株式会社TWIN PLANET（ツインプラネット）は、IP（Intellectual Property、知的財産権）を軸に、エンターテインメントの分野で幅広い事業を展開するIPプロダクションである。IPを活かしたキャラクターや化粧品などの商品開発、イベント・店舗の運営、さらにタレントやアーティスト・俳優などオールジャンルで活躍する人材のプロデュースおよびマネジメントを行っている。同社を創業した代表取締役社長の矢嶋健二氏に、事業に対する思いや今後の展望をうかがった。
上京して出会った仲間に感化される
ーー起業する前はどのようなことをしていましたか？
矢嶋健二：
私は10代の頃から「今の歳だからこそできることがしたい」と考えていました。そんな中で、行きの交通費代だけ持って北海道の牧場に行き、そこでアルバイトをしてお金を稼いだり、ヒッチハイクで現地の方々と交渉したりするなど、あえて自ら困難な道を切り拓いていくようなチャレンジをしてきました。
19歳の時に、1万円だけ持って京都から出発して2週間かけて九州を一周したこともあります。全国でさまざまなチャレンジをしていく中で「20歳になったら東京に行って、もっといろいろなチャレンジがしたい」と思い立ったのです。
ーー上京後、どのような経験をしましたか？
矢嶋健二：
東京に来て最初の1か月は、都内の大学に通っていた友人の家に居候していました。その友人がいつもスーツを着て出かけていたので、理由を聞いてみると「学生ベンチャーサークルのミーティングがある」と話してくれました。
興味本位でそのベンチャーサークルにお邪魔したところ、サークルのメンバーに「夢は何？」と突然尋ねられたのです。当時の私は明確な夢はありませんでしたが、参加したメンバーはみな明確な夢を持っていることがわかりました。
サークルのメンバーは夢を仲間同士で共有して、有言実行していたので、そういった姿勢が私にとってとても刺激になりました。これまでの私は漠然と「ビッグになりたい」と思っていましたが、サークルに参加をしてから具体的に起業を考えるようになりました。
特化したものがないからこそ強みになる
ーーIPプロダクションとして意識していることや強みを聞かせてください。
矢嶋健二：
ツインプラネットは「イベント会社」「レコード会社」のように企業の方向性を限定していないからこそ、さまざまなご依頼をいただけるのだと思います。
たとえば、ツインプラネットはIPを活かしたキャラクターや化粧品などの商品開発やイベント・店舗のプロデュースに、アーティストのマネジメントなど幅広く事業を展開しています。幅広く対応できることは、第三者にとって「得意分野がわからない」とも捉えられますが、「何でも屋」だからこそ様々な情報が入ってくることにより、世の中のニーズを捉えられ、そこに合わせられる柔軟性こそが、ツインプラネットの強みだと思っています。
私個人としても、時代の半歩先を意識して変化し続けていくことを常に考えるようにしています。
「IPファースト」でニーズを捉えたエンタメコンテンツを生み出していく
ーー社内はどのような雰囲気ですか？
矢嶋健二：
社内の雰囲気はラフです。ツインプラネットはエンターテインメントを提供する会社なので、社員がイキイキと楽しそうにしていないと意味がありません。だからこそ、スタッフが自分らしく仕事ができる環境を大切にしています。
ーー事業に取り組むうえで大切にしていることや、今後の展望はありますか。
矢嶋健二：
私は、IP（知的財産権）という言葉を大切にしています。
これからもIPプロダクションとして、常に世の中にどんなニーズがあるのかを考えながら「こういうのが欲しかった！」と思えるようなコンテンツをつくっていきたいです。
また、2026年の創立20周年に向けて、ツインプラネット＝IPプロダクションとして名前を知っていただけるようによりグローバルで幅広い事業に取り組んでまいります。
編集後記
所属タレントのマネジメントから、IPを活かしたキャラクターや化粧品などの商品開発、イベント店舗の企画や運営、メディア展開まで、幅広く取り組む株式会社TWIN PLANET（ツインプラネット）。矢嶋氏の話を聞いていると、IPの価値を最大化させることに強いこだわりを持っており、時代を捉える広い視野を兼ね備えていると感じた。「特化したものがない」を強みとして、今後も幅広い事業に取り組んでいくだろう。
矢嶋健二／1980年、京都府生まれ。関西の大学を中退後、20歳で上京し、22歳でレコード会社に就職。2004年には株式会社つばさレコーズの代表取締役に就任。2006年、26歳のときに株式会社TWIN PLANET（ツインプラネット）を創業、代表取締役社長に就任。
