情報通信技術を巧みに活用しながら、業務システムの構築や営業支援サポートなど、各企業が叶えたい未来に向けたさまざまなソリューションを提供する株式会社ZEN Integration。同社が展開する、自動でシステムを開発するツール『ZEF』(ZEN Exchange Factory、以下ZEF)は単純作業やテスト工程を自動化し、大幅な業務時間の短縮を導く。
顧客からの「やりたい!」「やってほしい!」という思いを形に、事業を積極的に支援する同社の代表取締役、井上善貴氏に「夢実現企業」としての事業内容や今後の展望についてうかがった。
IT業界の実情に触れた若き起業家の挑戦
ーーどのような子ども時代を過ごされたのでしょうか?
井上善貴:
幼少期はインターナショナルスクールに通い、日常会話も英語でした。順を追って学習する日本の教育環境ではなく、先取り学習できる教育環境だったので、私自身、得意で大好きな数学は小学生で高校レベルの数学を学んでいましたね。
中学時代にはプログラミングを行い、AI風のチャットボットの制作などもしていたので、大人になる前にITの知見が備わっていました。
ーー貴社を設立された背景についてお聞かせください。
井上善貴:
昔から数字やプログラミングが好きでエンジニアとして就職しました。そこで衝撃を受けました。高度な数学を駆使してプログラミングやシステム開発をやるのだろうとワクワクしていましたが、実際に現場に入ってみると、IT業界自体がIT化もされていない状況で、ベテランのエンジニアがエクセルで書かれている内容を左から右に入力するような単純作業を行っていたのです。
「なぜ21世紀にもなってこのようなことをやっているのだろう」という疑問を抱くようになり、ITを駆使してシステムを作れるような環境をつくりたいという思いで起業に至りました。
革新的なローコード開発ツール『ZEF』で企業の業務改善に踏み込む
ーーローコード開発ツールをつくろうと思ったきっかけを教えてください。
井上善貴:
IT化できるものはIT化し、自動化したいという想いで、独自に開発し誕生したのが『ZEF』です。今ではいくつかのローコードツールがありますが、2015年にZEFを公開した当初は「ローコード」という言葉も日本に入って広まる前でした。
『ZEF』は、ブラウザ上でドラッグアンドドロップするだけで業務システムが生成される仕組みとなっています。Excelなどで設計をするよりも、『ZEF』を操作する方が効率的よく設計ができるのが特徴です。
ーー『ZEF』を導入した企業とのエピソードがあるそうですね。
井上善貴:
ある大手SIベンダーが、公共交通機関向けの業務システムを担当していたのですが、目標納期があと半年後、どう考えてもスケジュール通りに納品できないという事態に陥りました。
そんなとき、弊社に相談が入り、早速『ZEF』を活用した開発に着手。単純作業やテスト工程を自動化することで、作業時間を大幅に短縮できました。その結果、当初の予定通り半年で、システム構築を実現させました。構築後は不具合も見られず、お客さまから高い評価をいただいています。
1+1=夢現(むげん)の可能性を体現することでご縁を繋ぐ喜びを広げたい
ーー大切にされている考え方や、今後注力する事業があれば教えてください。
井上善貴:
弊社の企業理念は「夢実現企業」です。正確に言うと、「夢を実現できる環境を協創(共に協力して創る)する」という意味です。
クライアントや弊社の社員が「何かやりたい」と思ったときに、弊社3つの事業であるIT、教育、協創(コミュニティ)を軸にそれを可能とする環境を創っております。その際「できない理由」ではなく「どうすればできるか」を考えることを大切にしてます。
この3つの軸(事業)についてそれぞれ現在注力しているサービスがあります。ITは「次世代開発プラットフォームZEF3.0」、教育は「地頭道場」、協創は「GOENアプリ」という自社サービスに取り組んでいます。
ーーそれぞれ簡単にいうとどのようなサービスでしょうか?
井上善貴:
興味を持っていただきありがとうございます。
「次世代開発プラットフォームZEF3.0」は弊社が独自開発したシステム開発プラットフォームの第3世代です。今までドラッグアンドドロップでシステム開発ができるローコード開発ツールの側面が強かったものをブラッシュアップし、最新の生成AIを活用することで、対話形式でシステムの概要を設計し、より高速に意図したシステムを作れるようになります。
「地頭道場」は地頭のよいと言われている人の思考プロセスを分析し約40通りの思考法を定義、それがどんなものかどうすれば向上するかをオンラインで学ぶトレーニングプログラムです。生産性向上やビジネスキャリア形成、豊かな人生の獲得の為に、今後子供から大人、高齢者まで幅広い年齢層に活用してもらえるサービスですね。
「GOENアプリ」は交流会やコワーキングスペースなどで、現状偶発的な出会いになってしまっている状況を、出逢いたい人と話すべきテーマで話せることを事前に支援していくれるスマフォアプリ(サービス)です。交流会に参加する前に、この方々とそれぞれこんな会話をするといいよ!とアドバイスや会話支援をしてくれたり、喫茶店に行ったときに協業したい相手や関心が近い方との出逢いなどを促進してくれる。そんな世の中を創りにいきます。
これらを通じて、弊社の理念の体現…やりたいと思ったことを実現できる環境の協創を取り組んでいきます。
ーー今後はどのような方と働きたいと思いますか?
井上善貴:
「やりたいと思ったことを実現できる環境の協創」に興味を持ってくれる仲間。決まったレールの上で働くのではなく、自分たちで知恵を出し合って、最適と思える環境を協力しながらつくる姿勢も大切だと思っています。自分たちでチームを一からつくり上げたいという方が入ってくれると、自分にも会社にもメリットをもたらすでしょう。
向上心を持ち、「〇〇をやってみたい」「誰にも負けない分野がある」といったエネルギーに満ちあふれている方を積極的に採用したいですし、弊社の三大柱であるIT、教育、協創(コミュニティ)に強い関心のある方と一緒に働きたいです。
編集後記
幼い頃から、起業を意識していたしていたという井上社長。協力企業とともにそれぞれの強みや長所を伸ばし、今までになかった夢や可能性を実現したいという思いは熱かった。多くの業界と手を取り合いながら新たなチャレンジを続ける社長自身の夢が叶う姿を見るのが楽しみである。
井上善貴/神奈川県横浜市生まれ。インターナショナルスクールを経て大学は情報系の学部に特待生として入学。2010年に26歳で株式会社ZEN Integrationを創業し、代表取締役に就任。IT事業、教育事業、ビジネスサポート事業、人材紹介事業など幅広く手がける。