※本ページ内の情報は2025年6月時点のものです。

SNS・Webマーケティングに苦心する飲食店やクリニックは少なくない。予算の制約、ツール活用に必要なスキルの不足など、さまざまなハードルがあるからだ。

そんな課題を解決に導くのが、株式会社ナレッジホールディングスが提供するAIマーケティングシステム「AXiY」(アクシー)である。AIの力を使って再現性を高めマーケティングを内製化できるこのツールは、リリース後8ヶ月で月商2億7000万円を達成。同社の運用支援を経て、多くの利用者が内製化に移行しはじめている。

数々のビジネスを立ち上げてきた代表取締役の道川内知氏に、ビジネスを成功に導く秘訣、今後注力するテーマなどについて話を聞いた。

社会や法律の変化をとらえてビジネスを成功に導く

ーーまず道川内社長が手がけてこられた幅広い事業について教えてください。

道川内知:
高校生の頃に「社長になる」と決め、19歳で携帯電話の訪問販売ビジネスで起業しました。21年前のことです。すでにアルバイトを30個以上も経験して初対面の人との会話に慣れていたこと、大手通信会社の営業代理店だったことなどから順調なスタートを切りました。その後、地上デジタル放送への移行で、私が扱っていた関連商品も爆発的に売れたのです。

30歳になる頃、友人の障害者就労支援の施設立ち上げに参画しました。そこで、仕事に有利なパソコンスキルの習得を支援したところ、利用者にとても好評だったので、FC展開を進めました。私は経営から外れましたが、現在50店舗以上に拡大中です。

さらに、飲食店、美容サロン、SDGs関連の資格を提供する協会ビジネスなどを手がけて現在に至ります。

ーー新しいビジネスを始める際の、きっかけや判断材料はどのようなものですか?

道川内知:
社会の雰囲気や法律が変わるタイミングですね。携帯電話の普及、国策による地上デジタル放送の推進、「障害者自立支援法」改正による民間企業の進出、SDGsの急速な浸透など、そのときどきの変化を的確に捉え、ビジネスとして形にする挑戦をしたことが、成功につながったのだと思います。

AIを活用し、マーケティングを内製化できるツールを提供

ーー改めて、貴社の事業内容をお聞かせください。

道川内知:
弊社は主にクリニック、飲食チェーン、美容サロン向けにAIマーケティングシステム「AXiY」シリーズを提供しています。これはAIを活用してSNS・Web運用を自動化・効率化、再現性をもってマーケティング・ブランディングを内製化できるツールです。

たとえばInstagramに投稿すれば、ホームページはもちろんGoogle Mapなど国内外約30媒体のアカウントがすべて更新されます。システムにはセキュリティをかけているので悪質な書き込みを防ぐことができます。1年間は弊社が運用支援を行いますが、その後はAIの力を借りれば特別なスキルをお持ちでないお客さまでも内製化は可能です。

「AXiY」の導入には、行政から補助金・助成金が活用できるため、経営者の負担を減らすことができます。弊社はそれらの申請もサポートし、はじめのテストマーケティングから内製化まで一貫した支援を行っています。2023年1月の営業開始後、8ヶ月で月商2億7000万円に達しました。

ーーなぜこのビジネスに挑戦しようと考えたのですか。

道川内知:
以前障害者就労支援のビジネスを立ち上げたとき、地域の青年会議所の理事を任されたことがあります。その際行政の方々と話す機会に恵まれ、「国の後押しで、これからは民間のDXに予算がつく」という情報を得たのです。

行政からの資金を活用して、AIの活用などDXが必要な分野はどこかと考えて、飲食店やクリニックなどのお客さまをサポートしようと決めたのです。

インターン生、代理店の協力も得ながらお客さまの満足度をアップ

ーー今後はどのようなことに注力していきますか。

道川内知:
注力テーマとしてはインターン生の活用、リピート率のアップ、営業体制の強化などが挙げられます。まずインターン生の活用については、ビジネスパーソンとの名刺交換、経営者へのインタビューなどの機会を提供します。

インターン生には就職活動をする上で有意義な経験を積んでもらい、弊社はインターン生が収集した情報を営業活動に活かす。そんなWin-Winの取り組みを実験的にはじめたところです。

次に重要なのは、リピート率の向上です。リピートしてくださるお客さまを一定数維持するためには、カスタマーサクセスに関わる部門をさらに強化し、お客さまの満足度を高めていく必要があるでしょう。

3つめの営業体制の強化についてはすでに着手しています。インサイドセールスが取得したアポイントの日時・場所や会話の要約、フィールドセールスによる商談後の受注確度、今後必要なアクションなどをすべてセールスクラウド上で管理し、代理店とも協力しながら売上アップを目指しています。

挑戦する人を応援できる会社でありたい

ーー5〜10年後のビジョンを教えてください。

道川内知:
5年後の2030年にIPOを実現するという目標があります。その頃には売上高は50億円を達成し、社員数は現在の10名から100名体制に拡大する予定です。

そして10年後は、挑戦する人を応援するフェーズに入るつもりです。弊社が「全ての『挑戦』に貢献する」という理念を掲げているのは、私の人生が挑戦の連続だったからです。自分と同じように、挑戦したい人を応援したいと考えています。そのためにも弊社をもっと大きくしていかなければなりませんね。

編集後記

あふれ出る起業家精神を武器に、10代の頃から新しいビジネスに挑んできた道川内社長。成功の秘訣、「AXiY」にかける意気込み、同社の将来などについて理路整然と語る様子に、終わりなき挑戦を楽しむ道川内氏のタフさが感じとれる取材だった。次はどんな挑戦を世の中に仕掛けてくるのか、同社の今後に期待したい。

道川内知/神奈川県横浜市出身、1984年生まれ。19歳で起業し、通信会社の営業代理店、福祉施設、飲食店・美容サロンなど多業種を展開。現在はクリニック、飲食店などにAIマーケティングシステム「AXiY」を提供する事業を運営、DX・マーケティング支援を推進している。