※本ページ内の情報は2025年1月時点のものです。

妊娠中、お腹の中にいる胎児の健康状態を調べる出生前診断。株式会社HUMEDITは、数少ない国内での新型出生前診断(NIPT)を行っている会社だ。アパレル業界から医療業界へ転職し経営者となった経緯や、同社独自の強み、今後の展望などについて、代表取締役の関根萌氏にうかがった。

アパレル会社勤務から看護師へ転身し、経営者となった異色の経歴

ーーまずは関根社長のキャリアについてお聞かせください。

関根萌:
以前はアパレル会社に勤務しており、まったく別の業界で働いていました。しかし、長女を出産したのを機に、子どもの健康のことや成育について知識をつけたいと思い、看護師になることを決意しました。

当時は子育てをしながら看護学校に通っていたので、とにかく大変でしたね。ご飯を食べさせてお風呂に入れ、寝かしつけをしながら実習記録を書いていました。実習中は睡眠時間が30分しかとれない日もありましたが、両親の助けも借りながら何とか看護師免許を取得しました。

ーーそこから経営者になるまでの経緯を教えていただけますか。

関根萌:
看護学校卒業後は、総合病院で数年勤務しました。ただ、総合病院での勤務は夜勤も多く、娘に寂しい思いをさせていることに心苦しくなったのです。そこで、子どもと接する時間を増やせるようヒロクリニックに転職し、看護主任、看護係長、看護課長と昇進していきました。

そんな中、元代表の岡から、後任としてヒロクリニックの医療コンサルティング会社であるHUMEDITを任せたいと打診されました。話を受けるべきかとても悩んだのですが、こんな大きなチャンスは誰にでも訪れるものではないと思い承諾しました。

実際に会社という組織で働き始めると、看護師として病院勤務をするのとは勝手が違う部分が多いと感じています。これまでの経験ではカバーしきれない部分もあるので、まだまだ勉強中ですね。

国内で新型出生前診断を提供。独自の強みで他社を差別化

ーー貴社の事業内容について教えてください。

関根萌:
弊社の主な事業は、遺伝子検査を行う臨床検査事業です。その中でも妊婦さんの血液を分析し、胎児の染色体異常を調べる新型出生前診断(NIPT)がメインです。NIPTは日本国内では積極的に行われていないため、海外の技術提供を受けながら診断を行っています。NIPTの他に親子間や兄弟間の血縁が分かるDNA親子鑑定(DNA兄弟鑑定)も行っています。最近は医薬品の輸入代行事業にも力を入れています。

ーー貴社の強みはどのような点にあるのですか。

関根萌:
弊社の強みは、国内に自社の検査所を持っている点です。海外に検体を送る必要がないため、検体の紛失を極力防ぎ、受検者様に早く結果をお返しできます。また、他社の場合は検査項目が3種類程度ですが、弊社では現時点で15種類以上と種類が豊富なのも特徴です。

これまでに5万件以上の検査を実施しており、貴重なデータが蓄積されているのも強みです。さらに、ウェブサイトのSEO対策も行っています。その効果もあり、インターネット検索を通じて来院される方が全体の約9割を占めています。

それに加え、クリニックを開業する際の資金調達や開業届の手続き、集患の立案などトータルサポートを行っています。このように医療コンサルティングに強いのも大きな特徴です。

新規事業の展望と採用活動について

ーー新規事業についてはいかがですか。

関根萌:
これから遺伝子検査技術を活かした新しいサービスの展開に力を入れていこうと考えています。特に、クリニックに来院せず自宅でできる遺伝子鑑定を拡充し、多くの方に利用していただけるサービスを提供していきたいですね。

また、植毛治療にも注力しており、最先端の技術を取り入れながら、再生医療の知見を活かした独自の治療法を展開していく予定です。自然な仕上がりを目指し、髪の悩みに対する根本的な解決策を提供していきたいと思っています。

再生医療事業も立ち上げており、細胞を活用した治療法の提供を進めています。これにより、植毛だけでなくさまざまな医療分野での応用が期待されています。AGA(男性型脱毛症)の治療についても、内服薬や注入療法を取り入れながら患者様に幅広い選択肢を提案していきます。

さらに、医師監修のサプリメントや医療商品のオンライン販売も検討しています。多くの医師を雇用している強みを活かし、遺伝子検査や再生医療の知見をもとに、医学的根拠に基づいた商品開発を進めていければと考えています。

ーー人材採用と貴社が求める人物像を教えてください。

関根萌:
事業拡大に合わせ、採用を強化したいと考えています。そして、入社した人たちが能動的に動ける人材になるよう、教育にも力を入れていきたいです。今後も中途採用を継続しつつ新卒採用を強化し、比率を高めていきます。

求める人材としては、新しいことに挑戦することが好きで、情熱を持って取り組める人が望ましいですね。また、スピード感を持って行動できる方が、弊社には合うと思います。

弊社の理念に「巧遅拙速(こうちせっそく)」があります。これはスピード感を重視し、とりあえず7割の完成度でスタートするという考え方です。ビジネスは先行優位の世界なので、他社より先に始め、そのあとに改善していくのが弊社の方針です。

また、海外とのやり取りも多いので、グローバルな環境で働きたいという方も歓迎します。海外製品の機器を使用するため、外国籍の方を含め、英語や中国語などの語学が堪能な方に来ていただきたいですね。

5つの事業を柱とし、事業規模を5倍に拡大したい

ーー今後の展望についてお聞かせください。

関根萌:
今後3年から5年の間に、現在の事業規模を5倍に拡大することを目指しています。具体的には主力事業以外に柱となる事業をあと4つ育て、5本の柱で事業を展開していく予定です。遺伝子検査事業においては、国内トップを目指し、がんや心臓の病気などのバリエーションを増やしていきたいです。また、既存のクリニックでは保険診療を拡大していきたいと思っています。

そして、これまでクリニックの開業支援をしてきたノウハウを活かした海外展開も視野に入れています。そのために各国の医療施設の開設基準などを学び、準備を進めていきます。

さらに、元代表の岡が検査所の立ち上げに必要なラボディレクターに就任したため、依頼があれば検査所の立ち上げをコンサルティングすることも可能です。日本に数名しかいないラボディレクターが在籍している強みを活かして検査所を増設し、より多くの検査を可能にしていきます。

ーー最後に就職・転職を考えている方へメッセージをお願いします。

関根萌:
弊社は常に新しいことにチャレンジし、医療業界に新しい風を吹き込む会社です。この記事を読んで弊社に興味を持たれた方は、ぜひオープンカンパニーにご参加ください。実際に社員と話をしたり仕事の様子を見学したりできるので、自分が働くイメージができますよ。みなさまのご応募をお待ちしています。

編集後記

アパレル会社で働いた後、医療知識を身に付けるため看護師に転身し、それから会社の経営者になった異色の経歴を持つ関根社長。特に小さい子どもを育てながら看護学校で学び、看護師免許を取得したバイタリティの高さには驚かされた。株式会社HUMEDITはこれからもさまざまなチャレンジを続け、医療の発展に貢献していく。

関根萌/1986年埼玉県生まれ。アパレル会社で勤務したのち看護師を志し、2014年蕨戸田市医師会看護専門学校で准看護師免許を取得。2016年板橋中央看護専門学校を卒業し、正看護師免許を取得。総合病院で経験を積んだ後、2018年医療法人社団福美会ヒロクリニックで勤務し、看護課長として活躍。これまでの医療やマネージャー経験を活かし、2024年株式会社HUMEDIT代表取締役に就任。