2014年に創業した株式会社ビタブリッドジャパン。同社はD2C(通販事業)で、個性ある健康・美容商品の開発と提供を通して「明日の可能性を広げる」ことにこだわり続けている。代表取締役として活躍している大塚博史氏に、事業内容や今後の展望についてうかがった
コンサルではなく自分で
ーー代表の経歴をお聞かせください。
大塚博史:
大学を卒業し、広告代理店に入社しました。当時は通販事業に取り組んでいましたね。通販事業では、費用対効果が見えにくいテレビCMとは異なり、施策の効果が明確に数字に表れます。そんなダイレクトマーケティングの利点を知ってからは、そこを専門として取り組むようになりました。
また、通販事業コンサルを続けていくうちに「えらそうにコンサルするのではなく、自分の事業で自分の責任と判断で行うべきだ」という意志になり、株式会社ベクトルとの良い出会いもありビタブリッドジャパンの立ち上げを行うことになりました。海外から「ビタブリッド」というビタミンCを特殊構造で守り、長時間肌に継続的に供給することを可能な技術を日本へ持ってきて、この技術をPRだけではなくビジネスとしても活かして事業展開しようということになったんです。
商品の“最大よりも最適”に、とことんこだわる理由
――ビタブリッドジャパンの商品は、どのようにして発展させ、人気商品となったのでしょうか。
大塚博史:
自分自身、通販事業を生業にしてきましたので、通販事業・D2Cだからこそ出来る見える化・効率化・資産化・自動化を実現することで、成長サイクルを回すことができました。また、商品の「誰かにとっての最適」な質にもこだわりました。
たとえばビタミンCは、高濃度よりも、「ずっとビタミンCが継続的に浸透することの方が重要」という点に着目しました。酸素も、たとえ濃度が高かったとしても、ずっと摂取できなければ生き物は死んでしまう。だからこそ、一定の量を長く保ったまま、必要な成分を得られ続けるという点を重視し、特殊技術を活かして便益独自性が明確な商品開発をしました。
ーー貴社の事業に関して、これまで大切にしてきた考えは何ですか。
大塚博史:
「明日の可能性を広げる」ことを大切にしています。事業の製品、サービスを提要し続けることで、自分はもちろん、家族や親友など、多くの人や社会の可能性が広がる、お客さまの「より便利」「より豊か」といったことへのお役に立てるよう、尽力しています。
また、製品サービスにおいて「最大」ではなく「最適」を目指すことを大切に考えています。どの事業も商品もナンバーワンを目指してしまいがちですが、様々な人に多様な個性があり、個性によっては一番売れているものが自分にとってベストなものとは限らない。一番売れるものをつくるよりも、「私にとってはこれが一番好き」と思われるような、「最適を目指す」製品づくりをしたほうが、多様性のある社会にとって自分たちの出来る価値が高まると思っています。
そして、そういうアイデアを生み出すのが好きですし、得意でもあると思います。そのような価値を提供していくうえでは、やはり通販事業が最も相性が良いと考えています。
また、従業員が自分の強みを活かせる環境づくりを大切にしてきました。その人が持っている専門性を、社会に活かせるような仕組みをつくりたいですね。当然利益が上がらないと大金の給料は出せないので、目標を事業PLに密接にかかわる地点でKPI化し、主観ではない実成果に基づいて大きい報酬を出せる仕組みにしています。
新しい価値を提供し、一人ひとりが持つ「可能性を広げたい」という想いに応えられる事業展開をしていきたい
ーー今後の展望について、どのように考えていますか。
大塚博史:
さらに商品の数を増やしていきたいと考えています。近年ではコロナ禍以降、新商品をあまり増やせませんでした。
多くのアイデアと新技術が既に進行しており、現在は商品を増やすための体制も整えているので、もっともっと多様な「可能性を広げる」製品・サービスを創造し、成長していきたいですね。
課題感としては、今は製品価値とお客様がつながっているのですが、会社のことをあまり知られていないため、今後は会社そのものも好きになっていただく、ファンになっていただけるようなコミュニケーション発信も増やしていきたいと考えております。
また、製造と消費だけではなく、製造と消費がまたその製品を生み出す源に還元される仕組み(たとえば魚のアラをアップサイクルし、製品化し、頂いた売上から、その魚が育つ海の美化やブルーカーボン育成に充てるようなサイクル)を熱を入れて取り組んでいますので、お客様と社会、私たち、そして大きくは地球にとっても良いサイクルに貢献できるよう、引き続き尽力してまいりたいと思っております。(サステナブルサイクルサプリメント®構想)
編集後記
商品開発・販売を通して、多くの顧客に商品価値を提供している株式会社ビタブリッドジャパン。商品の売上でトップを目指すのではなく、あくまでも「顧客にとって最適であること」に着目した、まさに顧客目線の開発・販売である。株式会社ビタブリッドジャパンの今後の発展からも、目が離せない。
大塚博史/1978年、埼玉県生まれ、早稲田大学卒業。広告会社にて主にDtoC事業での企画・販促企画・メディア、CRM企画に従事。2011年からは中国にてDtoC事業コンサルタントとして活動後、2014年に株式会社ビタブリッドジャパン参画、代表取締役に就任。2020年、紺綬褒章を受章。