キュービーネットホールディングス株式会社が運営する、10分カット専門店『QBハウス』は理美容業界に革新をもたらした存在だ。
1996年に1号店をオープンした『QBハウス』は、2019年2月1日時点、国内552店舗、海外でも123店舗を展開し、国内外の来店者数は年間2,100万を突破した。
そんな『QBハウス』では、社内カットスクール「LogiThcut PROFESSIONAL STYLIST SCHOOL(以下、ロジスカットスクール)」という研修制度を設け、給与支給がありつつ、6ヵ月の研修を卒業すれば一人前のスタイリストとして店舗デビューが叶うという独自の育成プログラムを展開する。
画期的な制度をもって「10分カット」サービスの品質を保つ同社で、今まさに研修生として6ヵ月目の卒業検定を控える3名に、『QBハウス』の魅力とスタイリストとなる意気込みを伺った。
カットのスペシャリストになれる環境を求めて
―山口さんは新卒で『QBハウス』に入られたと伺っています。なぜ、美容室ではなく御社への入社を決められたのでしょうか。
山口勇太:
元々は美容室で働きたいと思って専門学校に入りましたが、いざ学校でシャンプーやパーマ、カラーなどを体験してみると、全てをやりたいという気持ちにはならなかったのです。
しかし、髪をカットすることはとても楽しかったので、それを専門にできる『QBハウス』を選びました。
さらに、美容室に就職した場合、一般的にはアシスタントから始まり、実際にお客様をカットできるようになるまで3年かかることもまれではありません。
『QBハウス』なら「ロジスカットスクール」を6ヵ月間じっくり履修して卒業検定に受かれば、7ヵ月目にはスタイリストデビューが叶います。同窓生たちより早く現場に立てることに、とても魅力を感じました。
―「ロジスカットスクール」では、1日8時間、6ヵ月で1152時間の集中トレーニングで必要な技術を習得していくそうですね。入社前と比べてイメージにギャップを感じたことはありましたか?
山口勇太:
ギャップを感じたのは、スクールでの学びよりも、研修生用の店舗に出向して実際にカットをさせていただいたときですね。
30~40代の方が来店の中心とのことで落ち着いた印象を持っていたのですが、実際にはどのように接してよいか迷うお客様もいらっしゃいました。
1人10分しか接しないのだから会話も少ないと思っていましたが、難しいお客様にもしっかりと対応しなければなりません。しかし、カットだけでは駄目なのだと自覚できたので、良い経験になりました。
理美容業界は先輩の背中を見て学べというところが多いと思いますが、「ロジスカットスクール」では専属のトレーナーがいて、入店対応からしっかりと教えてもらえます。
6ヵ月が短く感じるくらい充実していて、今は試験に合格して早くお店に出たい気持ちでいっぱいです。
―美容師のご友人などにも勧めたい、御社の魅力とはどのようなものでしょうか。
山口勇太:
早くスタイリストデビューをしたい人には、どんどん勧めたいです。
パーマやカラーが好きな場合はまた違いますが、カットであれば半年で現場に立てるので、アシスタントとして3年間眺めているだけの状態とは、数年後には技術的にも大きな差が出るのではないでしょうか。
また、短時間、お手頃価格の『QBハウス』は、美容室に入りにくいと感じている方にも気軽に来てもらえるところだと思うので、そのようなサービスを提供できることにも魅力を感じています。
「10分カット」で理想に近づける奥深さ
―田邊さんは、もともとはヘアサロンに1年半ほど勤められたと伺っています。もうすぐカットができるようになるはずの環境から、なぜ『QBハウス』に移られたのですか?
田邊耀平:
メンズカットに憧れがあったので、カットに集中できる『QBハウス』は自分が納得できるレベルアップにつながると思いました。6ヵ月でデビューできることも、やはり魅力的でした。
―ご入社されてからの印象はいかがですか?
田邊耀平:
会社に関してはWebサイトに書いてある通りの内容で、安心した部分でもあります。10分という短時間の中でもっともよい切り方を突き詰める『QBハウス』の方針は、実際に取り組んでみても自分の性質に合っていました。
スタイリストになるための勉強時間は必ず必要なものですが、アシスタントとして勤めた場合は営業時間の前後の短い時間しか練習時間にあてることができず、一人前になるまでに何年もかかってしまいます。
その点、現場も経験しながら研修してカットの練習ができる「ロジスカットスクール」は、とても理にかなっていると感じています。
―研修で実際にお店に立たれたときに、どのようなことが大変でしたか?
田邊耀平:
手順通りに髪を切っていても、頭の形などに癖があるお客様だと必ずしも手本通りに整わないときがあることですね。
鏡やシルエットをよく見て、お客様の特徴にあったカットを瞬時に考えなければならないとわかりました。
今は、骨格や髪質などを理解しながら研修の技術を応用し、いかにして自分の腕を磨いていくかを課題に研修に励んでいます。
卒業検定に受かった翌月には店舗に出させていただくことになります。
当面は自分のカットスピードを見定めながら、どこまでお客様が理想としている髪型に近づけられるかを意識して、「10分カット」を極めていきたいと思っています。
一度は諦めた夢が叶えられる環境
―刈谷さんは、一度は理容師として就職された後、理美容業界を離れた経験があると伺いました。
刈谷真也:
実家が理容室でしたので、私も後継者として専門学校で理容師免許を取得しました。
しかし、アシスタントとして修業に出た先で、ひどい手荒れに悩まされ、ドクターストップがかかってしまいました。私は体質的に水仕事ができないことがわかってしまったのです。
幼少時からずっと理容師だけを目指していたので、20代になってからこの仕事はできないと知ったときはかなりショックでしたね。
その後はアパレル業界の販売員に転じたのですが、やはりハサミを持ちたいという思いはずっと心の中にありました。
そんな気持ちで30歳を過ぎた頃、『QBハウス』を知り、シャンプーをしなくてもカットができる仕事があるのだと、とても衝撃を受けたのです。
ハサミは持ちたいが、水仕事はできないから理容業界にはいられないと決めつけていたのですが、『QBハウス』の広告を見て長年の葛藤が解消される思いでした。
―理容室でのご経験と比較して、どのようなことが『QBハウス』ならではと思われましたか?
刈谷真也:
半年で現場に出られるようになるという、しっかりとした教育システムは業界で唯一の形だと思います。
一般的なサロンでは学びの時間は自分で作り、かつ修業として長時間労働になるケースが多いものですが、『QBハウス』の「ロジスカットスクール」では8時間労働が守られ、給与を支給されながら研修に専念できる環境があります。これはなかなか他に類を見ないのではないでしょうか。
また、やはりカットの技術というのは切るほどに上がっていくものです。
何年もアシスタントをしている人と、『QBハウス』で1年間バリバリと経験を積んだ人とでは、カットの腕に差が出てくるでしょう。早くからカットの技術を磨きたい人、そして私と同じように、水や薬品に対するアレルギーで体質的に理美容師を諦めてしまった人には、間違いなく勧めたい職場です。
―12月の卒業検定に合格されるといよいよスタイリストデビューですね。どのようなスタイリストになりたいですか?
刈谷真也:
早く綺麗に髪を切るというのは、当たり前の合格ライン。お客様に「これでこの価格は安い、もっと支払ってもいい」という気持ちになってお帰りいただけることが、これからも『QBハウス』が選ばれ続けるために必要だと私は思っています。
そのためには、高いレベルのカット技術をどのお客様にもムラなく安定して供給できるようにしつつ、来店されたお客様の時間をさらに充実させていかなくてはなりません。
私はアパレルで培った接客力も駆使しながら、価格以上の満足を提供できるスタイリストになりたいと思います。
編集後記
スタイリストデビューを間近に控えた3名が数ヵ月の研修の充実ぶりを語る姿からは、画期的な制度に驚きつつ、もうすぐ現場に立てる喜びが抑えられない様子がうかがえた。
独自のスタイリスト研修制度で実務に直結する学びに集中できるからこそ、3名にはすでに現場に出てからの自らの課題や目標も明確になっているようだ。
2012年に「ロジスカットスクール」を開校し、カット未経験者の積極採用や評価制度の導入にも取り組んで、スタイリストの離職率の大幅な減少を遂げた『QBハウス』。
彼らもまた、これからのキュービーネットホールディングスを長く支えていく一人となっていくだろう。
田邊 耀平(たなべ・ようへい)(写真左)/1996年生まれ。国際理容美容専門学校卒業後、ヘアサロンに1年半在籍。2018年7月、「LogiThcut PROFESSIONAL STYLIST SCHOOL(通称:ロジスカットスクール)」の研修生となる。
刈谷 真也(かりや・しんや)(写真中央)/1987年生まれ。中央理美容専門学校卒業後、理容室に就職するも、水仕事による手荒れが原因で理容の仕事ができなくなり、アパレル業界に転職。2018年7月、「ロジスカットスクール」の研修生となる。
山口 勇太(やまぐち・ゆうた)(写真右)/1997年生まれ。横浜fカレッジ卒業後、2018年7月に、スタイリスト育成プログラム「ロジスカットスクール」の研修生となる。