※本ページ内の情報は2024年2月時点のものです。

ペットの存在は人々に癒しと安らぎ、そして健康効果をもたらしてくれる。そんなペットの世界をより良くすることを、使命として掲げているのがマース ジャパン リミテッドだ。

全従業員が同じ志を持って働き、ペットケア業界を牽引しているマース ジャパン リミテッドの社長である後藤真一氏に考え方や同社の強み、ペットの健康問題や飼い主の悩みについてどのように対応していくかについてうかがった。

仕事の面白さに気がついた

ーー社長に就任するまでの経緯を教えてください。

後藤真一:
大学では経営学を学び、卒業後はシャープ株式会社へ入社しました。熱心に働いていたのですが、会社が大きすぎて自分の介在価値を感じづらかったこと、思い描いていた仕事内容ではなかったことが理由で、2年ほどで退職しました。経営を学び直したいという思いから、アメリカの大学へ入学してMBAを取得し、その後、ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社へ入社してブランドマーケティングを担いました。

自分が携わっているブランドのあらゆる動きが見えるマーケティングという仕事に、非常に面白みを感じ、マーケティングを極めたいと思い、日本コカ・コーラ株式会社やシック・ジャパン株式会社など数社で経験を積みました。そして、マース ジャパン リミテッドの社長就任の話をいただき、引き受けた次第です。

ーー人生のターニングポイントがあれば教えてください。

後藤真一:
留学後、ジョンソン・エンド・ジョンソンに入社したことが人生のターニングポイントでした。若くてもブランドマネージャーを任せていただき、そこでの業務が非常に勉強になりました。

ーーブランドマネージャーとゼネラルマネージャーの仕事の魅力を教えてください。

後藤真一:
ブランドマネージャーは、調査・商談などで携わっているブランドのありとあらゆる側面が見える仕事だと思います。「ブランド全ての形が見える」というところが面白くて、魅力に感じていました。

一方、ゼネラルマネージャーは、ブランドを通して社内外の全てをみつめて、日々何かを選択して決定する仕事だと思っています。人事・ファイナンス・研究開発など幅広い範囲を判断する、この過程が私の性格に合い、面白みを感じました。

全従業員が同じ目的を持って働くことの大切さ

ーー貴社の事業内容を教えてください。

後藤真一:
グローバルでは、ペットケア事業、スナック事業(お菓子)、食品事業の3つの事業を展開しています。ペットケア事業では、主に3つの部門があり、1つ目がペットニュートリションというものです。「ニュートリション」とは「栄養」という意味で、一般店や量販店、ペット専門店向けにペットフードの販売をしています。2つ目が「ロイヤルカナン」という部門で、病院向けの療法食などを扱っています。3つ目は動物病院の経営です。ペットと飼い主の人生に奉仕していこうというビジョンのもと、動物病院の経営に携わっています。

日本では、ペットケア事業とスナック事業(お菓子)の製品を展開していまして、マース ジャパンでは、カルカン®やシーバ®、シーザー®、ニュートロ™、グリニーズ™といったペットフードブランドや、スニッカーズ®やM&M’S®のチョコレート製品や、BE-KIND™というナッツバーを販売しています。

ーー貴社の強みを教えてください。

後藤真一:
ペットの中でも特に猫は食に対してこだわりがあって、「同じフードなのに急に飽きて食べてくれない」などの悩みを抱える飼い主さんも多くいらっしゃいます。そこで、そのようなペットたちにも受け入れられるように、嗜好性の高いフードをつくっていることが強みの1つです。さらに、ただ単に食べてくれればそれでいいというわけではなく、栄養バランスもしっかり考えられています。

高齢化に伴う健康意識という課題がペットの世界にも反映されるので、他社にはないような健康を意識したフードをつくって、差別化を図っていかなければならないと思っています。そのようなことができるのは、弊社にしっかりとした使命があるからです。

ペットの存在は人間の生活や人生をより良くしてくれると思っています。そんなペットの世界をより良くしようという使命を全従業員が理解し、そのために働いていることが売り上げにつながっているのだと思います。

自発的な行動が会社を動かす

ーー今後の展望を教えてください。

後藤真一:
まず、グローバル全体でデジタル化をさらに推進していく予定です。デジタル化によって、作業の効率化や働き方を変えたりすることに繋がるだけではなく、デジタルによってペットの飼い主の方々とさらにつながることができるので、より一層ペットフードブランドを進化させることができます。これは例えば、インターネットを使って、ペットに関する情報を調べる際に、その情報が1箇所にまとまっておらず、不便に感じている方も多いと思います。ペットの飼い主とつながって、その方たちに必要なフードや病院・旅行の情報など個人のニーズに合うものを提供する企業になりたいと考えています。

2つ目は新商品と新技術の開発です。ペットの健康志向が高まる日本において、従来のドライフード・ウエットフードとは違った形のフードを開発し、日本だけでなく海外へも発信していきたいと思っています。

ーー貴社で活躍しているのはどのような方ですか。

後藤真一:
現在、日本は変化の激しい時代にあります。たとえば、新型コロナウイルス感染症の蔓延は、50年か100年に1回といわれるほどの特異な事象で、また現在の経済状況を見てみると、30年間見られなかったほどのインフレが進んでいます。企業においてこのような変化にいち早く気がつくことができるのは、社員の中でもお客様や協力業者とやりとりする立場にいる人です。

そのような方が自分で判断して自発的に動くことが、時代の変化に対応するために必要なことなのです。弊社では、自分で判断し、自発的に行動できる人が活躍しております。

ーー貴社が求める人物像を教えてください。

後藤真一:
弊社の使命や「品質・責任・互恵・効率・自由」というマースの五原則に共感し、それらを魅力的だと思える人です。

また、私たちは雇用主と従業員のような上下の関係ではなく、マースで働く人誰もが同じ「アソシエイト」として尊重され、目標を共にする仲間として交流しています。このアソシエイトコンセプトを理解して体現される方を求めています。

編集後記

ペットにとってより良い世界の実現のために尽力するマース ジャパン リミテッドの後藤社長。これまでに与えられた使命を確実に果たしてきた力量を、これからも発揮していくに違いない。

全従業員が同じ目的に向かって進むマース ジャパン リミテッドに今後も期待したい。

後藤真一(ごとう・しんいち)/シャープ株式会社の営業部からキャリアを始め、ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社でグルーミングや嗜好品、化粧品など多岐にわたる製品のマーケティングのリーダーとして手腕を発揮。シック・ジャパン株式会社では18年の在職中に日本やアジア地域のマーケティング部門長や代表取締役社長など要職を歴任。2020年8月にマース ジャパン リミテッドの社長に就任。愛犬家であり、「ペットのためのより良い世界」の実現に強い意欲を示す。