※本ページ内の情報は2024年6月時点のものです。

医師、弁護士にならび三大難関資格と呼ばれる公認会計士。公認会計士試験合格者の半数以上を輩出する資格スクールを運営しているのが、CPAエクセレントパートナーズ株式会社である。

23年前に数名の仲間で創業してから、今日の圧倒的な実績にいたるまでの道のりと、今後のビジョンを代表取締役の国見健介氏が語った。

数名の仲間とのスタートから国内ナンバーワンになるまで

ーー創業のきっかけをお聞かせください。

国見健介:
起業のきっかけの1つは、大学時代に公認会計士試験の受験生向け教育のアルバイトをしていたことです。もともと「起業しよう」とは考えていませんでしたが、家業を継ぐ可能性があったので、親の勧めもあって大学時代に公認会計士試験に合格していたのです。

アルバイトを通じていろいろな方に接する中で、合格した方と不合格だった方の間に能力的に大きな差はないことに気が付きました。「たまたま正しい勉強法に気付けた」「勉強の仲間に恵まれた」「良い先生に出会えた」など、さまざまな要素が噛み合った結果として、彼らは合格を手に入れたのです。

この状況を前にして、「正しい勉強の仕方をすれば誰もが合格するだろう」と感じると同時に、「教育をしっかり行えば、さらに可能性が広がるはずだ」という思いが強くなり、大学を卒業して半年後にCPAエクセレントパートナーズを設立しました。

ーーたった数名の仲間での船出だったのですね。

国見健介:
はい、スクールの講義、営業、マーケティングといった全てを数名の仲間でやりました。営業手法やマーケティングについては基本的に本から学んだことを実践し、あとはトライアンドエラーを繰り返す日々を送っていました。

自分で工夫するしかないという状態に追い込まれていたおかげで、「最も効果的な取り組みは何か」という視点が研ぎ澄まされました。

今となっては、その経験が非常に役立っています。現在は社員に任せる業務であっても、自分自身も経験しているので具体的なイメージを持つことができます。

会計人材のインフラ企業を志して

ーー貴社のミッションを教えてください。

国見健介:
会計人材は現在200万人ほど存在しており、社会に対して今後2倍、3倍の価値を生み出します。

弊社の目指すところは、そんな会計分野の人材を支えるインフラ企業になることです。公認会計士の受験者だけでなく、合格した後も彼らが世の中に対して価値を提供できるように支援していきたいと思っています。

ーーそのようなミッションの実現に向けて、どのような事業に取り組んでいますか。

国見健介:
主たる事業は教育事業で、大きく2つに分けられます。

1つ目は、公認会計士試験のための資格スクール運営です。2023年の公認会計士試験では、全合格者1,544名のうち、786名が弊校の出身者です。直近3年間で弊校の合格者数は順調に増えて500名を超え、600名、そして合格者786名と順調に伸びてきています。今年は合格者の数として900名から1,000名を目標に掲げています。私たちは、このスクール事業を通じて公認会計士の輩出に取り組んでいます。

2つ目は、会計人材の生涯学習支援です。具体的には、3年ほど前からサービスを開始している「CPAラーニング」があります。簿記・会計がすべて無料で学べるe-Learningプラットフォームです。約1,000本の講義動画を無料で公開しており、会員数は45万人を超えています。

このサービスでは、簿記などの検定試験対策に高品質な講義を無料で提供しています。その他にも経理実務、IPO、M&Aなどさまざまな実践的な内容を盛り込んでいます。将来的には会計の専門家が必要とする専門知識を網羅し、「座学で学べるレベルのことは全てここで学べるよね」と会計の専門家やそれを志す人々に思ってもらえる状態を目指しています。

もう1点付け加えたいことがあります。それは、人との交流がとても大事だということです。人と人がつながることによって、新しいものが生まれます。今回取材を受けている弊社のラウンジも、そのための交流スペースです。

このスペースを利用して、さまざまな企業のCFO(最高財務責任者)が100名ほど、一堂に会するイベントなどを数多く実施しています。CFOは、社内ではなかなか同じ視点で相談できる人がいないため、CFO同士や経営者同士がつながることによって、そこからまた新しいビジネスが生まれる可能性を追求しています。

これら2つの教育事業の他にも、会計人材の転職支援や人材紹介サービスも手掛けています。

個々のサービスの質を向上させると同時に、さらに新しいサービスを加えていくつもりです。私たちの目標は、会計人材のすべてのニーズに応え生涯支援をすることです。そのために、日々努力を重ねており、将来的には会計人材のインフラ企業として、喜ばれるサービスを提供していくことを目指しています。

結果を出し続けるために必要なこと

ーー事業の拡大や、経営で結果を出すためには、何が重要でしょうか。

国見健介:
正しいマインドセットと、現在地と目的地を明確にすることです。新しいことにチャレンジすると失敗もありますが、それを乗り越えるためには考え方やマインドが鍵となります。ここがしっかりしていれば、どんな困難もゴールに向かう過程ととらえて前向きに取り組むことができます。

また、正しく努力するためには目的地に対して現在地を明確にする必要があります。また、継続するためには圧倒的な情熱が大切です。これらを踏まえれば自ずと結果はついてくるでしょう。

今後の成長のために必要なのは仲間

ーー貴社が求める人材とはどのような人でしょうか。

国見健介:
1つ目は、さまざまな環境を踏まえながら、常にその中で望ましい絵を思い描き、ブラッシュアップし続けられる人です。やはり目指すものが皆にとって魅力的でないと賛同を得ることはむずかしく、優秀な人材を集めることができません。

2つ目は、現時点における自分が描く絵、つまり理想を実現していく能力です。これは、絵を思い描くことよりも10倍、100倍、難易度が高い能力といっても過言ではないでしょう。「絵を思い描く力と、その絵=理想を実現する力の両方をどう磨き続けるか」ということが、経営のみならず何かしら目的を達成する際に必要な力なのです。

そのうえで、重要視するのは「良い人」かどうかです。貢献や利他の精神とはよく耳にしますが、最終的には、自己と他者の利益が一致する状態が理想的です。つまり、「他者に貢献することで自分が幸せに生きられる」ということです。

そのような考え方ができる人は、「良い人」の一言に集約されます。私たちは、そのようなカルチャーフィットをした人を重要視し、しっかりと採用していきたいですね。能力は後からいくらでも磨けるので、そこまで重要視していません。

自分が幸せに生きていくためにも「周りの人に貢献する」という考えや、向上心がある方を求めています。弊社では新卒から中途まで、全職種において積極的に採用しているので、「私こそピッタリだ」という方はぜひご応募ください。私たちは、皆さんの力を必要としています。

編集後記

国見氏は一貫して穏やかな口調でエピソードを披露してくれた。柔らかな振る舞いにあって、語られる言葉は実体験に根ざした迫力があった。

「目指す北極星(ミッション)が魅力的でなければ、人はついてこない」と話す国見氏が率いるCPAエクセレントパートナーズの歩みを今後も注目したい。

国見健介/1999年公認会計士論文式試験合格、2001年慶應義塾大学経済学部卒業。学び・キャリア・人材交流の総合支援で会計人材の可能性を広げるため、2001年にCPAエクセレントパートナーズ株式会社を設立し、代表取締役に就任。