※本ページ内の情報は2024年9月時点のものです。

創業以来、連続で増収を続ける株式会社アイズ。新サービスを次々と立ち上げる原動力には何があるのだろうか。「台風の目になり世の中を変える」と強い思いで起業した同社代表取締役社長の福島範幸氏に、話を聞いた。

自ら起業して変革を起こす

ーー起業についてはいつ頃から考えていましたか?

福島範幸:
新卒で入った大企業にいるときから、いつかは起業したいという思いがありました。しかし、起業しようにも何から始めて良いかもわからなかったので、まずはベンチャー企業で経験を積もうと考えたのです。いろいろなベンチャー企業を探す中で、当時社員20名だった企業に初のエンジニアとして転職しました。その後も他社でも経験を積み、2007年に弊社を立ち上げたという流れです。

ーー会社を立ち上げた当時の思いを教えてください。

福島範幸:
「世の中を変えるくらいのことがやりたい」という思いがありました。それは社名やビジョンにもつながっています。世の中を変革する台風の目(eye)になるというビジョン、それが社名のアイズ(eyez)に込められた思いです。

あえて社名の末尾を「目(eye)」の複数形にしたのは、台風の目になるサービスを多くつくり、全てのメンバーがそれぞれ台風の目になろうという思いがあったからです。

他社には真似できないオリジナルの視点でマーケットの独走を貫く

ーー貴社の事業内容について教えてください。

福島範幸:
実際に日用品やコスメなどを使っていただき、体験や結果をインスタなどのSNSに書いてもらう「トラミー(trami)」という会員制サービスを提供しています。「トラミー」では、「マイクロインフルエンサー」と呼ばれる方々を多く活用し、口コミを書いてもらっています。

マイクロインフルエンサーとは、一般人の中でも比較的ニッチな分野に発信力や影響力の高い人のことです。具体的には、100〜200人、多いときには1,000人程のマイクロインフルエンサーに商品を配って実際に口コミを書いてもらっています。

それを私たちが広告に関する法律や言葉の選び方などの観点でチェックして、投稿内容が不適切な場合は、内容を修正してもらいます。多いときには1,000人以上の方に投稿していただきますが、これだけの大人数をディレクションできるのは、おそらく弊社だけでしょう。大手の企業でも安心して利用できるサービスに成長したと思っています。

ーートラミーのサービスを始めた当初の反響はいかがでしたか。

福島範幸:
当時の広告は企業からの一方的なメッセージでしたが、実際の体験談をもとに書いてもらったものの方がより使用感やリアルさが伝わるのではないかと考え、他社に先駆けて口コミサービスを始めたのです。ただ、今のようにインスタグラムなどのSNSはまだなかったため、ブログに書いてもらっていました。

企業からは「マイクロインフルエンサーのブログで本当に買ってくれるの?」と、懐疑的な声も多かったのですが、ご存知の通り、今ではSNSで見かけた商品を購入するのが当たり前の世の中になり、ようやく時代が追いついてきたという実感はあります。

ーーその他に提供しているサービスにはどのような強みがありますか。

福島範幸:
広告代理店から事業譲渡され運営している「メディアレーダー」は、「トラミー」に次ぐ第2の事業です。マーケティング担当者や広告代理店と広告・マーケティングサービス提供元を結ぶ業界向けの検索サイトで、広告媒体資料やマーケティング資料をダウンロードすることができます。代理店と広告主の双方から非常に重宝されています。

類似の他サービスと比較して、費用対効果が高いと評価され、弊社はほぼシェアを独占しています。資料がダウンロードされて初めて費用が発生する成果報酬型の料金体系を採用しており、報酬額も掲載する会社が独自に決めることができます。よく見られるような資料一括ダウンロードサービスとは異なり、個別ダウンロード、一括ダウンロードなどと、細かいニーズに合わせていろいろ選べるようにしています。

他社の事例を真似るのではなく、独自にさまざまなものを生み出していることが弊社の大きな強みだと思っています。

メンバーとともに広告業界のインフラを目指す

ーー今後の展望についてお聞かせください。

福島範幸:
新たなサービスとして、「メディアレーダーキャリア」というマーケティング人材に特化した転職サイトを立ち上げる予定で、現在は事前登録を受け付けています。マーケティングの専門人材は今後需要が拡大していき、企業間の人材獲得競争が激化すると感じています。

弊社が目指しているのは、広告業界のインフラになることです。たとえば、主力事業の「メディアレーダー」であれば、利用者である各企業のマーケティング部門などから「メディアレーダーがないと困る」と言われるほどのサービスにしたいと思っています。

そのためにも、私の代で時価総額1000億円を目指します。大勢の人を幸せにしたいですね。

ーー貴社の求める人物像についてお聞かせください。

福島範幸:
弊社は人柄を非常に重視しています。素直な方が望ましいですね。福利厚生については会社から毎月1人2000円の補助が出てランダムに割り当てたメンバー同士でランチに行く「シャッフルランチ」や、メンバーやメンバーのご家族にカニやお肉などを選んでもらい、年末年始にそれぞれのファミリーにプレゼントする「ファミプレ」といった企画を行っています。

「ファミプレ」では、私もメッセージを一言添えています。社員のご家族にも、弊社のコミュニケーションを重視する文化や風土を理解していただけるイベントとして喜ばれています。

編集後記

社員を「メンバー」と呼び、一人ひとりが成長し続けられる環境を提供している福島社長。広告業界のインフラを目指して、メンバーや取引先を幸せにするサービスを提供し続けている。今後も広告以外の領域も巻き込んで、幸せのループを着実に広げていくだろう。

福島範幸/北陸先端科学技術大学院大学修士課程を修了。大日本印刷株式会社に入社後、株式会社マクロミルにてマネージャー、株式会社エー・アイ・ピーにてゼネラルマネージャーを経て、株式会社アイズを設立し、代表取締役社長に就任。