※本ページ内の情報は2024年7月時点のものです。

顧客のマーケティングを支援する広告代理事業を手掛ける株式会社メタップスワン。とりわけ電子書籍・電子コミック業界では、随一の存在であり存在感は高まるばかりだ。変化スピードの早い業界かつ競合会社がひしめく状況の中、会社を率いて成果を出し続ける代表取締役社長の高木誠司氏に、経営にかける思いを聞いた。

電子コミックが好きで熱心な社員に囲まれている

ーー社長就任の経緯を教えてください。

高木誠司:
メタップス創業者の佐藤から声をかけられ、2016年に入社すると同時に、ビカム株式会社の代表取締役にも就任しました。弊社ではもともとオンラインマーケティング広告代理事業、データフィード事業、国際事業の3つをメインの事業としていました。現在は広告代理事業に注力し、具体的には電子コミック、電子書籍を扱うお客様に対して広告効果を高めることがミッションです。

ーー貴社の強みはどのような点ですか?

高木誠司:
弊社では、すべてのPDCAがデータに基づいています。お客様の求めるKPI(重要業績評価指標)パフォーマンスを上げ続けることに長けており、とりわけ、コミック・電子書籍に強い点を対外的に打ち出しています。一方で、数字だけではお客様の満足にはつながらないことも理解しているので、お客様のブランディング戦略に基づき、違う側面から価値を提案をしていくことも重要視しています。

ーー貴社が高い成果を上げ続ける理由は、働く社員の方々にあるのでしょうか?

高木誠司:
そうですね。コミックが好きで、マーケティングの能力をもったメンバーが揃っています。数字や論理的な部分に加え、地頭力・コミュニケーション能力を持った社員が日々活動しています。彼らは心底コミックが好きで、業務で関わるものに加えて普段から自主的にさまざまな作品を読んでいます。

「電子コミック好き、集まれ!」求人広告とリファラルを活用した人材採用の狙い

ーー採用に関して工夫していることを教えてください。

高木誠司:
求人募集に「電子コミック好き集まれ」というキャッチコピーを書いています。そうすれば、必ずコミックが好きな方々が惹かれて集まってきます。それを前提に、個々の問題解決能力やマーケティング能力を面接を通じて判断しています。

また、弊社はリファラル採用の実績も多く、社員からの紹介で縁があった社員は3割を超えています。類は友を呼ぶというように、既存社員からの紹介を通じて入社することが連鎖して良い循環になっていますね。社内環境の改善にも努めた結果、居心地の良さや、働きやすさにつながり、志望者にとって魅力的だと思われるような会社にすることができたと思っています。

ーー社員にとって居心地のよい環境をつくる秘訣は何でしょうか?

高木誠司:
一番は働きやすさだと思います。コロナ禍が落ち着き、出社回帰の会社が増える中、弊社は働く場所は自由です。パフォーマンスさえ出していれば、自由に働いてくれて構いません。いわば「大人の会社」です。それが、社員が居心地の良さや働きやすさを感じる要因になっているのではないでしょうか。自分のやりたいことができ、メンバー同士のコミュニケーションにも障壁はありません。

ノウハウも豊富なため、わからないことはすぐに質問して解決することができます。他社と比べて自由な働き方の素地はある程度整えることができました。

今後チャレンジしていきたいのは、よりフレキシブルな働き方です。たとえば営業担当ですらお客様から離れた沖縄などにいても業務が成立する会社にしたいと思ってます。リモート時代だからこその取り組みだと思います。

また、弊社では兼業・副業大歓迎です。会社は個人のビジョンを叶えるための人生の一部分と捉え、機会があれば独立しても構わないと思っています。1つの会社にとらわれず、自由な働き方を求めながらも確実に成果を上げられるような仕組みづくりを目指していきます。

目指すは電子書籍業界のナンバーワン

ーー事業を継続させるうえで、今後どういった取り組みを考えていますか。

高木誠司:
お客様に対してパフォーマンスを上げ続ける。ここに弊社の価値があると思っています。時代は刻々と変化しているので、その変化に適応できる人材を揃えていきます。まずは既存のお客様に対して期待以上のパフォーマンスを上げてご満足いただくことに注力していきます。

弊社の市場シェアはまだ拡大できると思っています。まずはコミック市場での地位を築きつつ、他の業界でも同様に1業界ずつランチェスターのように集中して橋頭堡(きょうとうほ)を築いていくつもりです。一つひとつの仕事に対して真摯に向き合いパフォーマンスを上げていけば、紹介を通じて顧客が広がっていきます。

営業力というよりは、広告パフォーマンスを高められるプロフェッショナル集団だという評判を高めることで選ばれる会社であり続けたいです。さらに、お客様と対峙するメンバーとの人間関係の気持ちよさや、コミュニケーションの心地よさで社員が評価されて選ばれるような会社が望ましい状態です。

そのための課題はお客様と対峙するアカウントパートナー部門の強化です。結局は社員を育てていくしかありません。パフォーマンスを高めれば、お客様からの紹介につながりますし、メディアにも取り上げられます。

パフォーマンスを上げて、お客様の成果に貢献することが自社の業績を上げるための一番の近道になります。主体性をもったアカウントパートナー部門を育成することが今後の課題と捉えています。

ーー最後に、今後の展望をお聞かせください。

高木誠司:
電子書籍事業を業界ナンバーワンに成長させていきたいと思っています。何においてのナンバーワンかといえば、お客様の広告パフォーマンスをもっとも高めることができるという意味でのナンバーワンです。

その上で、お客様のマーケティング課題に寄り添ってお客様に信頼を得られる存在でありたいです。そして、別の業界で同じようにナンバーワンを目指して成長し、新しいマーケティング事業の展開も模索したいですね。

編集後記

データを緻密に用いながらも、営業社員が誠実にクライアントに相対することによる信頼の積み重ねの重要性を高木社長は力説していた。両輪の経営が今後どのような展開を見せてくれるのか、楽しみにしながらメタップスワンの行く末を見守りたい。

高木誠司/1976年、岐阜県生まれ、慶應義塾大学経済学部卒業。野村證券株式会社に勤務後、モバイル広告代理店を共同創業。2016年、ビカム株式会社(現株式会社メタップスワン)代表取締役に就任。株式会社メタップス常務執行役員を経て、2019年に商号変更および新体制に移行した株式会社メタップスワンの代表取締役に就任。⽶国公認会計⼠試験合格者。宅地建物取引士。