※本ページ内の情報は2024年4月時点のものです。

日本市場でIT企業の人材派遣に携わり、今年が設立20年になるスキルハウスはユニークな会社。「IT遅れ」といわれる日本でも、これからはさらに需要が高まることが間違いないIT業界は、今後ますます注目される成長産業として求職者にも注目されるだろう。

IT最先端のアメリカ出身のスキルハウス代表取締役マーク・スミス氏に、会社の立ち上げや若い転職者への思いについて話をうかがった。

独自のアイデアや戦略から起業を決意

ーー会社を立ち上げたきっかけは何ですか。

マーク・スミス:
まず、日本に来たきっかけは、勤めていたニューヨークのIT人材会社から日本支社の立ち上げ担当として派遣されたからです。最初に来た時は1〜2年でニューヨークに帰るつもりでしたが、どんどんクライアントが増えていきました。

ですが、物事を決める最終決定権は私になく、上層部は私のアイデアや戦略を受け入れてくれませんでした。自分ならもっとうまくやれると思い、スキルハウスを設立しました。

ーー貴社の事業内容を教えてください。

マーク・スミス:
スキルハウスの事業内容は、日本市場を中心に活動するIT人材サービス業です。弊社ではIT人材を派遣するだけでなく、総合的な人材サービスをクライアントに提供しています。同業他社では派遣の紹介のみを行う会社が多いのですが、弊社は派遣従業員とは別に、業務委託という形でクライアント先の仕事を請け負うサービスも行っています。

人材紹介の場合、紹介後のフォローアップと顧客のサポートもします。「現場を変えたい」という企業の要望や、派遣・紹介される人の将来を見据えたキャリアのトータルサポートをする体勢が整っています。

時代が求めるIT人材派遣で、多くの求職者を惹きつける強み

ーー貴社の強みを教えてください。

マーク・スミス:
強みの1つ目は、IT人材サービス一本で勝負していることです。IT人材サービスだけに特化することで、お客様のIT戦略におけるあらゆるニーズにお応えすることができます。その結果、IT業界に特化した人材派遣ブランドとして業界で認知されるようになり、求職者にとってはよりキャリアアップにつながるチャンスが広がるため、より多くの求職者を惹きつけることができるようになりました。

クライアントにも、「IT人材がたくさん集まっている」という認識を広げることができました。そして、求職者のサポートを行っています。

強みの2つ目は、クライアントと求職者の両方をサポートする体制です。弊社では4つの部門が連携し、IT業界における候補者のニーズに応えながら、クライアント企業に期待される以上のサービスを提供しています。求職者の方々とクライアントの皆様は、1人や2人の担当者だけではなく、弊社の組織全体によるサポートを受けることができます。

ーー取引先はどのような企業ですか?

マーク・スミス:
取引先は50%が日系企業で、50%はアメリカの上位500社のリスト、フォーチュン500に出てくる企業です。名だたる大手企業と取引しています。

成長を続ける覚悟。セールスの戦場から学んだスキル

ーー会社を立ち上げて、初めて大手企業からの取引の話があった時はかなり緊張したそうですね。

マーク・スミス:
大きな会社と取引するにはそれなりのリスクを負います。それでも契約したからには対応しなければなりません。会社設立当時は大手企業からの依頼にとにかく「イエス」と答えてビジネスを勝ち取りましたが、必要なサービスを本当に提供できるのかという大きなプレッシャーを感じました。

契約した後でなんとか人材を探して確保し、できる限りの努力をしました。失敗もありましたが、弊社の成長に欠かせないプロセスであると考えて、決して諦めませんでした。

ーー現在の仕事につながっているビジネススキルの原点は何ですか。

マーク・スミス:
18歳のころ大学に通いながらセールスの仕事を始めました。ステーキを売る仕事でしたが、売らないと全く給料が入らず、最初は大変でした。「誰とどのように話すことが効率が良いかを判断する」ということが大事です。人と話をしてビジネスを成功させるスキルを得る必要があったので、これを常に意識していました。

セールスの世界は戦争のようでしたが、失敗してもそれをマネージする方法を学んできました。

ーー今後のビジネスのポイントについて教えてください。

マーク・スミス:
私たちはずっと成長し続けたいと思っています。AIやいろいろな媒体を使い、毎日改善を積み重ねて技術の向上を図っています。

5カ年計画を立てており、5年で売上を2倍にするという目標を掲げています。関西方面へ進出した後、シンガポールなど、海外にも拠点を置きたいと考えています。

ーービジネスで必要な考えや課題は何でしょうか?

マーク・スミス:
戦略を練ることに一番時間がかかりますが、素晴らしいビジョンを持っていても人がいないと成り立ちません。戦略どおりにやり遂げられる人材を確保することが一番大事です。

今年はさまざまな種類のITを取り入れ始めています。技術の面では達成できると思いますが、ビジネスを改善するための人材の確保と、外部との交流やつながりが課題になります。

フォローアップ力がキャリアの鍵!若者に伝えたいこと

ーーどんな人材を求めていますか?

マーク・スミス:
私が求めているのは、前向きで積極的な姿勢で、成長し続けたい人です。有名大学卒業かどうかは関係なく、良いマインドセットを持った人を求めています。弊社に限らず、その職種が弁護士、金融系、経済系でも、営業スタッフでも、大事なマインドだと思います。

ーー若い世代に伝えたいことはありますか?

マーク・スミス:
最近、若者を見ていて気づいたことは、フォローアップがうまくないということです。入社しても、コミュニケーションがうまくとれず、結局辞めてしまう人が多いのです。

大きな企業でインターシップとして働いたり、コンサルティングなどにお金を費やして、コミュニケーション能力を身につけることが重要だと思います。

また、若い世代でITの仕事を探している方達に対しては、一人ひとりにあった職場を見つけてあげたいですね。私たちが希望のIT企業を紹介してサポートすることで、若い人たちのキャリアアップに貢献できると思います。

編集後記

若い頃に、セールスの仕事からビジネススキルを身に付けた、マーク・スミス社長。彼は失敗しても諦めない、失敗も「自分のレッスンだ」と捉えるというポジティブなマインドを持つ。企業にも働き手にもより多くの選択肢を与えるために、関西や海外への進出プランにも期待したい。

マーク・スミス/1968年アメリカフロリダ州生まれ、フロリダ州立大学卒。ニューヨークのIT人材サービス会社で取締役副社長兼セールス部長などを歴任後、1993年に来日。2004年にスキルハウス・スタッフィング・ソリュ-ションズ株式会社を設立。日本におけるITビジネスのパイオニア的存在である。