※本ページ内の情報は2024年10月時点のものです。

競合同士の競争が激化している現代では、顧客のさまざまなニーズを網羅する対応力が求められている。株式会社金指商会は1947年の創業時に測量機器の販売を始めて以降、時代のニーズに合わせて事業を拡大してきた。

事業展開の経緯や、同社の強みでもある提案の幅の広さ、これから必要とされる資質などについて、代表取締役社長の金指忠久氏にうかがった。

オフィスデザインから地域情報サイトの運営まで幅広く網羅

ーー貴社の事業概要についてお聞かせください。

金指忠久:
弊社は測量機器の販売からスタートした会社で、創業から77年の歴史があります。その間に少しずつ変化を遂げ、OA機器やオフィス家具の販売、オフィスデザインの提案や内装工事などを手がけてきました。

現在は、浜松のお店を紹介するプラットフォーム「まいぷれ」や、埼玉県の企業を紹介する「ジモエル」の運営も行っています。

ーー地域密着型のプラットフォームの運営を始めたきっかけは何でしたか。

金指忠久:
まいぷれを運営している会社から、「サイトの運用をしてみませんか」と提案を受けたのが始まりです。その案件を引き受けた理由は、サイト運営が個人消費者市場に事業を拡大する足がかりになると思ったからです。

これまで弊社は、主に法人を対象とした事業を行ってきましたが、個人向けに実店舗を紹介することで、新たな市場を広げられると考えたのです。自分たちの営業範囲を広げつつ、地域に還元できるサイトを目指してジモエルの運営にも力を入れていこうと思っています。

さまざまな領域からお客様に提案を行えるのが強み

ーー他社にはない貴社の強みを教えてください。

金指忠久:
弊社の強みは、オフィスに関する総合的なサービスを提供できる点です。オフィス家具やOA機器の販売、空間デザイン、求人サービス、地域情報サイトの運営すべてを手がけている企業は他にないでしょう。

これまではOA機器の販売や、オフィス工事を専門に手がけている企業がほとんどでした。しかし、今の時代はどれかひとつに特化するのではなく、あらゆるニーズに応えることが求められています。

そこで弊社は、オフィスに関する提案を弊社で完結できるように、さまざまな事業を展開しているのです。たとえば、関連会社である株式会社マークでは環境美化に関する看板、のぼり旗の製造、および自動車用マグネットの製造を行っていたり、株式会社フィーリンでは屋外広告業や内装仕上工事業などを行っているため、オフィス家具の営業で訪問した企業には、広告掲載も提案するようにしています。

これは新しいオフィス産業の形であり、どの企業にも真似のできない独自のポジションを築けていると思います。これからM&Aを行って事業領域をどんどん拡大していき、お客様にあらゆる側面から提案ができる企業を目指します。

金指社長が大切にしている考えや現代に必要な資質について

ーー金指社長の座右の銘は何ですか。

金指忠久:
私の座右の銘は「Keep Walking」です。人生にはさまざまな困難がありますが、それを乗り越えて歩み続けることで新たな発見や成長があると思っています。

ーー今後の展望を教えてください。

金指忠久:
これから日本は若い世代が首都圏に流出し、東京を中心としたマーケットに集約されていくことが予想されます。そのため、今後は少しずつ首都圏にも進出していきたいと考えています。ただ、いきなりターゲットを首都圏に振り切るのではなく、地方とのバランスをとりながら事業を拡大していく方針です。

ーーこれからの時代に求められる人物像について聞かせていただけますか。

金指忠久:
能力の有無よりも、仕事に対して熱意を持って取り組める人が活躍すると思いますね。最近入社した高卒の18歳の子は、自分から「ここで働きたい」と志願してきました。それくらい自発的な行動ができる人でないと、今の時代に生き残っていくことは難しいのではないでしょうか。

これからの時代は周りと足並みをそろえるのではなく、果敢に挑戦する意欲を持った人材が求められると思います。

周囲からの指摘やつらい局面は自分が成長するチャンス

ーー経営者としてみなさんに伝えたい思いを聞かせてください。

金指忠久:
周りの人から指摘されたり注意されたりしたときに、そこでくじけるのではなく、自分の成長につなげてください。他人から指摘されることで自分の立ち位置がわかるので、注意を受けることは人の成長には必要不可欠です。

島根県の大名、尼子晴久の家臣である山中鹿之助は「我に七難八苦を与え給(たま)え」という言葉を残しています。つらいことや苦しいことを受け止め、それを糧にして前に進んでいく。そうした姿勢が最終的には成功につながるのです。

私自身も会社を経営する中で、「すべて私が受けとめてやる」という心構えでつらい時期を乗り越えた結果、成功をつかみとりました。この会社を良くするために自分が苦汁を飲み、そこでようやく新しい境地に立てると信じ、進んできました。

壁にぶつかっても逃げずに挑戦し続ければ、着実にレベルアップでき、その過程で自分の成長を実感できるはずです。怒られることを恐れず積極的にチャレンジし、自分の可能性をどんどん広げていってください。

ーー最後に求職者の方々にメッセージをお願いします。

金指忠久:
弊社は総合オフィス業という新しい領域を開拓し、常に新しいことにチャレンジし続ける企業です。失敗を恐れず、常に前を向いて歩み続ける姿勢を持った方と一緒に働けることを楽しみにしています。総合オフィス業の未来をともに切り拓いていきましょう。

編集後記

組織のトップとしてつらさや苦しさを甘んじて受け入れ、厳しい局面を幾度も耐え抜き、会社を守ってきた金指社長。競争が激化していく時代だからこそ、壁を乗り越え、自分自身を成長させる大切さが伝わってきた。株式会社金指商会は今後も事業を拡大し、多様なニーズに対応することで、お客様からより求められる企業になるだろう。

金指忠久/1967年、静岡県生まれ。1988年、大阪ビジネスカレッジ専門学校卒業。同年、愛知株式会社に入社。1994年、株式会社金指商会に入社。1997年、代表取締役社長就任、現在に至る。