※本ページ内の情報は2024年2月時点のものです。

共働きが主流となった現代で、子育てをする上で必要不可欠な保育園。

その保育園の運営をはじめ、子育て支援住宅や子育て支援カフェなどさまざまなサービスで親御さんを支えるのが、株式会社さくらさくプラスだ。

今回は代表取締役社長の西尾義隆氏に、起業するまでの経緯や苦労したエピソード、事業の特徴や強み、今後の展望などについて、話をうかがった。

起業のきっかけは同僚の声

ーー起業するまでの経緯を教えてください。

西尾義隆:
大学卒業後は不動産会社に入社し働いていたのですが、リーマン・ショックが起こり、その影響を大きく受けてしまいました。リストラにより会社規模も縮小され、やりたいことができない環境になったため、今後のキャリアや人生について考えるようになりました。

その頃、周りの女性社員から「保育園に子どもを預けられないことが原因で仕事復帰できなくて困っている」という話を聞き、保育園の必要性の大きさを認識しました。

そこで、保育園を増やし、職場復帰して活躍できる人を増やすことは価値があり、社会貢献にもつながるのではないかと考え、起業を決意したのです。

ーー起業してから苦労されたエピソードがあれば教えてください。

西尾義隆:
創業当初はお金がなく、資金集めに苦労しました。

前職は不動産という畑違いの仕事をしていたため、金融機関からもお金を借りにくい状況でしたが、いろいろな方からご支援をいただいて事業を組み立てることができ、今では上場するまでに成長することができました。

私は、そのことにとても感謝しており、「株主の方に何かしらの形で還元できる方法を考えていかなければならない」と思っています。

ーー貴社が軌道に乗るターニングポイントとなった出来事を教えてください。

西尾義隆:
東京の月島に保育園をつくったことです。月島は人口密度が非常に高く、空き地がないエリア。そこで「古い家を売却し、保育園をつくろう」と役所に協議をしました。

東京の中でも特に保育園をつくるのが難しいエリアでしたが、不動産会社での経験や知見を活かし、2011年に月島に保育園をつくることができました。

子どもも従業員も安心できる保育園

ーー貴社の保育園の特徴を教えてください。

西尾義隆:
「子どもたちが安心安全に暮らせるおうちのようなほいくえん」というコンセプトを持ち、展開しています。また働く従業員にとっても、安心して働ける環境をつくろうと心がけています。

たとえば、弊社の保育園は駅近であることが大きな特徴です。保育園はシフト制勤務で、不規則な生活になりがちなので、その中で通勤しやすい場所はメリットだと思っています。

ーー他の施設と差別化されている点を教えてください。

西尾義隆:
弊社の保育園は、国が定めた基準を満たした認可保育園という形で展開しています。

その中で施設づくりをしていますが、もともとある建物の中に保育園を入れるのではなく、土地から仕上げていくことを前提に開設を進めているため、保育園に特化した施設づくりができていると思います。

個性を大切にする会社

ーー貴社の人材育成における強みを教えてください。

西尾義隆:
弊社は他社よりも保育の研修を行っている会社だと思っています。

保育のいろいろなテーマについて取り組んだり、マインドやストレスとの向き合い方、人との関わり方を学んだりして、仕事を行う上で役に立つ研修内容となっています。

保育士の質を高めることや考える力を身につけることにもつながるので、このような学びの機会は今後も増やしていきたいと思っています。

ーー貴社ではどのような社員が働いていますか?

西尾義隆:
子どもが好きであることはもちろんですが、個性を大切にしている社員が多いと思います。会社としても個性を大切にする文化があり、最近では保育士の髪色の規定を撤廃しました。多様性を認め合う環境づくりを対外的にも発表しました。

業界的にもこのような取り組みをしている企業は少ないので、そういった点で弊社に興味を持っていただくきっかけになればと思っています。

ゆくゆくは子育てから学習までサポートできる企業に

ーー今後は事業を通してどのような社会をつくっていきたいですか?

西尾義隆:
保育園の開設が一段落し、これからは、もっと子どもを産みやすく育てやすい環境づくりに力を注ぐ予定です。

現代は、子育てに対して社会が不寛容であり、そのサポートも十分充実しておりません。社会全体が子育てから疎遠になっているのでは、と感じています。

少子化という社会問題がある中で、弊社はそれに対してより積極的にサポートできる企業になる必要があります。

私たち大人は、将来的には今の子どもたちに助けてもらう立場ですから、少しでもその負担を軽減できるような事業を展開すべきだと思っています。

ーーそのために、具体的に取り組んでいることはありますか?

西尾義隆:
いくつかありますが、その中でも子育て支援住宅事業に力を入れています。開発用の土地を取得し、不動産ノウハウと保育園で培ったノウハウをかけ合わせ、子育てを支援する住宅事業に活かして取り組んでいます。

また、保護者に対して子育てに関する正確な情報を伝えるICT事業や、子育て支援カフェの運営にも力を注いでいます。

子育て支援カフェでは、親御さんが安心して休めて、子どもとの時間をゆっくり過ごせる環境を提供しています。

将来的には、子ども・子育て支援の幅を広げ、ご家庭をサポートできるような事業を展開していくことを目標にしています。

働きやすい環境で主体的に仕事をしたい方は是非弊社へ

ーー最後に、読者のみなさまへPRをお願いいたします。

西尾義隆:
弊社は主体性を大切にしている会社です。大切なお子様をお預かりする仕事であるため、皆が子どもを伸ばしていこうとする姿勢で保育事業を進めており、守らなければならないルールの中でどのように取り組んでいくかを考えながら仕事をしています。

この点に共感していただける方は、弊社がとてもマッチしていると思います。

また、働きやすい労働環境づくりにも取り組んでいます。たとえば、残業代は1分単位で支給され、有休休暇も1時間単位で取得できます。そのため、社員も子育てをしながら仕事がしやすい環境が整っていると思います。

編集後記

不動産業界での経験と知見を活かし、子育てに悩む方々に寄り添い続けてきた西尾社長。

今後は保育園だけでなく、子育て支援住宅や子育て支援カフェ、ICTなど事業の幅を広げようと取り組んでいる。

さらなる努力と挑戦を続ける株式会社さくらさくプラスに今後も注目したい。

西尾義隆(にしお・よしたか)/1973年兵庫県神戸市生まれ。関西大学卒業後、不動産会社にてマンション事業者向けの土地媒介、企画などに従事。リーマン・ショックの際、同僚が保育所探しに苦戦している様子を目の当たりにし、自身の経験を保育所整備に役立てられると思い、2009年に株式会社ブロッサム(現:株式会社さくらさくみらい)を起業。同時に代表取締役社長に就任。2017年株式会社さくらさくプラスを設立し、代表取締役社長に就任するとともにブロッサムを子会社化。以来、「社会に必要な存在として、多くの人の幸せをサポートしていきたい」という思いで、事業に邁進している。