※本ページ内の情報は2024年2月時点のものです。

日々の業務における無駄な作業を省き、収益改善を支援する自社ソフトウェアの販売と開発を行っているのが、株式会社システムインテグレータだ。

同社は日本で初となるECサイト構築パッケージ「SI Web Shopping」をリリースした会社で、業務を一元管理するERPやデータベース開発支援ツール、プロジェクト管理ツール、AI開発などを提供している。

わずか3名で起業してから東証一部上場(現東証スタンダード)企業にまで成長し、埼玉にある本社や東京営業所の他、大阪と福岡に支社を構えている。

高い技術力を強みとし、ソフトウェアの自社開発にこだわる、代表取締役社長CEOの引屋敷智氏の思いを聞いた。

創業メンバーに誘われ入社し、事業拡大に貢献

ーー今の会社に入社された経緯についてお聞かせいただけますか。

引屋敷智:
弊社の創業メンバーである会長の梅田と専務の碓井は、前々職の住商情報システム株式会社(現SCSK株式会社)のときの上司と先輩なんです。

私が転職しようとしたときに誘ってもらったこともありましたが、工場や物流の勉強がしたく、海外で働いてみたいという願望があったため、シンガポールの会社に現地採用され入社しました。

それから2年ほど経って再度連絡をもらったときには、海外で一通りの経験をしたので、声をかけてくれた2人の元で働こうと思い、誘われるまま入社を決めました。

その頃システムインテグレータは、まだ社員十数名の小さな会社で、梅田が企画を担当し、碓井が開発をしていました。営業の役員に欠員が出たタイミングで私が帰国することになって、営業として入り今に至ります。

ーー会社の創成期からこれまでの間、特に苦労されたエピソードをお話しいただけますか。

引屋敷智:
上場を目指していた1年間は、営業のトップとして売上目標を達成するため数字に追われていたので、その時期はとてもつらかったですね。

もうひとつ特に苦労したのは、10年ほど前に通常当社ではやらないオーダーメイドの受託開発プロジェクトでトラブルが起き、10億円近い赤字を計上したときです。

創業時から貯めてきた資金の大半を使い切ってしまい、初めて金融機関から借入をしました。それからはお客様の期待を裏切らないよう信頼回復に努めつつ、損失分を埋め合わせるために奔走しましたが、とにかくプレッシャーが大きかったですね。

ーー苦しい時期を乗り越えて努力が報われたと感じた出来事などはありましたか。

引屋敷智:
EコマースやERPのような社内基幹業務システムは、取引金額が数億円になることもあり、会社の信用が問われます。

未上場の頃は「取引金額より貴社の資本金の方が少ない」「間に別の会社に入ってほしい」などと言われて断られることも多く、苦い思いもしました。

しかし、実績を積んで会社のブランド価値が上がったことで、胸を張って「私たちに仕事を任せてください」と言えるようになりました。また、大規模な事業転換など、今までできなかったことができるようになり、これまで努力してきた甲斐があったなと思いましたね。

自社開発を実現する高い技術力は、社員の努力のたまもの

ーー貴社の特徴や強みについてお聞かせいただけますか。

引屋敷智:
弊社は基本的に社員の常駐派遣を行わず、自社でつくったパッケージに付随する開発や導入作業を請け負うようにしています。

これは、先ほどお話しした赤字計上の原因になったトラブルが関係しています。そのときは先方の意向だけでオーダーメイドの開発を行ったのですが、唯一その案件だけが失敗してしまいました。

この教訓を活かし、現在はすべて自社製品に関連したパッケージベースの開発を行うことに専念しています。

ーー開発力を高めるために工夫されていることはありますか。

引屋敷智:
IT技術は日々進化しているので、各々がスキルを磨き続けることが不可欠だと考えています。そこで弊社ではエンジニアの技術力を高めるため、互いのスキルを競い合うプログラミングコンテストを社内外で実施しています。

また、アイデアを生み出す発想力を養うために、社員がつくったツールを買いとり、実際に製品として販売する制度も設けています。その他にも、社員から毎月新事業のアイデアを募っていて、実際に事業化したものもありますね。

こうした教育制度の成果もあり、社員が自発的に企画して勉強会を開くなど、日々勉強してスキルの向上を目指す風土ができつつあります。

このように弊社は、入社後も自らのスキルアップを続ける真面目な社員たちに支えられているなと、常々感じています。

ーー貴社では労働環境の整備に力を入れているとお見受けしました。

引屋敷智:
弊社は1日の就業時間を7時間40分までとし、労働時間を短縮しています。また、遠隔地勤務制度を導入しているので、鹿児島など遠方で暮らしながら仕事をしている社員もいます。

産休・育休からの復帰率も高く、男性社員が育休を取得することも増えてきていますね。

システムインテグレータが求める人物像、読者へのメッセージ

ーー採用面接ではどのようなところに着目されているのでしょうか。

引屋敷智:
弊社では常に問題意識を持ち、あらゆることに好奇心を持って取り組める方を求めています。

新卒採用とキャリア採用で見ているポイントは異なり、学生の場合は勉強以外にさまざまなことに取り組んでいるか、多方面にアンテナを張っている方かどうかを見ています。

キャリア採用の場合、自分らしさを理解できている方を採用したいと思っています。入社後にどのように強みを活かして活躍していきたいか、明言できる方に入ってもらいたいですね。

ーー今後の貴社の目標についてお教えください。

引屋敷智:
これからも社内メンバーで開発を行う体制を維持したいと思っており、そのために新入社員を一人前のエンジニアに育てるまでの期間をいかに短縮するかが今の課題です。

また、社員がもっと上流のポジションで働けるよう、多くの方々に必要とされる製品やソリューションを生み出し、楽に稼げる環境をつくり出したいと思っています。

ーー最後にこれから就職活動をする学生さんたちに向けてメッセージをお願いします。

引屋敷智:
世間ではIT企業への注目が集まっていますが、ITで何ができるのかよくわからないという方も多いと思います。そういった方は、まず身の回りにあるIT技術が使われているものを観察し「どうやって動いてるのだろう」と考えてみてください。

ITスキルや知識の有無にかかわらず、好奇心旺盛な方に仲間になってほしいと思っています。楽しみながら一緒に働きましょう。

編集後記

株式上場や、10億円の損失から経営の立て直しを図るなど、創業期から会社を支えてきた引屋敷社長。会社のトップになった今は社員の向上心を高め、より良い環境で仕事ができるよう、マネジメントに注力している姿がうかがえる。システムの自社開発にこだわり、さらなる技術力の向上に励む株式会社システムインテグレータは、今後も幅広い業界をITの力でサポートしていくだろう。

引屋敷智(ひきやしき・さとし)/1965年11月15日生まれ。青山学院大学卒。住商情報システム株式会社(現SCSK株式会社)やシンガポールのSumitronics Asia Holding Pte Ltdでコンサルタントを経験した後、2022年3月に株式会社システムインテグレータ代表取締役社長CEO就任。