※本ページ内の情報は2024年8月時点のものです。

株式会社コムテックは、ドライブレコーダーをはじめとした自動車用電子精密機器の製造・販売を手がける企業。OEM(他社ブランドの製造)で培った高い生産技術を活かし、「品質第一」のものづくりを実践している。

そのような同社を率いるのが、代表取締役の大川晋悟氏だ。1994年に同社へ入社し、2008年以降のリーマン・ショックの影響による経営危機などを乗り越え、今や同社を人々のカーライフに欠かせない存在にまで成長させた。

今回、大川代表に同社の強みである高い商品力や今後の展望について詳しく聞いた。

人々や企業の課題を解決する、高い商品開発力が強み

ーー貴社の商品力の強さについて教えてください。

大川晋悟:
弊社は部品メーカーを通じて、自動車メーカーへのエンジンスターターの供給から始め、現在はドライブレコーダーの販売なども行っています。このドライブレコーダーは、株式会社BCNが主催する「BCN AWARD」のカー用品カテゴリにおけるドライブレコーダー部門で、7年連続1位を受賞し続けています。(※2024年8月時点)

取り付けが必要な商品なので、取り付けやすいか、取り付けた後に不具合は起こらないかといった点を第一に考えています。

また、弊社はイメージ戦略として、企業認知度を向上させるために、プロゴルファーの渋野日向子さんや予備校講師でタレントの林修先生などのタレントを起用したテレビCMを展開しています。このテレビCMを見て「ドライブレコーダーって、こんなにきれいに映るのか」と驚き、購入してくださる方も多くいます。

ーーそのほかにはどういった製品を手がけていますか。

大川晋悟:
2023年10月、自然生成物のオゾンの力で車内の空気環境を良くするオゾンサーバー®「クリーンエイト®」を発売しました。同商品はバッテリー内蔵のため駐車中にも除菌・消臭でき、内蔵ファンによりオゾンを車内に素早く拡散できるのが特徴です。

ほかにも、BtoB向け製品として、専用デバイスを社用車に設置するだけで走行記録をスマホからアップロードできる「社用車運転管理システム C-Portal®」を手がけています。会社の総務の方は走行記録を管理でき、車両管理が楽になります。

このサービスは、使用者へ安全を啓蒙することができ、結果として事故を減らす取り組みにもつながっていると評判です。

未来を担う経営幹部の育成や新分野への挑戦が今後のテーマ

ーー会社の風土について聞かせてください。

大川晋悟:
私は、チャレンジ精神のないところからは、何も生まれないと思っています。失敗はチャレンジしたことの証ですし、とても貴重な経験になりますから。そのため弊社では、若手にも積極的にチャレンジできる機会を用意しています。実際に最近、若手社員がある企業とのコラボ企画による商品PR動画を自分で考えてつくってくれて、とても感動しましたね。

ーー今後の展望や注力テーマを教えてください。

大川晋悟:
注力したいことの一つは、経営幹部の育成です。幹部育成は企業の未来を担う重要なプロセスである一方、育成には時間がかかるので、中長期の育成方針のもと、進めていかなければなりません。座学によるインプットだけでは必要なスキルや経験を得ることは難しく、実践を通して経験を積むことが重要です。

また、今後はお客様の困りごとを解決するためのシステムやアプリケーションの開発に注力し、新たな価値を提供することに力を入れていきたいと考えています。たとえば現在、改良を進めている「社用車運転管理システム C-Portal®」は、DXが進む中で社用車の管理が重要な課題となっている企業へのソリューションとなります。

そのほか、これまでドライブレコーダーで培ってきた「ドライビングの記録技術」は、身体に装着して常時撮影を行うボディカメラのような個人用の記録装置や、電動キックボードといった新しいモビリティにも応用が可能です。この技術を活かし、新たなチャレンジを続けたいと思っています。

自分たちの力で新たな物を生み出せる「夢とロマン」がある

ーー最後に、大川代表の貴社に対する思いを聞かせてください。

大川晋悟:
弊社には「夢とロマン」しかありません。一から物をつくろうと思えば自分たちの力でつくることができますし、つくるだけでなく、どうやって売るのかなども自分たちで始めから終わりまで考えられます。これは、非常に面白いことだと思います。

また、知名度がないところから商品を世に出そうと思っても周囲は動いてくれませんが、弊社には知名度があります。そのため、協力してくれる方々が多く、これは非常にありがたいことです。

編集後記

代表取締役に就任してからの苦労について「大変なことも、後から振り返れば笑い話。全て最後には笑い話にすることを心がけている」と語る大川代表。どんな困難な状況でもポジティブに捉え、楽しむことを忘れずに取り組むことで、結果的には苦労と感じることなく乗り越えることができたのだという。海外展開にも積極的に力を入れていくとのことで、明るく前進を続ける大川代表率いるコムテックの今後が楽しみだ。

大川晋悟/1967年生まれ、愛知県出身。1990年、大阪経済法科大学を卒業後、瀬戸信用金庫に入庫。営業、融資業務に従事。1994年、株式会社コムテックに入社後、常務取締役などを経て、2011年、代表取締役に就任。