※本ページ内の情報は2025年2月時点のものです。

ソフトウェア開発のプラットフォーム「GitHub」やエンジニア向け情報共有サイト「Qiita」などの活動データをAIが自動解析し、エンジニアのスキルを可視化する。そんな画期的な転職プラットフォームを展開するLAPRAS株式会社。

求職者は職務経歴書だけでは伝えきれない強みを企業に示すことができ、企業は採用活動の効率化と人材の質の向上を同時に実現できる。すでに3万5千人を超えるエンジニアと累計1000社以上の企業が活用する同サービスについて、代表取締役 CEOの染谷健太郎氏に話をうかがった。

地域企業の課題解決から始まった歩み

ーー貴社に入社する前の経歴についてお聞かせください。

染谷健太郎:
地域の中小企業の力になれる仕事に魅力を感じ、2009年に株式会社リクルートに新卒で入社しました。もともと仕事においては「人」が一番大切な要素だと考えていたことから、「人」の部分で貢献できる点に意義を感じたのです。

求人広告の営業として3年半、中小企業の採用課題の解決に奔走し、2年目の第1クォーターにはMVPを受賞しています。売上目標を達成することはもちろんですが、顧客企業の魅力を伝えるクリエイティブな面にも注力し、企業の採用を成功させることにこだわってきました。

その後、より大きな価値提供を目指し、新規事業開発部門に異動しました。まさに設立されたばかりの部門で、サービス開発だけでなく、事業立ち上げの環境づくりに携われたことは貴重な経験だったと思います。同時期に1人で最大6つのテーマを扱うなど多忙を極めましたが、あらゆる業務領域を経験でき、新規事業を伸ばすことに自信がつきました。

約10年間さまざまな経験を積む中で、複数の案件にリソースを割くのではなく、ひとつの事業にフルコミットして自分の力を注いでみたいと感じたことから、2018年にマーケティングマネージャーとして弊社へ入社することになります。入社後4年で既存事業をリードする立場となり、前社長が新たなフェーズに進む際に声をかけていただき、2022年に代表取締役のバトンを引き継ぎました。

テクノロジーが変える人材採用のカタチ

ーー貴社の事業内容をお聞かせください。

染谷健太郎:
弊社は、AIを活用したハイスキルエンジニア向けの転職プラットフォームを運営しており、現在では約3万5千人のエンジニアと、累計1000社以上の企業の転職・採用活動にご利用いただいています。「すべての人に最善の選択肢をマッチングする」という企業理念を掲げ、先端テクノロジーによって、世界中の人たちがあらゆる選択肢の中から自分に最もふさわしい、望む選択ができる世界をつくり出すことをミッションとしています。

ーー転職プラットフォームとしての強みはどんな点でしょうか?

染谷健太郎:
特にハイスキルなエンジニアの方々の支持を集めていることです。エンジニアの活動基盤であるGitHub、Qiita、Zennなどの外部サービスと連携することで、データを自動的に収集し、プロフィールやポートフォリオをAIが、無料で作成します。

これにより、職務経歴書だけでは伝わりにくい自分の強みやスキルを可視化でき、具体的な活動を企業側に伝えることができるのです。自分のスキルを客観的に評価できるスコアリングシステムなども好評で、特にハイスキルエンジニアの方々の間でシェアしていただくなど、高い支持を受けています。

また、企業向けの運用サポートも提供しており、採用活動にリソースを割きにくい企業でも、優秀なエンジニアの採用を可能にするための支援を受けることができます。このサポートが特に高い評価をいただいている部分です。メガベンチャーからアーリーフェーズのスタートアップまで、さまざまな企業さまに幅広くご活用いただいています。

エンジニアにより多くの最善の機会を届けたい

ーー今後の展望をお聞かせください。

染谷健太郎:
今までは、マッチングに向けてエンジニアの魅力を企業により正確に伝えることに注力してきましたが、今後は、求職者の方々により多くの選択肢を提供していきたいと考えています。そのために、新規取引先の開拓に注力し、海外展開も積極的に進めていきます。

韓国をはじめ、海外のプラットフォームとパートナーシップを結び、優秀なエンジニアが国境を越えて活躍できる場を生み出したいですね。人材不足の日本と売り手市場の海外をつなぐ意義は大きいでしょう。

ーー入社を考えている方々にメッセージをお願いします。

染谷健太郎:
弊社は一人ひとりの担当領域が広く、自由度が高いという特徴があります。自分を積極的に広げて、さまざまな経験を積みたい方にはうってつけなのではないかと思います。ITやSaaS(クラウド経由のソフトウェア提供サービス)、人材事業のご経験のある方、またインサイドセールスやマーケティングに興味のある方にはぜひ来ていただきたいですね。

編集後記

テクノロジーの力で人材採用の常識を覆す。そんな印象を強く受けた取材だった。従来の職務経歴書では伝えきれなかったエンジニアの真価を、AIとデータの力で可視化する。そこには、「人」が持つ本来の価値を正しく伝えたいという染谷社長の強い思いが感じられる。

韓国への展開を皮切りに、国境を超えたマッチングプラットフォームとしての成長も期待される。エンジニアの可能性を広げるLAPRAS株式会社の挑戦は、まだ始まったばかりだ。

染谷健太郎/2009年に東京大学文学部を卒業し、株式会社リクルートジョブズに入社。営業にて表彰を複数回受賞後、新規事業開発を担当し、複数のSaaSサービスなどの新規事業立上げを推進。担当サービスにて「日本HRチャレンジ大賞人材サービス優秀賞」や「グッドデザイン賞」を受賞。2018年にLAPRAS株式会社へプロダクトマーケティングマネージャーとして入社。2022年より代表取締役 CEOに就任。