ヤギの概要と沿革

まずは、ヤギの基本情報を確認しておきましょう。

ヤギの概要

社名株式会社ヤギ
本社所在地大阪市中央区久太郎町二丁目2番8号
設立年月日1893年10月創業、1918年4月設立
代表取締役社長八木隆夫
株式公開東証2部
資本金10億88百万円
事業内容繊維専門商社

全国に支社があります。

■東京支社
東京都中央区日本橋小網町18番15号
■福井支社
福井県福井市順化一丁目8番10号 福井県繊維卸商協会ビル3階
■名古屋出張所
愛知県名古屋市中区錦一丁目19番24号 名古屋第一ビル8階
■和歌山営業所
和歌山県和歌山市太田一丁目13番1号 駅前東ビル3階

また、上海・ホーチミン・ハノイ・バンコク・ダッカにも事業所を持っています。

(引用:株式会社ヤギ公式ホームページ)

ヤギの事業内容

原料分野

 ヤギのメイン事業は繊維製品の原料となる「糸」です。自然由来の素材である「天然繊維」と高分子を化学合成した「合成繊維」に大別されます。ヤギの主力仕入先である紡績メーカーの生産拠点も国内にとどまらず東南アジアへとシフトしています。さらに、ヤギは国内では高度な技術力を持つ合繊加工メーカーや加工場と協力して、高機能かつ差別化された糸の独自開発も行っています。ヤギの原糸ビジネスは、原料供給にとどまらず、衣料や資材など広範な素材のコーディネーターとして進化を続けています。

テキスタイル分野

 ヤギでは、糸だけでなく、テキスタイル(加工前の布)の事業も盛んです。綿化繊織物と合繊織物、ニットを軸とした安定的なテキスタイル供給を通して、ファッション界の発展に貢献しています。ヤギはアパレル業者やアパレル業者やSPA(製造小売業)企業などに品質優位性の高いテキスタイルを提供するため、約500品番からなるカラーストックサービスのニット生地を展開するなど、少量で短納期の発注に対応できる体制を整えています。

 また、ヤギは海外とのネットワーク構築により、安定的で高効率なテキスタイルの調達や供給を進めています。このようにヤギではコストパフォーマンスの高い良質なテキスタイルを輸入し、国内市場へ展開しています。さらにヤギは欧米へのテキスタイル輸出への取り組みも進めています。

二次製品分野

 多様化する市場ニーズに的確に対応した製品づくりに欠かせないのは、「独創的な企画開発力」と「信頼できる生産体制」です。ヤギでは、近年注目を集めている企画提案型ODM(Original Design Manufacturing=企画段階から請け負い、製造・供給する生産)の基づき、原料・テキスタイルの開発から製品デザインまで、独創性あふれる企画を提案しています。
 ヤギのODM一例として、インドで展開する有機栽培綿(オーガニック綿)を使った服飾製品「アシャオーガニック」です。一方で、「TATRAS」に代表されるブランドビジネスにも注力しています。ヤギは2014年に「TATRAS」を運営するリープスアンドバウンズ(東京)の全株式を取得し、子会社化しています。

ヤギの企業理念

ヤギの社是

「終始一誠意」

 この言葉は、120余年という長い歴史の中で、受け継がれてきました。創業者・八木與三郎が掲げ大切にした、“一貫して誠意をもって当たれ”という想い。ヤギの社員皆に共通する、大切にしていくべき仕事への信念です。

(引用:株式会社ヤギ公式ホームページ)

ヤギの事業ビジョン

 ヤギは繊維専門商社として、繊維ビジネスの発展に寄与してきました。長い歴史の中で、ヤギが常にに第一線で活躍し続られてきたのは、社是である「終始一誠意」を守り繊維専門商社としての強みを活かし、時代と社会の変化に敏感に対応してきたからです。

 ヤギはいち早く中国の生産力に注目し、繊維製品を作るネットワークを築いてきました。現在では、中国に加え、東南アジア諸国で海外生産機能を充実させています。ヤギは衣料分野のみならず非衣料分野・資材分野でもそのネットワークを駆使して、日本市場だけでなく欧米や中国市場への拡大を図り、国内外の取引先のニーズに応え続けています。ヤギはこれまでの自社の機能を高め、新しいビジネスモデルへ挑戦しています。

 ヤギは、これからも「終始一誠意」を規範として、繊維という商品に軸を置いて、新しい価値の創造とグローバルな挑戦を行い、人々の生活によろこびを与え豊かな社会に貢献していきます。

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