程度の勤務年数が経つと外に修行に出たがる傾向があります。そして女性が多い職場なので、出産や育児に伴って退職せざるを得ない方も多い。キャリアアップ制度やサポート体制などの環境を整える必要があります。

また、自発的なアイディアや自分なりの考えを声に出してくれる方が必要ですね。意見を発しにくいと考えている方や、発するための労力を好まない方もまだ多い。声を出しにくいその空気感を打ち破ってでも言ってくれる方が欲しいですね。私もうまく吸い上げられる努力をしていきます。

一方、最近の新卒世代は情報に頼っているという印象でしたが、話してみるとしっかりとした自分の考えや人生観を持っていることがわかります。私に対しても雄弁に語ってくれたり、動きも良かったりするので、長い目で見て楽しみですね。だからこそ新卒採用は重要だと感じますし、研修もさらに充実させていきたいです。

-就職を考える読者にメッセージをお願いします。

菊地 隼:
当社は地域の皆さまのご愛顧により2016年9月に55周年を迎えた、仙台の老舗企業です。そのような側面を持ちながら、まだまだ大きな可能性を秘めている会社だと私は思っています。ともに働いてくれるスタッフには、その可能性を存分に引き出すことで、一緒に会社を創り上げていける余地があります。自分の可能性を自分の想像以上に発揮してもらえるような環境を、私も一生懸命創っていきます。楽しみながら安心して働けて、この会社を通して人生を豊かにできるようなお付き合いをしていきましょう。

編集後記

「私たちには大きな可能性がある」。穏やかな口調ながらはっきりと話す菊地社長。そしてその可能性を最大限に発揮するにはスタッフの力が必須だという一貫した思いがあった。さまざまな意見を取り入れ、ともに歩もうとする姿勢に、先代の事業を踏襲するだけではない新たな「あいあーる」が感じられた。

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