※本ページ内の情報は2025年5月時点のものです。

株式会社ノーザンライツは、アルバイトの採用から定着・戦力化までを一気通貫でサポートする会社だ。2017年から代表取締役を務める山根康宏氏は、人材業界で豊富な経験を持ち、2004年の東京オフィスを立ち上げてから同社で活躍している。

そんな山根氏に、同社がアルバイト特化のサービスを始めた背景や、サービスを通して解決している課題、さらに人材会社の社長ならではの社員との向き合い方などを聞いた。

「採用は生き物」常に情報をアップデートして本質を見抜くことが大切

ーー事業内容について教えてください。

山根康宏:
弊社は、お客様の採用活動から人材の定着・戦力化までを一気通貫でサポートしている会社です。人材の募集、面接、採用、定着、育成など、それぞれのフェーズに合った商品を提供するOSR(ワンストップ・リクルーティング・サービス)を手がけています。

たとえば弊社では求人メディアの提案や運用代行なども行っており、大規模な求人サイトが進出しておらず、求人の募集に課題を抱えている地方での求人メディアの運用も行っています。

お客様は介護事業者や保育園、飲食店、アパレルショップなど多岐にわたり、多地域・多業種な事業展開が特徴です。

ーー社長としてどのような考え方を意識してきましたか。

山根康宏:
特に強く意識してきたのが、「採用は生き物である」という考え方です。企業が採用したい人材像、求職者の価値観、僕たちが扱う商材は日々変化しており、現在正しいとされている答えが、次も正しいとは限りません。

そのため、常に勉強して新しい情報を仕入れ、お客様の課題の本質を見抜いた上で提案することを心がけています。

企業の成長を促すためには、アルバイト採用の質を上げることが大切

ーーそもそもなぜアルバイトに特化した事業を始めようと思ったのでしょうか。

山根康宏:
「多くの企業がアルバイト採用の重要性に気づいていないのでは」と感じたのが、この事業を始めようと思ったきっかけです。

アルバイトはお店の最前線を担う重要な人材であり、アルバイトの質次第でお店の売上が変わることも珍しくありません。しかし、多くの企業はこの事実に気づいておらず、アルバイト採用を片手間で行っていることがほとんどです。

こうした背景に加えて、当時弊社にはアルバイトの大量採用を行いたいお客様がちょうど増えていたこともあり、会社としてアルバイト採用に特化した事業に徐々にシフトしてきました。

アルバイトの採用に特化した商品やサービスを扱っている会社は当時まだ珍しく、いろいろなお客様が興味を持ってくださり、段々と取引先が増えていったという形です。

ーー貴社のサービスでは、具体的に顧客のどのような課題を解決できますか。

山根康宏:
1つは広告費の削減です。企業の中には、アルバイトの募集広告にいくら費用をかけているか把握しておらず、知らず知らずのうちに莫大な予算を使っていたというケースがよくあります。また、店長が忙しく、採用活動にまで手が回っていないケースも少なくありません。

弊社では、そういった企業に代わって採用センターで人材の面接を行ったり、コールセンターで人材の募集を受け付けたりといったことを実施しています。その結果、広告費を従来の半分程度に削減したり、人材の応募数を1.5倍に増加させたりする成果をあげています。

「入社前に家庭訪問」人を扱うからこそ、自社の社員にも真剣に向き合いたい

ーー人材についてはどのような考え方を持っていますか。

山根康宏:
僕は弊社に入ってくれる新入社員に対して、社員だけでなくその親御さんにも弊社が安心できる会社だと思ってもらいたいのです。そのため、新入社員の入社前に、僕が親御さんに直接お会いし、会社について説明を行っています。

採用事業を手がけている会社として、自社の社員にもしっかりと向き合っていきたいと思っていますし、そういった弊社の取り組みもあり離職率は低水準となっています。

ーーどのような人材を求めていますか。

山根康宏:
営業体制をより強化するため、昨今は営業メンバーを特に採用したいと考えています。弊社で働く上で特別なスキルは必要ありませんが、「誠実さと熱意」という理念は非常に重視しており、この理念に共感できる人と一緒に働けると嬉しいです。

ーー今後の注力テーマと展望についても聞かせてください。

山根康宏:
大きな注力テーマは、取引店舗数の拡大と、雇用される側および企業側の「アルバイトに対する意識改革」を推進することです。

「アルバイトだから適当に働けばいいや」と考えるアルバイトや、「アルバイトだしすぐに辞めるだろう」と考えている企業は非常に多いです。

しかし、アルバイトは自分の仕事に誇りを持って活き活きと働くこと、企業側はアルバイトに対して最前線で活躍してもらえるよう働きかけることが重要だと僕は考えています。

理由としては、アルバイトが活き活きと働くことで顧客満足度が向上し、それが企業の成長にも直結するからです。そういった世の中にするために僕自身、地道な啓蒙活動を今続けているところです。

また、今後の大きな展望としては「アルバイト採用といえばノーザンライツだ」といわれるような地位を業界内で確立することを目指しています。

編集後記

アルバイト人材の採用を効率化させるノーザンライツの事業は、人手不足に悩まされる企業が多い昨今の日本に必要不可欠なものだと感じた。

今後は「アルバイトと企業側の意識を変えたい」と語った山根社長。同氏の熱い思いが日本中に広まり、アルバイトの働きに感謝を持つ企業や、アルバイトとして生き生きと働く人が増えることを期待したい。

山根康宏/1966年大阪府生まれ、関西大学卒業。1989年株式会社クイックに新卒で入社。新卒・中途・アルバイト採用すべての領域で2,000社以上の企業の採用支援に携わる。2004年、株式会社ノーザンライツに入社。東京オフィスの立ち上げに携わる。2017年同代表取締役就任。