※本ページ内の情報は2024年1月時点のものです。

2017年4月に創業し、東京とフィリピン・セブ島に本社を置く株式会社ストロングジャパンホール ディングス。留学エージェント事業からスタートし、海外での不動産事業やコールセンター事業でも成長し続けているベンチャー企業だ。代表取締役 グループCEOの寺本雄平氏に、事業の特徴や設立の経緯、今後の展開を聞いた。

グローバルを基本とした多彩な事業

ーー貴社の事業内容について教えてください。

寺本雄平:
“セブ島の総合商社”として、数多くの事業を展開していますが、事業の柱となるのはフィリピンのセブ島に本社を置く学校法人の運営です。

「0円留学」を事業の柱として、教育事業に関連する様々な事業を展開しています。

当社の企業ミッションである、【日本人が海外に出る際のハードルを最大限0に近付ける】ことに本気で取り組み、世界中に0円で留学ができる、学校法人の設立を本気で目指しています。

教育事業としては、主にアジア圏の方々に対して日本語教育を提供し、日本での就労支援も行っています。

さらに、世界256都市の語学学校と提携し、英語を始めとした語学を学びたい世界中の方々に、留学先や学校を紹介する留学エージェント事業も順調です。

直近では、教育事業の一環として、セブ島で唯一の日本人経営の託児所(※1)をオープンし、運営を開始しています。
(※1)C-CHILD CARE公式HP

創業期から着実に顧客数を伸ばしているオンライン英会話サービス事業も合わせて、当社で頑張るメンバー達の業務は本当に多岐にわたっています。

また、海外不動産事業(※2)として、コンドミニアムをはじめとする不動産の賃貸や売買の仲介、自社での不動産投資や物件管理も、右肩上がりで事業規模の拡大ができています。
(※2)セブ島のコンドミニアム探し 不動産投資のFor rent 公式HP

他にも、BPO・コールセンター事業では、大中小企業問わず多くの会社様の業務のアウトソーシング先として機能していて、フィリピン セブ島に2拠点のほか、福岡・宮崎・沖縄の計5拠点を運営。カスタマーサポートやインサイドセールス、SNSや広告の運用、大手求人媒体向けのライティング業務、翻訳・通訳業務、システム開発などを主に行っています。

ーー人材事業にも注力されているとお聞きしました。

寺本雄平:
海外での勤務経験がある方や、語学スキルの高い方々を中心とした人材紹介サービスに加えて、世界中の求人情報を掲載する『グローバル転職ナビ』(※3)という求人サイトも運営しています。
(※3)グローバル転職ナビ公式HP

その他、新たに始めたブロイラー事業では、宮崎県都城市で養鶏場の運営をしています。

ブロイラー事業単体による地域創生は勿論のこと、今後は不登校や引きこもりだった方々にとっての、命と触れる体験の場、世界へ羽ばたくファーストステップになればとも考えています。

行動あるのみの起業家精神――ビジネスチャンスを探す旅

ーーご経歴や起業のきっかけをお話しいただけますか。

寺本雄平:
高校卒業までは仙台で青春時代を過ごし、大学進学を機に上京しました。大学在学中に中学校と高校の教員免許を取得したものの、卒業後は不動産ディベロッパーに就職しました。商社や外資系金融企業にも転職しましたが、漠然と「起業したい」といった思いがあったのです。

サラリーマン時代にはビジネスのアイデアが全く思いつかず、「海外に出ることで何か新たな発見があるのではないか」と海外の求人をチェックし始めました。

欧米圏での生活に憧れたものの、当時、英語が話せない日本人の需要は一切ありませんでした。そこで目に留まったのが、日本企業による語学力不問のセブ島勤務の求人でした。

「とりあえず海外に出てしまえば、英語なんて簡単に話せるようになるだろう」と思い、渡航を即決しました。

しかしながら、入社から数週間後には、その転職先がセブ島から撤退を決定。日本拠点に転勤をすることは当時の私の選択肢に無く、そのまま退職したのです。

その後、縁があって、日系の語学学校にセールス・マーケティングスタッフとして転職することになりました。

ーー転職先ではどのようなお仕事をされたのでしょうか?

寺本雄平:
セールス・マーケティングスタッフとして、セブ島留学を検討される日本人の方々の集客や、留学カウンセリングによる留学の提案が主な業務でした。

教育関係のお仕事にはもともと興味があったのですが、「留学は人生を変えられるもの」だと、本格的に“教育事業”の面白さを実感したのです。

未経験の職種ではあったものの、仕事に対するやりがいや楽しさ、そして海外勤務という刺激的な日々を送り、全力で仕事に取り組んだことにより、早いタイミングでマネージャー職へと昇格することができました。

そんな中で社内ベンチャーのような形で、自分たちの学校にニーズが合致しない方々を、セブ島の他の学校へと紹介をする、留学エージェント事業の立ち上げに携わることになりました。

今まさに、当社が行っている事業につながってきますね。

留学業界の課題を打破したビジネスモデル

ーー創業時のご苦労や印象的なエピソードはありますか。

寺本雄平:
正直なところ、創業時の苦労というものはほとんどなく、むしろ日本で起業をするよりもライバルが少ないため、挑戦がし易かったのではと思っています。

勿論、コロナ禍による渡航制限では大打撃を受けました。2年半ほど、事業の柱である留学関連の売上はゼロどころか、毎月大きな赤字を発生させ続けました。しかし、自分たちの学校は絶対に廃校させない、という強い意志があったため、キャンパスの家賃や在籍する先生達の給与を、何とか捻出をするほかありませんでした。

コロナ禍においては、立ち上げ直後のセブ島コールセンターがあったため、何とか生き残ることができました。

多くの語学学校がセブ島から撤退していく中で、『職を失ってしまったが、日本には帰国せずセブ島に残りたい』という方々が数多く、当社に入社してくれたのです。

創業当時は350校ほどあったセブ島の語学学校は、今では約30校程度です。すでに飽和状態だった業界に新規参入し、コロナ禍を生き残れたことは大きな自信につながりました。

ーー競合が多い中で貴社の強みとなった点をお教えください。

寺本雄平:
“セブ島の総合商社”として総合力で勝負できる点だと考えています。

セブ島で学校運営をしている会社、人材紹介をしている会社、不動産事業を行う会社、コールセンター運営をしている会社、このような会社はもちろん、日系に限らず多数存在しています。

当グループはそれらを全て自社完結で運営しており、事業部ごとの横の連携を強化することで、お客様のトータルサポートができます。

セブ島に留学 or 転職 or 移住を検討した段階から、実際にセブ島での生活を行い、次の国もしくは日本へと進んでいくところまで、全てをサポートすることができるのです。

また「0円留学」という、英語学習と海外勤務を同時に経験ができるプログラムを提供できていることも大きな強みの一つです。

経済成長し続ける諸外国の物価高騰や円安により、熱い気持ちはあるものの、金銭面がネックとなり、留学を諦めようとしていた、“志の高い大学生”の方々に大いに支持をいただいている留学プランとなります。

企業のミッション――0円留学をより多くの人と国へ

ーー今後の事業展開についてお聞かせください。

寺本雄平:
当社には社内ベンチャーを活性化させる「独立支援制度」があり、多くの事業が私以外のアイデアによって立ち上げられました。

直近では、セブ島で飲食店の立ち上げプロジェクトが動き出しています。

今後も日本そしてセブ島において様々な事業を立ち上げ続けますが、2025年にはマルタ共和国への進出を視野に入れています。

マルタ共和国では、セブ島で展開をしている様々な成功モデルをそのまま舞台を変えて挑戦できるため、まったく難しくないと考えています。

セブ島、マルタ共和国、そしてジョージア、セルビア、インド……と世界中で「0円留学」を実現させることが当社のミッションであり、目標です。

編集後記

寺本社長は「セブ島でやりたいビジネスはほぼコンプリートしつつある」と語りつつ、「数年後の夢をいつでも明確に語れることが重要だ」と言う。

「いつか海外に行きたい」「いつか起業したい」と考える人たちの夢を、明日にでも実現できる環境がそろっているストロングジャパンホールディングス。

今後のさらなるグローバル展開に注目していきたい。

寺本雄平(てらもと・ゆうへい)/大学卒業後、国内で不動産ディベロッパー、総合商社、外資系金融で勤務。フィリピン・セブ島へ渡り、日系英語学校へ転職。留学カウンセリング業務や現場マネジメントに従事。社内で留学エージェント事業を立ち上げ、語学留学の斡旋業務にも携わる。2017年にCebu Study(現:留学比較Style)を設立。2019年3月、株式会社ストロングジャパンホールディングスを設立。