類農園は奈良や三重にある農場で、植物由来の循環型農業に積極的に取り組んでいる。
本物のおいしさや安全性にこだわり、人間のサイクルに合わせるのではなく、自然のサイクルに合わせた農業に取り組んでいるのが特徴だ。
そんな類農園は、これまでどのような取り組みを行い、どのような方法で作物を育ててきたのだろうか。
この記事では、類農園が誕生したきっかけや有機栽培へのこだわりなど、農業への取り組みを紹介する。
「農の再生」をめざして類農園が生まれた
そもそも、類農園の運営元は、株式会社類設計室だ。
株式会社類設計室は1972年に創設し、現在は設計事業部や教育事業部、農園事業部など様々な事業部を展開している。
なぜ、建築関連の会社が、農業の分野にまで進出したのだろうか。その理由は1999年に起きた経済危機にある。
1999年、日本は「平成不況」と呼ばれる深刻な経済危機の渦中にあった。バブル景気崩壊後の1990年代は、長期的に景気が低迷した。
1998年には「日本列島総不況」とも呼ばれるほど深刻化し、1999年には日本全体で雇用情勢が悪化し、失業率が上昇した。
類農園が誕生した背景には、1999年の経済危機がある。この難局に直面したことで「自然に学び、いのちを育てる」という真理に辿り着き、「農の再生」を実現すべく農園事業部を発足させたのだ。

農業は簡単にできるものではないため、類設計室屈指の「農業のプロフェッショナル」と「一級建築士」たちが集結し、タッグを組んで事業をスタートさせた。
スタートして15年が経過した2014年には、都市と農村をつなぐ「直売所」の開設も実現した。
さらに、2018年からは、類農園の理念を共有できる協働者や異業種と連携し、日本全体が抱える社会課題への取り組みや解決にも積極的に取り組むようになった。
現在(2025年)は、約600名の生産者が商品を販売するほどの規模となっている。
1999年の経済危機をきっかけに始めた農園事業は、今では類設計室の主要事業の一つとなるほど、飛躍的な成長を遂げた。
動物性肥料は不使用!植物の力を活かした有機栽培とは?
類農園は、肥料に並々ならぬこだわりを持っている。
実は、本物の有機栽培を追求しているため、動物性肥料は使っていないのだ。
動物性肥料とは、「鶏ふん」や「牛ふん」といった、家畜のふんを堆積・発酵させたものである。
動物性肥料は、土壌の環境改善や植物の生長促進などの効果が期待でき、カリウム、リン酸、窒素などの栄養分も豊富であるため、肥料として用いられることも多い。
しかし、類農園では「あえて動物性肥料を使わない」という点にこだわりを持っている。その理由は、動物性肥料を作る過程に不安な点があるからだ。

不安な点として挙げられるのは、主に以下の点である。
- ・動物の生育過程で抗生物質やホルモン剤を使用していないか
- ・農薬、除草剤、化学肥料などを使って育てられた飼料を口にしていないか
- ・遺伝子組み換えされたものがエサになって口にしていないか
せっかく植物の力を活かした有機栽培をしていても、動物性肥料にこのようなものが含まれてしまえば、全く意味が無くなってしまう。
このような不安を払拭するために、類農園ではより安全な環境を徹底し、動物性肥料は使用していない。
類農園は1999年の設立以降、約25年にわたって農薬や化学肥料に頼らない栽培を実践している。
2017年には「有機JAS認証」を取得し、農業生産における環境負荷の低減にも努めている。
類農園では、有機農業への取り組みとして、“3つの仕組み”を実践している。
雑草を生えさせない仕組み
有機農業では、農薬に頼ることなく栽培しているが、そこで最も大変なのが雑草対策だ。
雑草を極力生やさないために、類農園では太陽熱による土壌の熱消毒を実施し、雑草が生えにくい土壌づくりに努めている。種まき前のハウス畑にシートを張って密閉し、太陽熱で地面の温度を上げることで、土の中の雑草や病原菌を死滅させているのだ。

植物の力を活かした虫を寄せ付けない仕組み
土の中に虫がいると、ニンジンやダイコンなどの根菜類は線虫に食べられてしまい、野菜の表面がでこぼこの状態になってしまう。
そこで類農園が考えたのは、植物の作用を上手に使うことで、虫を寄せ付けないようにする方法だ。
根菜類を植える前に、土の中の虫が嫌う成分を含んだ「ソルゴ」という植物を植えて育てる。
最終的に、育てた「ソルゴ」を土の中に混ぜ込んでしまうことで、虫が寄り付かなくなる仕組みを生み出した。
資源を循環させる仕組み
類農園では、化学肥料を使わない代わりに米ぬかやしょうゆかすを発酵させた植物由来の自家製「ぼかし肥料」を使っている。
これらを使うことで、天然資源の活用ができ、土壌、河川、地下水、海洋汚染などの抑制にもつながる。なお、この肥料は、生き物の多様性保全効果を高める上でも有効である。
朝採れ野菜が毎日届く!生産者と消費者をつなぐ直売所
類農園で生産された野菜は、独自の流通網を通じて、産直需要の高い大阪の直売所で販売されている。
現在は、奈良、三重、和歌山の生産者約600名が、自由に値付けできるシステムを導入し、農作物や加工物の販売も行っている。
生産者が日々、お客様へ商品を届け、お客様からの反響が生産者本人にも伝わることで、互いの活力につながる好循環が生まれている。

自社農園に関しては、収穫後4時間以内の出荷が行われ、鮮度の高さと旬を堪能できる野菜が提供できるよう工夫されている。
農業の枠を超えて日本の未来をつくる
類農園は、農家の枠組みを超えた取り組みにも積極的だ。
2018年からは、自社の思いを共有できる協働者との連携をより強化し、社会問題にも取り組んでいる。
類農園が行っている「日本の未来のための取り組み」は、以下のとおりだ。
・【摂南大学 農学部×類農園】農学部教育支援(水稲実習)
三重農場では、2021年から摂南大学農学部生が稲作体験を開始した。ここで収穫されたお米は、類農園の直売所で購入できる。
・【宇陀市×類農園】宇陀米ブランド化協議会
宇陀米ブランド化協議会と類農園の取り組みにより、コメのブランド化、高単価で販売できる仕組みの構築に取り組む。これにより、将来的に若手の農家の経営基盤が安定し、地域を守ることができる。
・【類学舎×類農園】農業研修カリキュラム
農業研修により、将来農業に取り組みたいと考える人々の育成が促進できる。
・【近鉄百貨店×類農園】産直事業の協業
2021年にあべのハルカス近鉄本店「ハルチカマルシェ」で産直野菜を販売した。今後も販路拡大によって、沿線地域の価値向上に取り組んでいく。
・【離島振興地方創生協会×類農園】販路開拓支援事業
新たな販路開拓のため、近畿圏の農家、食品企業、スーパー、百貨店などのバイヤーとつないでいく。
類農園の評判・口コミを徹底検証!!
次に、類農園の評判・口コミを徹底検証していこう。

新鮮なこだわりの野菜や果物が、品揃え豊富に、並んでいます。 わたしは、塩と紫蘇で漬けた昔ながらの梅干を買いに行きました。 おにぎりに、最高にあいます。類農園直売所・彩都店 - Google マップ
類農園の強みである新鮮さ、こだわりがきちんと消費者に伝わっていることがわかる口コミである。素材のうまみが感じられる味が高く評価されている。
有機野菜や無添加食品などの、安心こだわり食材がたくさん売られています。 食の安心安全を推進していくお店として、これからも大いに期待します!類農園直売所・彩都店 - Google マップ
類農園は安心でこだわりの食材を提供し続けている。今後の発展が期待されている口コミだ。
類農園は「自然に学び、いのちを育てる」ことをモットーに活動を行っている。肥料からこだわりを持ち、徹底的な環境配慮に取り組んでいることが伝わってきた。
様々な企業などとの協力で、今後も発展が期待できるだろう。
