株式会社安藤ハザマの概要と沿革

まず、安藤ハザマの基本情報は以下の通りです。

【安藤・間の概要】

社名株式会社 安藤・間(呼称:安藤ハザマ)(HAZAMA ANDO CORPORATION)
本社所在地東京都港区赤坂六丁目1番20号
設立年月日2003年(平成15年)10月1日
代表取締役社長野村 俊明
株式公開東証一部上場(証券コード:1719)
資本金120億円
事業内容(1)土木建築工事の調査、測量、企画、設計、施工、監理
(2)不動産取引および不動産の保有、利用
(3)土壌の調査・浄化工事の請負
(4)地域・都市開発および環境整備に関する企画、設計
(5)発電および電気、熱等エネルギーの供給事業
安藤ハザマHP:沿革より引用


安藤ハザマは2013年に、安藤建設と間組が合併したことにより誕生しました。現在、本社は東京都港区に置いています。
では安藤ハザマの二社の創業から見ていきますと、安藤建設は1873年に「安藤方」として土木建築請負業として誕生しました。当時は最新鋭であったレンガ建築ので事業をスタートさせます。
一方、間組は1889年に九州鉄道から機関車庫のの新設工事を請け負いこれにより間組としての第一歩をスタートしました。
両者は日本を支えてきた建設、建築会社でも全く違った分野で活躍してきました。安藤建設は帝国ホテルや、庁舎などの建設で高度成長期の日本を支えました。間組は、日本初の海底トンネルである関門トンネルや、当時、大事業であった黒部ダムなどインフラやダム建設など土木の分野で成長していきます。

これまでに安藤ハザマとなった両者は多くの事業に携わってきました。少し長くなりますが沿革をご覧ください!

【安藤ハザマの事業の沿革】

◆(旧)安藤建設

1873年安藤庄太郎が東京市神田区松枝町に「安藤方」と称して土木建築請負業を創業。当時の先進的工法であったレンガ建築の工事業者として、その第一歩を踏み出す
1874年「東京銀座通り煉瓦街工事(東京都)」の一部を施工
1885年「浅草仲見世通り煉瓦街工事(東京都)」の一部を施工
1893年陸軍、鉄道、逓信各省の出入り業者となる
翌年に勃発した日清戦争に前後して、東京・小石川の陸軍砲兵工廠(煉瓦造)の建設を一括受注、建設業者としての基礎を築く
1897年日本初の電話本局「東京郵便電信局の煉瓦造修築工事(東京都)」を施工
1904年「愛国生命保険株式会社(現:日本生命)本館(東京都)」竣工当社の民間工事第一号
1911年出資金100万円をもって合名会社安藤組に改組
1914年京橋区築地に社屋を新築移転
「横浜市磯子海岸海面埋め立工事(神奈川県)」(37万㎡)竣工
1918年合名会社組織を改め、株式会社安藤組を設立
1925年「東京中央電信局(東京都)」竣工
1928年「横浜中央電信局(神奈川県)」「愛媛県庁(愛媛県)」竣工
1929年「内閣印刷局滝野川印刷工場新築(東京都)」竣工
1934年「特許庁庁舎(東京都)」竣工
1946年終戦後、「旧憲兵司令部(東京都)」、「山王ホテル(東京都)」など進駐軍諸施設の改修工事を引き受けるとともに、被災地の復旧、各地の官公庁庁舎や学校、病院など緊急に必要な施設を再建し、戦後復興に尽力
1949年建設業法により建設大臣登録(イ)730号登録を受ける
1953年「帝国ホテル第一新館(東京都)」竣工1956年、「帝国ホテル第二新館」竣工
1957年「慶応大学南及西校舎(東京都)」(第1回BCS賞受賞)
1960年「中山競馬場観覧スタンド(千葉県)」竣工(第3回BCS賞受賞)
1961年株式を東京証券取引市場第二部へ上場
1962年社名を安藤建設株式会社に変更
定款の目的に不動産の所有、売買ならびに賃貸借を追加
1963年東京証券取引所市場第一部へ指定替
1965年東京都中央区八重洲に本社を新築移転
芝浦実験工場を設置して、プレキャスト、プレストレスト・コンクリートの試作実験を行う
1966年住宅の工業生産化という時代の要請に応え、業界に先駆けて大型コンクリート板によるプレハブ工法を開発し、埼玉県川越市に最初のプレハブ工場を設置
1971年フランスのコアネ社と技術提携を行い、海外のプレハブ技術を導入
1972年創業100周年を迎える
1973年宅地建物取引業者免許建設大臣(1)第1392号の免許を受ける(以降更新)
建設業法により建設大臣許可(特-48)第1850号の許可を受ける(以降更新)
1975年定款の目的に設計ならびに監理、建設用資材の製造、加工ならびに販売を追加
1980年「日本テキサス・インスツルメンツ美浦工場(茨城県)」竣工
1981年「慶應義塾図書館・新館(東京都)」竣工(第24回BCS賞受賞)
1983年東京都港区芝浦に本社を新築移転
1986年関東圏の資材・機材業務合理化のために東京機材センターを設立
1988年技術研究所を発足
1991年技術研究所内に免震構造棟完成
1992年技術研究所内に音響・環境実験棟完成
1998年全国でISO9001認証取得
2000年「トッパン小石川ビル(東京都)」竣工(第42回BCS賞受賞)
2001年音楽会協賛によるメセナ活動を開始
2002年東亜建設工業株式会社と業務提携
全国でISO14001環境マネジメントシステム認証取得
2003年株式会社間組と資本業務提携
2004年技術研究所内にクリーンルーム・電磁シールド実験施設完成
2005年ISO9001・ISO14001全社統複合
「フランク・ロイド・ライトRスイート(帝国ホテル)(東京都)」竣工
2006年「日本盲導犬総合センター(静岡県)」竣工(第49回BCS賞受賞)
2008年定款の目的を一部変更し、エネルギーの供給事業およびコンサルティング業務、建築の請負を伴う特別目的会社への出資等を追加
安藤ハザマHP:沿革より引用



◆(旧)ハザマ、間組

1889年間猛馬、九州鉄道株式会社から門司機関車庫・客車庫の新設工事を請け負い、門司(福岡県)で間組を創業
1909年日本初のループ線工事である「鹿児島線・大畑~人吉間工事(熊本県)」竣工
1911年日本初の潜函工事である「鴨緑江橋(中国・北朝鮮)」竣工
1912年電力工事に進出し、「女子畑水力発電所(大分県)」受注
1917年合資会社間組設立(資本金50万円)
1920年本店を東京に移転
1924年「永代橋新設工事(東京都)」(重要文化財・第一回土木学会選奨土木遺産)で、国内初の潜函工法による基礎工事に従事
1931年地下鉄工事に進出し、「東京地下鉄道・日本橋~京橋間工事(東京都)」受注
株式会社間組発足(資本金200万円)
1937年「東宮仮御所(東京都)」竣工
1941年アジア最大のダム工事であった「水豊発電所・第1期工事(北朝鮮)」竣工
1943年日本初の海底トンネルである「関門トンネル・下関工区(山口県)」竣工
1945年「明治神宮戦災復興御造営工事(東京都)」
1949年建設業法により建設大臣登録(イ)48号登録を完了
1956年戦後初の大規模機械化施工である「佐久間ダム(静岡県)」竣工
1959年「名古屋城再建工事(愛知県)」竣工(第2回BCS賞受賞)
1960年当社にとって戦後初の大型海外工事である「ダニム第一発電所(ベトナム)」受注
1961年日本初のロックフィルダムである「御母衣ダム(岐阜県)」竣工
1962年東京証券取引所第二部へ上場 「伊勢湾台風災害復旧工事(愛知県)」竣工
1963年世紀の大事業「黒部ダム(富山県)」竣工
1964年「東海道新幹線新丹那トンネル(静岡県)」竣工
1969年「伊勢神宮・宇治橋架け替え工事(三重県」竣工(以降、「式年遷宮」ご修造のひとつとしての架け替え工事を20年ごとに3回担当)
1971年宅地建物取引業者建設大臣(1)第1170号の免許を取得
1974年東京・大阪・名古屋証券取引所第一部へ上場
1980年「伊藤忠商事東京本社ビル(東京都)」竣工(第23回BCS賞受賞)
1981年埼玉県与野市(当時)に技術研究所を開設
1982年「明治神宮薪能」奉納協賛開始(以降、現在まで毎年開催)
1983年「国立能楽堂(東京都)」竣工(第26回BCS賞受賞)
1985年日本初の本格的インテリジェントビルである「ホンダ青山ビル(東京都)」竣工(第28回BCS賞受賞)
「青函トンネル・吉岡工区(北海道)」の本坑貫通
1986年TQCで「デミング賞実施賞」受賞
1989年創業100周年を迎える
「ガルガルダム(アルジェリア)」「葛西臨海水族園(東京都)」(第32回BCS賞受賞)竣工
1992年ハザマに呼称変更
技術研究所をつくば市に移転
1994年「味噌川ダム(長野県)」「セランゴール上水道(マレーシア)」竣工
1995年「東京ビッグサイト(東京都)」竣工(第38回BCS賞受賞)
1996年世界初の洋上石油備蓄基地である「白島石油備蓄基地(福岡県)」、日本初の免震病院となる「星が浦病院(北海道)」竣工
1997年当時世界一の高さを誇る「ペトロナスツインタワー(マレーシア)」竣工
1998年国内全支店でISO9001認証取得
「ビッグパレットふくしま(福島県)」竣工
2000年国内全支店でISO14001認証取得
「地下鉄大江戸線六本木・青山工区(東京都)」竣工
2001年西武建設株式会社と事業提携
2003年会社分割により、新生ハザマ設立
建設業許可国土交通大臣許可(特-15)第20330号、宅地建物取引業免許東京都知事(1)第82456号を取得
安藤建設株式会社と資本業務提携
2004年復元された木造天守で日本一の高さを誇る「大洲城天守閣復元工事(愛媛県)」竣工(第7回国土技術開発賞最優秀賞受賞・第1回ものづくり日本大賞内閣総理大臣賞受賞)
2006年「パレンバン空港(インドネシア)」竣工
2007年「首都高中央環状品川線大橋連結路(東京都)」受注
2008年「津軽ダム(青森県)」「名古屋城本丸御殿復元工事(愛知県)」受注
安藤ハザマHP:沿革より引用


いかがでしょうか?安藤ハザマがこれまでに携わってきた建造物は現在も残っている建物も数多くあります。それらはまた下にまとめていきますが、歴史ある二社が統合した事によりこれから安藤ハザマの、ますますの発展が間違いないことがお分かりいただけたと思います。

株式会社安藤ハザマの企業理念

安藤ハザマの理念は以下の通りです。

【企業理念】

1.ものづくりを通して、社会の発展に寄与します。
2.確かな技術と情熱で、お客様満足を追求します。
3.新たな価値を創造し、豊かな未来を実現します。
安藤・間HP:企業理念より引用

安藤ハザマの企業理念は非常にシンプルです。ものづくりを通してこれまでに培ってきた建築や建設、様々な技術を如何なく発揮し、安藤ハザマが携わっていく事で社会への貢献を果たそうという意思が伝わってきます。数十年前に作った建物が現在でも残っていますよね?これは今の技術を駆使すればもっと長く生き続けられるということです。今ある最新技術を使い、これから何十年先でも利用できる建物や、設備を安藤ハザマには創っていってもらいたいです!

株式会社安藤ハザマの施工実績

では最後に安藤ハザマがこれまで施工に携わった実績をいくつかピックアップしていきたいと思います。

事務所・庁舎
中央土地八重洲セントラルパークビル、プライムスクエア広瀬通、NHK新徳島放送会館、ONE表参道、佐世保合同庁舎、日本経済新聞社名古屋支社、トッパン小石川ビル、ホンダ青山ビル、伊藤忠商事東京本社ビル

商業・レジャー施設
三井ショッピングパーク ららぽーと富士見、ミラザ新宿、味の素ナショナルトレーニングセンター アスリートヴィレッジ、天神ルーチェ、イオンモール与野、ナビオス横浜、マロウドインターナショナルホテル成田、国立オリンピック記念青少年総合センター、JRA中山競馬場スタンド

生産・物流施設
気仙沼漁業協同組合製氷・貯氷施設、東京めいらく千葉工場、大東物流センター西側倉庫建替および第2倉庫改修、東京航空計器本社工場、トッパン・フォームズ滝山工場、埼玉物流センター、澁澤倉庫名古屋流通センター 読売新聞・図書印刷神戸工場、明治乳業守谷事業所

医療・福祉施設
新百合ヶ丘総合病院、新京都南病院、聖隷藤沢ウェルフェアタウン、千葉医療センター、名古屋市立西部医療センター、茨城県立こころの医療センター、久喜総合病院、がん粒子線治療研究センター、栃木県医師会温泉研究所付属塩原病院、別府医療センター、南東北がん陽子線治療センター、三日町キングスタウン

教育・研究施設
東京大学(本郷)工学部3号館、東京大学(本郷)法学部3号館、千葉大学 アカデミック・リンク・センター、あいち産業科学技術総合センター、日本大学豊山女子高等学校・中学校キャンパス、港区芝浦小学校・芝浦幼稚園 明治神宮外苑/研修棟、三潴総合体育館、三菱ガス化学株式会社東京テクノパーク本館、学研なら登美ヶ丘「学び街」プロジェクトPP・P・M・C棟、宮城県迫桜高等学校、慶応義塾大学新・旧図書館

文化・スポーツ施設
リニア・鉄道館、足立美術館新館、ユメリア徳重、九十九島水族館「海きらら」、北区新中央図書館、東京富士美術館新館増築、桜川市岩瀬体育館、松本市美術館、警察大学校 武道館、北九州市立国際友好記念図書館、彩の国さいたま芸術劇場、東京都葛西臨海水族園

伝統施設
曹洞宗 天恩山 宮澤寺本堂・位牌堂、多聞山 天現寺、万徳旅館、宇治大橋御修造工事、三池炭鉱旧万田坑施設(保存修理)、大行寺本堂、英彦山神社奉幣殿(保存修理)、大洲城

トンネル
近畿自動車道紀勢線安宅トンネル、さがみ縦貫道路 愛川トンネル、国道45号尾肝要トンネル 北工区
新武岡トンネル、紀勢自動車道 川口トンネル、日本海沿岸東北自動車道 温海トンネル、国道1号静清バイパス賤機山トンネル、一般国道249号八世乃洞門トンネル、九州新幹線 筑紫トンネル、西大津バイパス 長等トンネル

ダム
長井ダム、広神ダム、滝川ダム、上野ダム、大志田ダム、姉川ダム、札内川ダム、八田原ダム、日向ダム、味噌川ダム、黒部ダム(黒四ダム)、佐久間ダム

都市土木
首都高速中央環状品川線大橋連結路、大阪北共同溝交野寝屋川地区工事、東名高速道路杉久保地区函渠工工事、首都高速中央環状新宿線 SJ23工区、中央雨水1号貯留幹線2工区、首都高速中央環状新宿線 SJ34工区、首都高速中央環状新宿線 SJ62工区、首都高速中央環状新宿線 SJ41工区、大阪市交通局地下鉄今里筋線今里

道路・造成
北国分地区函渠、第二東名高速道路 岡崎サービスエリア、ガーラ湯沢スキー場下山コース新設他、平成19年度 伊豆縦貫加茂道路、山陰自動車道船津工事、産業廃棄物処理施設増設、稚内空港用地造成その他工事

構造物
宇佐市山本浄水場改築、東海市浄化センター建設工事、国道155号豊田南バイパス美山南道路建設工事、平成19年度鏡水地区BOX設置、新港横戸町線2工区ボックス他築造、国道51号切替その他

橋梁
利賀湖面橋(上部)、伏木富山港(新湊地区)道路(東西線)橋梁上部、北陸新幹線 上市竹鼻高架橋他、九州新幹線 緑川橋梁、県道高速名古屋新宝線日比野工区下部

港湾
五島西方沖湧昇マウンド礁、遠別漁港建設工事、神戸港ポートアイランド岸壁改良、函館どつく第3ドック・第4ドック土木復元、新若戸道路沈埋トンネル部(3号函)製作

その他
北上運河河川災害復旧工事、神戸セントモルガン教会、史跡高松城天守台石垣、ララシャンス ベルアミー、広島西風館、栗東トレーニング・センター厩舎、上野・樋川原風力発電所、東北新幹線、青森車両基地仕業検査庫、豊浦風力発電所、日本盲導犬総合センター、みなとみらい線馬車道駅、稚内ドーム、東京ビッグサイト
安藤ハザマHP:施行実績から引用

安藤ハザマの施工実績はこれでもほんの一握りに過ぎません。みなさんが知っている、または一度は訪れたことがある場所が数多くあったと思います。まさに高度経済成長から現在までの日本の建設事業において安藤ハザマとなった安藤建設、間組の貢献といったら計り知れません。これからも歴史に残るモノを作り続けていってほしいです。

東京ビックサイトなど、様々な施工に関わってきたのが株式会社 安藤ハザマです。

安藤ハザマの基本情報、実績などをここまでご紹介してきましたが、本当に歴史ある素晴らしい会社だなと再認識させられましたね。戦後の日本の急成長には安藤ハザマのような努力を怠らなかった企業の方々のお陰なんです。今後、日本だけではなく、世界に向けても活躍の幅を広げていくであろう安藤ハザマにはますますの期待をしたいです!