※本ページ内の情報は2024年7月時点のものです。

経営者と社員の両方がWin-Winな関係になれる秘訣とは何だろうか?「条件」を考えると、経営者と社員の答えは異なるかもしれないが、さらに根源的な部分を探れば両者に共通することが出てくる。人材のミスマッチをなくすためのサービスに力を入れる株式会社プレシャスパートナーズの代表取締役社長CEOである髙﨑誠司氏は、「理念への共感」こそがカギになるという。

なぜ「理念への共感」が大事なのか。会社と社員が深いところで繋がることで得られるメリットとは何なのか。日本における採用のあり方を進歩させようと努力する髙﨑社長に、その真意をうかがった。

人材業界での経験から、さらなる可能性を求めて起業へ

ーー髙﨑社長の経歴をお聞かせください。

髙﨑誠司:
私はもともと、30歳までに独立したいと思っていました。しかし、大学卒業直後はまず社会経験を積む必要があると考え、不動産会社の営業職に就きました。

その後、一生の大半を占める「仕事」を通じて、人々の人生に寄り添えないかと思い、人材業界へ転身。2004年にディップ株式会社に入社しました。

ディップではアルバイト領域の顧客開拓に取り組みましたが、最初は思うように成績があがらず苦しみました。しかし代理店事業部に異動をして試行錯誤を繰り返し、顧客との向き合い方を改善しながら業績を伸ばし、一つのチームを事業部まで成長させることに成功しました。

そして2008年、ディップでの経験を活かして人材の分野でプレシャスパートナーズを起業。今に至ります。

ーー会社員時代に苦労したエピソードはありますか?

髙﨑誠司:
ディップで営業職として働いていたとき、自分の他責思考が原因で思うような結果が出なかったことです。

当時の私は、結果が出ないことを商材や環境などのせいにしていました。しかし、周りを見ると、同じ環境でもしっかり結果を出している人たちがいました。

私はこの差の原因を考え、その大元に自分の他責思考があると気づきました。環境のせいにして努力を怠った結果、顧客の課題に寄り添えておらず、さらには必要な知識の習得もできていなかったのです。

それから私は勉強量と行動量を大きく増やしました。その結果、顧客への提案が改善し、部署における顧客の約80%を自分が獲得するまでになりました。このエピソードは、顧客に寄り添う本当の意味に触れられた、自分の転換点とも言えるでしょう。

社長就活事業と採用コンサルティング事業で精度の高いマッチングを目指す

ーー貴社の事業内容を教えてください。

髙﨑誠司:
主な事業は社長就活事業「WinC(ウインク)」と採用コンサルティング事業の2つです。

社長就活事業の「WinC(ウインク)」は、社長自らが会社の魅力を発信し、会社の未来を託す新卒人財の採用を目指す、新しいカタチの新卒採用手法です。就職支援サイト「WinC Career(ウインクキャリア)」、就職イベント「WinC Audition(ウインクオーディション)」、人財紹介サービス「WinC Agent(ウインクエージェント)」の3つのサービスを展開しています。

会社と求職者が企業理念という、深い価値観で繋がることができれば、お互いに成長のチャンスが生まれますし、共感から信頼関係へと発展することも期待できます。志を共にする仲間になれれば、社員はやる気がでますし、社長も奮い立つというものです。

「WinC(ウインク)」は一見会社のための事業に思えますが、同時にビジネスパーソンの人生に寄り添うことも目的としています。自分が輝ける会社で人生をかけて頑張りたいという方は、きっと本気で働ける会社を見つけられるはずです。

採用コンサルティング事業では、全国で100種類以上の求人広告サービスを取り扱い、さまざまな手段を用いて、顧客の人材課題の解決に取り組んでいます。新卒採用、中途採用、アルバイト・パート採用などの分野において採用に内包される課題を一貫して解決することを第一にしています。

ーー貴社独自の強みは何ですか?

髙﨑誠司:
顧客に対して徹底的に寄り添い、二人三脚で課題解決に取り組む姿勢です。

弊社では、顧客の満足度を第一にしています。サービスに対する顧客の不満があった場合は、チーム連携による迅速なフォローや提案内容の見直しなどを行い、顧客にご満足いただける結果を目指します。

本当に大事なのは、見た目の数字ではなくその奥にあるカスタマーサクセスです。そこに顧客の課題があるかぎり、顧客に届けるべき「最適な提案」を模索し続けます。

ーー今後、特に注力したいテーマを教えてください。

髙﨑誠司:
特に注力したいテーマは、新規開拓・経営幹部の育成・採用強化の3つです。

新規開拓は顧客数を増やすというより、各企業の社長が採用の前線に出る大切さを広めるという意味合いが強くあります。世の中に根強く残る「採用は人事担当の仕事」という風潮を変えるためにも、より多くの会社に対してアプローチしていきたいですね。

次に経営幹部の育成ですが、これは新たな事業を「ゼロイチ」で生み出せる人材を増やすために重要です。人口減少や少子化が進む中、人材のあり方が変わるのは必然です。そのとき、必要な事業を生み出せる人材が求められます。

最後に採用強化ですが、事業を安心して任せられ、自社の価値観に共感してくれる社員を増やしていきたいと思います。会社の成長ビジョンを描いていくにあたって、マインドが合致している仲間の存在はマストです。顧客に寄り添い、課題解決に情熱を注げる方にジョインいただきたいですね。

長い仕事人生だからこそ納得できる生き方を

ーー最後に社長の仕事に対する考えや思いなど、メッセージをお願いします。

髙﨑誠司:
仕事は人生において大きなウェイトを占めるものです。だからこそ、皆さんには仕事で達成感を味わってほしいと思いますし、仕事を楽しんでほしい。

人材の分野に新たな考えや価値観をインストールすること、いわば「新たなカルチャーの構築」ともいえるこのミッションを達成したとき、その達成感は社員一人ひとりにとって、きっと人生の大切な1ページになることでしょう。

仕事に対する価値観を変えることは、人々の人生に間接的に関わり、幸せへと導くことだと思っています。かつての私と同じように、仕事で人々の人生に寄り添いたいと思っている方はぜひお声がけください。

編集後記

採用と就職とは、お互いの条件のすり合わせのように思われるが、人同士のつながりとして考えれば、本当に大切なものは別にあるのだと気づかされる。日本の採用事情はまだまだ変化し始めたばかり。髙﨑社長の理念に共感し、その最前線をともに見届ける社員たちの達成感は計り知れないものがあるだろう。

髙﨑誠司/1977年生まれ、福岡県出身。大学を卒業後、不動産会社に入社し営業を経験。2004年にディップ株式会社に入社し、営業を経て代理店事業部の立ち上げに携わる。現代のTOPパートナーとされる有力企業を担当。2008年に株式会社プレシャスパートナーズを設立。採用・定着・活躍における「人財」に関するさまざまなサービスを展開している。