※本ページ内の情報は2025年5月時点のものです。

税理士法人イデアコンサルティングは、税務関連の申告書の作成やコンサルティングを請け負う会計事務所だ。また、グループ会社を通じて、経理のアウトソーシングや人事労務業務の代行サービスを展開し、企業の経営面を幅広くサポートしている。

国税専門官から税理士へ転身し法人化するまでの経緯や、他事務所との違い、今後の事業構想などについて、代表の伊東大介氏にうかがった。

国税専門官から税理士へ転身。社会貢献のため法人化を決意

ーーまず伊東代表のご経歴をお聞かせください。

伊東大介:
大学卒業後は親が公務員だったこと、そして就職氷河期で一般企業の就職が厳しかったことから公務員の道へ進もうと決めました。高校時代に高校生クイズに出場し、浅く広く知識を持っていた私は科目数が多い試験が有利だと考え、国税局や税務署で働く国税専門官を目指しました。

国税専門官採用試験は20科目以上あるのですが、無事クリアすることができました。その後は東京国税局や税務署で、法人税の申告チェックや税務調査などに携わりました。

ただ、事件の被疑者に判決を下す検察官のような国税専門官の仕事は、自分には向いていないと感じ始めたのです。そこで、依頼人の問題解決をする弁護士のような、人々に寄り添う税理士になりたいと考えました。

国税専門官になるときに税理士の資格は取得していたので、あとは実務経験を積むだけでした。そこで会計事務所に就職し、2年間の研修期間を経て税理士になったのです。

ーー税理士になってから、起業するまでの経緯を教えていただけますか。

伊東大介:
以前から起業に興味があったこともあり、税理士の道を歩みはじめて少し経つと独立を意識するようになりました。そうなると今の事務所では独立に必要な知見を貯められないと気付きました。

というのも、当時勤めていた会計事務所の顧客は、親世代の方が大半だったのです。20代の私が開業したら、クライアントも若手経営者が中心になることが予想できたため、今とは違う環境で経験を積んだ方が良いと判断しました。

そこで起業に向け、ターゲット層が近い会計コンサル会社に転職しました。こうして会計事務所で基礎を学び、コンサル会社で若手起業家の方々と接して知見を貯めた後、個人事務所を開業したのは29歳のときのことです。

はじめは一人で事業を行っていたのですが、利益を追求するよりも、組織化して多くの顧客をサポートすることで世の中の役に立ちたいと考えるようになります。

また、若手の税理士を増やす一助になれればと、起業を決意しました。

コミュニケーションスキル重視の採用で顧客が相談しやすい会計事務所へ

ーー改めて貴社の事業内容について教えてください。

伊東大介:
納税に関する申告書の作成や、税務に関するコンサルティング業務が主な事業です。取引先は大手企業や中小企業、ベンチャー企業と幅広く、税金に対するご相談や売上の計上方法、経費の判別方法などのご質問にもお答えしています。法人だけでなく、個人事業主の方の確定申告の作成や、資産家の方の相続税に関するご相談も承っています。

また、グループ会社では経理業務のアウトソーシングやコンサルティング業務、人事労務関連の手続きの代行や給与計算・助成金申請のサポート業務なども行っています。さらに子会社である企業の会計・経理業務を支援する株式会社経理サポーターズの運営も行っています。

ーー他の会計事務所との違いはどこにありますか。

伊東大介:
他の事務所では、会計事務所で勤務経験のある人材を採用するところがほとんどです。ただ、専門知識やスキルに長けている反面、お客様とのコミュニケーションを取るのが苦手な傾向にあります。

一方で弊社は新卒採用に力を入れており、コミュニケーションスキルを重視した採用を行っています。そのため、お客様からも気軽に話せて相談しやすいと評価いただいています。

経営者と継続的に交流でき、ビジネスの仕組みを学べる環境

ーー貴社で働く魅力をお聞かせください。

伊東大介:
経営者に必要なスキルや経験が積めるので、将来起業したい方におすすめです。お客様はすべて現役の経営者なので、新人のうちから社長と直接話す機会があるのも魅力ですね。

また、経理の側面から企業を見ることで、無料サービスで利益を生み出す販売戦略など、経営の仕組みを学べるのも大きなメリットといえるでしょう。なお、弊社は社内外の研修制度を整えているため、未経験者の方でも安心して働いていただけます。

ーー注力テーマについて教えてください。

伊東大介:
今後は税務に関する業務だけでなく、お客様のメリットとなる事業を展開していきたいと考えています。基幹業務だけでなく、金融機関と連携して資金の借り入れをサポートするなど、幅広い観点から企業を支援したいと考えています。また、遺産相続の関係で不動産会社と提携したり、労務の管理代行をしているつながりで生命保険会社と提携したりするなど、お客様とより深い関係性を築いていきたいですね。

今後の目標と会計事務所の枠を超えた新たな挑戦

ーー最後に今後のビジョンをお聞かせください。

伊東大介:
現在社員数が約110人ですが、5年後には今の倍に近い規模にしたいと考えています。なお、私たちは営業が得意な活発な人や、黙々と仕事に打ち込む人など、さまざまなタイプがそろう学校のクラスのような組織を目指しています。それぞれの得意なところを伸ばし、個性を存分に発揮できるよう、教育にも力を入れていきたいですね。

売上高の目安としては、20億円を達成するのが現時点での目標です。企業規模の拡大を目指すのは、大手に引けを取らないようにするためです。こうして競合と同じ土台に立った後で、自社の強みをアピールし、お客様に選ばれる企業になりたいと思っています。

このように幅広くお客様のサポートができるよう、今後もさらなる成長を目指していきます。

編集後記

自身の利益よりも社会への貢献を優先し、法人化を決意した伊東代表。その志の通り、経営をサポートする多様なサービスを展開し多くの企業を支えている同社は、経営者にとって頼もしいパートナーとなっている。税理士法人イデアコンサルティングは、会計事務所の枠からはみ出し、さまざまな側面から企業を支援していくことだろう。

伊東大介/神奈川県出身。中央大学法学部法律学科卒業後、国税庁に入庁。国税専門官28期生として東京国税局にて勤務。税理士資格取得後、マエサワ税理士法人などで実務経験を積み、2005年伊東事務所を創業。2008年税理士法人イデアコンサルティングを設立。2012年記帳・経理代行サービスを専門とする株式会社イデアコンサルティングを設立。2017年社労士法人イデアコンサルティングを設立。