住宅リフォームとインテリア販売を手がける株式会社東京伊木産業は、フレキシブルな対応と社員の誠実さを武器に顧客の満足を追求している。
社員の多くが真面目で一生懸命に物事に取り組むような人柄で、顧客からの信頼も厚い。新しいことへのチャレンジを恐れず、常に業態を変化させてきたような柔軟性も持ち合わせている同社。代表取締役社長の佐藤氏は「人の定着」を重視し、社員の成長と働きやすい環境づくりに注力している。そのような同社の企業文化や事業戦略について、佐藤社長にうかがった。
偶然から始まった住宅リフォーム業界との出合い
ーー入社のきっかけをお聞かせください。
佐藤利彦:
高校卒業後、いくつかアルバイトをしていた時期がありました。正社員になろうと思ったとき、公共職業安定所でたまたま見つけたのが弊社でした。
さいたま市で探していて、いくつかあった候補の一つだったのです。電話をしたとき、先代の社長である会長が電話に出て、話をしているうちに「ここで働きたい」という気持ちが強くなっていきました。そのまま電話で採用が決まり、入社することとなりました。当時は社員が15人程度の規模でしたね。
ーー入社後はどのような仕事をしていたのでしょうか。
佐藤利彦:
最初は下積みからでした。当時は量販店との取引が多く、またデパートや総合スーパーに対して家具を卸したり、さまざまな種類の店舗の設備工事を請け負ったりもしていました。最初は商品を覚えるところから始まり、倉庫業務、トラックでの配送など、さまざまな業務を経験しました。
会長のポリシーで、実際に現場医の作業を体験してから営業を担当するという流れだったのです。商品のことも工事のこともわかった上で営業窓口を担当するようになり、その後、1年も経たないうちに、いろいろな仕事をさせてもらいました。
さまざまな経験をするなかで任されることも増え、採用や事業の進め方の決定まで、一手に引き受けていました。役職が上がり、役員になったタイミングで、「いずれは私が会社を背負っていかなくてはいけない」と思うようになったのです。
誠実さと柔軟性が生む顧客満足
ーー貴社の主な事業内容を教えていただけますか?
佐藤利彦:
弊社の主な事業は新築のマンションや戸建て向けのインテリア販売と、住宅を対象としたリフォームです。インテリア販売においては、カーテン、照明、エアコンといった必需品から壁紙の張り替えまで、幅広く対応しています。
カラーコーディネートもおこなっており、たとえばお客さまが新築マンションに入居される際、「どこに何が必要か」「どのような色を選べばいいか」「家具はどのように配置すればいいか」といったことを、専門のコーディネーターが提案するのです。お客さまの理想の住まいづくりをトータルでサポートするのが私たちの事業ですね。
ーー貴社の社風や強みについて、お聞かせください。
佐藤利彦:
弊社の強みは、フレキシブルに対応できることです。「こうあるべきだ」と決めつけず、新しいことにどんどんチャレンジします。過去の経験にとらわれることなく、業態もどんどん変えていける。そうした臨機応変な対応力が、弊社の強みだと思います。
また、社員の人柄も強みといえるでしょう。みんな真面目で一生懸命。決して派手な雰囲気ではありませんが、素直で誠実な人ばかりです。そのため、対応の良さ、サービスや製品の品質の高さをご評価いただき、「頼んでよかった」という声をよくいただきます。ご満足いただける対応ができなかったときでも最後まで真摯に対応し、最後に「良かったよ」といっていただけると、とても嬉しくなりますね。
社員と共に成長する、理想の職場づくり
ーー今後の展望について、教えてください。
佐藤利彦:
これからは、自分たちでできることをどんどん増やし、内製化を進めていきたいと思っています。たとえば、エアコンの販売だけでなく、取り付けまでできる。そのような会社は同業のなかでも少ないのです。
工事のことを深く知ることで、商品知識も深まり、販売力も強化できる。ワンストップの対応ができれば、お客さまに自信を持ってサービスや製品をお勧めでき、作業のスピードも向上します。内製化を進めることで、より強固な競争力を築き、顧客満足度の向上にもつなげていきたいですね。
ーー人材育成については、どのようにお考えですか?
佐藤利彦:
人材の定着が非常に重要だと考えています。社員をしっかりとフォローして、社員が仕事の悩みを相談できる環境を整えることが大切です。仕事をたくさん抱え込んでしまうと、やりがいを感じにくくなってしまうため、彼らの適切な管理とケア、フォローが必要なのです。
また、これからは社員たちがもっと前面に出て、新しい仕事を獲得できるようになってほしいと思っています。社員の成長と定着を重視し、適切なサポートと挑戦の機会を提供することで、一人ひとりが活躍できる環境づくりを目指していきます。
ーー最後に、読者へのメッセージをお願いします。
佐藤利彦:
私たちは今まで地道に誠実に、新しいことを考えながら挑戦し続けてきました。長く楽しく、お客さまに喜んでいただける仕事をしながら、一緒に成長していける。そのような会社にしていきたいですね。お客さまのことを第一に考え、新しいことにチャレンジできる方なら大歓迎です。真面目で一生懸命に物事に取り組む人なら、きっと弊社が合うと思います。一緒に働けるのを楽しみにしています。
編集後記
取材を通じて、同社の強みが「人」にあることを強く感じた。社員一人ひとりの誠実さと、会社全体のフレキシブルな姿勢が、顧客満足度の高さにつながっている。佐藤氏の「人」への熱い思いは、長期的な視点で会社の成長を考えている表れだろう。新しいことへのチャレンジを大切にしながら、社員と共に成長を続ける同社の今後が非常に楽しみだ。
佐藤利彦/1973年、兵庫県生まれ。1993年、株式会社東京伊木産業に入社。2008年、取締役営業部長に就任。2013年、常務取締役に就任。2021年、代表取締役社長に就任。