※本ページ内の情報は2024年5月時点のものです。

株式会社トリプルアイズは、AIソリューションとシステムインテグレーションの2つの事業を持つITベンチャー企業だ。先端技術の開発と社会実装に取り組み、顔認証や画像認識のAI開発案件で多くの実績を有している。

今回は代表取締役の山田雄一郎氏に、事業内容や強み、社長就任までの経緯、今後の展望、求める人物像などについて話をうかがった。

最先端のAI技術で開発した画像認識・顔認証サービス

ーー貴社の事業内容を教えてください。

山田雄一郎:
弊社はAIの社会実装を行っている会社です。囲碁AIの研究をもとに開発した画像認識プラットフォーム・AIZEを有し、画像認識サービスや顔認証プロダクトを提供しています。たとえばヤマダデンキと共同で開発した「ヤマダPay顔認証決済」は、全国700店舗に導入されている顔認証決済アプリです。

他にも、ヨークベニマルで導入している顔認証勤怠アプリや顔認証と組み合わせたアルコール検知システムも提供しています。

ーー貴社の事業の強みはなんでしょうか?

山田雄一郎:
弊社の強みは、大手企業に負けない、最先端のテクノロジーを用いた技術力と実装力です。それらを武器に、導入拠点ID数5000拠点以上、累計ユーザー数10万ID規模にまで広がるサービスへと成長させることができました。

公共制度改革に携わる中でテクノロジーの大切さに気づく

ーー前職の監査法人ではどのような仕事をしていましたか。

山田雄一郎:
入社した初期の頃は監査業務を担当していましたが、後半の9年間はコンサルティングの部門に携わりました。そこでは公共団体や省庁や自治体向けに、経営改革や制度改革などについてのアドバイザー業務に携わっていました。

ーーそこからIT・AIの業界に興味を持ったきっかけは何だったのでしょうか?

山田雄一郎:
DXが特に遅れている公共団体・自治体と経営に係る業務を行う中で、テクノロジーの分野の後進性に危機感を感じました。そしてテクノロジーの分野で自分の今までの経験を活かしたいと思い、この業界に興味を持ちました。

入社のきっかけは前社長との偶然の出会い

ーー貴社へ入社するまでの経緯を教えてください。

山田雄一郎:
旅先で偶然、トリプルアイズの前社長(当時社長)の福原と出会ったことがきっかけです。話をする中で事業内容に興味を持ち、次に会って飲んだ時に意気投合しました。

福原から「今のIT業界はゼネコン構造のようで、実力のあるエンジニアがなかなか活躍できない」という課題と、「エンジニアの地位を高めるための会社をつくりたい」という話を聞きました。その思いに共感し、一緒に働きたいと思ったため、入社することを決めました。

ーー福原さんが突然亡くなったことで社長に就任されましたが、不安はありましたか。

山田雄一郎:
私が入社したのはまさに上場準備のタイミングだったのですが、福原が亡くなる約2ヶ月前に福原に何かあったときの代行順位を決める必要があり、私が候補として決まりました。とはいえ、まさか亡くなるとは当然思ってもいなかったので、心の準備があったわけではなく、とにかく会社を存続させるという思いしかありませんでした。

ーー社長就任後に取り組んだことは何でしょうか。

山田雄一郎:
社内への情報発信を目的として「山田のつぶやきチャット」というチャットルームをつくったり、動画配信を行ったりしました。「会社の全員で一緒に頑張っていこう」という私の思いを知ってもらいたかったので、積極的に社内に発信する機会を増やしました。

IPOに関することも含めてできる限りの情報を社内でオープンにし、目標達成に向けての覚悟を示してきました。

失敗を恐れずに立ち向かっていくことで自信を持てるようになる

ーー今までの経験を振り返って、大事だと思うことはございますか。

山田雄一郎:
自信を持つことが、とても大事だと思います。自信は失敗と挫折を積み上げることで身につくものなので、失敗しても諦めずに立ち向かっていくことが大切だと感じています。成功するまでやり続ければ、それが自信になると信じています。

世界に名を轟かせるような会社に成長させたい

ーー今後の展望をお聞かせください。

山田雄一郎:
弊社はAIという分野の中で顔認証のプロダクトを提供してきましたが、現在では顔認証にとどまらず、さまざまなAI開発の案件が増えてきています。今後もAIの社会実装に、積極的に取り組んでいきたいと考えています。

しかし、弊社のように画像や動画のデータをAIで処理させるには、その膨大なデータを扱えるサーバーが必要になります。AIとデータ量の関係は、グローバルにおいても最大のテーマの一つです。

そこで、昨年GPUサーバーを提供・販売している株式会社ゼロフィールドがグループインしました。私はAIの技術面でのプロではありませんが、前職の知見を活かして、AIを広げていくためには何が必要かを考えることはできます。

今後はゼロフィールドと一緒に、近い未来で世界に名を轟かせるような会社にしていきたいと思います。

成長の波に乗りたいテクノロジー好き・誠実な人に入社してほしい

ーー貴社の採用方法について教えてください。

山田雄一郎:
弊社は職域団体対抗将棋大会を連覇するなど将棋日本一の会社なのですが、それを活かした「将棋採用」という採用手法をとっています。将棋が強い人は並外れた推論力や情報処理能力を持っているので、採用面接で弊社の将棋部員と対局してもらい、勝ったら最終面接に進むという取り組みもしています。

ーー貴社が求める人物像を教えてください。

山田雄一郎:
テクノロジーが好きで、誠実な方に入社してほしいですね。技術のレベルももちろん大事ですが、それ以上に根源となる「テクノロジーが好き」という思いは大切だと思っています。

また誠実な人は周りに良い影響を与えますし、その人自身も幸せになっていくと思うので、誠実さも重要なポイントです。

弊社は最新のテクノロジーに触れられますし、これからも成長を続けていくので、この波に一緒に乗りたいと思ってくれる方がいれば、ぜひ応募してください。

編集後記

前社長の急逝で突如社長になった山田氏。社長就任後は情報をオープンにして社員に発信するなど、アクションを起こした。これは「自信は失敗と挫折から生まれる」ということを経験から学んだからこその行動ではないだろうか。

「世界に名を轟かせる会社にする」という目標に向けて、株式会社トリプルアイズの成長はさらに加速していくだろう。

山田雄一郎/1982年生まれ。早稲田大学商学部卒業。2005年12月EY新日本監査法人入社。2011年3月監査国際部より異動し、成長戦略室等にて官民連携の経営改革・経営統合に係るコンサルティングを9年間実施(うち2012年から2017年は新日本パブリックアフェアーズ株式会社に出向)、多数のプロジェクトマネージャーを担当。2020年11月、株式会社トリプルアイズ取締役就任。2021年3月、同社代表取締役就任(現任)。