
磁気の力を活用し、人々の健康をサポートしている株式会社コラントッテ。同社は独自の磁気配列技術を用いたネックレスを主力に、睡眠関連商品など健康寿命を延ばすための製品を幅広く展開している。建築業からスタートし、数々の事業を展開してきた経歴をもつ同社代表取締役の小松克已氏に、起業の原点から今後の展望まで話をうかがった。
幼少期に抱いた憧れが切り拓いた起業家への道
ーー小松社長のご経歴を教えてください。
小松克已:
私は小学生のころから社長になるという夢を持っていました。当時、「社長繁盛記」という映画を見て、主人公の社長がのびのびと仕事をしている姿に憧れを持ちました。そして、子どもながらに「将来、何の仕事をするか?」と考えたとき、家が一番高価な買い物ではないかという発想から、建築の道を選びました。中学生のころには建築家になろうと決め、22歳で建築士の資格を取得し、24歳で建設会社を設立したのが私の起業家としてのスタートです。
その後も、設計事務所やフランス料理店、ゴルフウェアショップなどさまざまな事業を展開してきました。業種はバラバラですが、キャリアの中で一貫しているのは、「自分でつくって、自分で売る」というメーカーとしての立ち位置です。
ーー貴社設立の経緯についてお聞かせください。
小松克已:
弊社を設立したきっかけは父の病気です。あるとき、父が脳梗塞で倒れ、左半身が不自由になってしまいました。そのため、右側に体重がかかり、肩こりがひどく、その症状を和らげるために磁気サポーターを手づくりしたのですが、驚いたことにその磁気サポーターを使い始めてわずか数日で父の症状が改善したのです。
この経験から磁石の配置方法について研究を始め、従来の「点」で効く方式ではなく「面」で効く磁気配列を開発。この技術は医療現場でも注目され、やがて国内外で特許を取得するに至りました。その後、販路開拓を行う中で、スポーツ業界で受け入れられたことがきっかけで事業が本格的に動き出すことになります。
日常のコリを軽減する製品ラインナップで人々の健康をサポート

ーー貴社の事業内容を教えてください。
小松克已:
弊社は健康寿命を延ばすため、QOLを向上させる製品の開発と販売を行っています。弊社の「コラントッテ」という社名は関西弁の「肩、こらんとって(こらないで)」という言葉が元になっているのですが、その名の通り、肩こりなどの不調を軽減する磁気ネックレスが主力製品です。
最近では、アパレルや枕といったラインナップを拡充し、日常生活の中で気軽に使える製品づくりに力を入れているところです。スポーツ選手から一般の方まで幅広く支持されており、特に女性のお客様から高い評価をいただいております。
ーー貴社製品にはどのような特徴がありますか?
小松克已:
弊社商品は、装着部位の血行を改善し、コリを緩和する効能・効果がある医療機器として、国から認められています。血流が改善されると筋肉のこりがほぐれるため、肩こりや首の不快感を和らげることができます。また、血流が良くなることで、自然な眠りをサポートする効果も期待できます。日常の不調改善から睡眠の質の向上のサポートまで、幅広い効果が期待できるのが特徴です。
また、医療機器の品質マネジメントシステムに関する国際規格であるISO13485を取得。厳しい審査のもとで医療機器としての認証を受けた製品であり、他の健康用品とは一線を画するものづくりを目指しています。
製品からサービスへと拡大する健康への貢献
ーー現在はどのような事業に注力していますか?
小松克已:
健康をトータルにサポートする事業の一環として、CSS(コラントッテ・セーフティー・システム)事業の展開に注力しています。これは緊急時に家族への連絡を実現するサービスです。弊社が発行するカードにはIDが記載されており、救急隊員などがその番号を24時間365日対応のコールセンターに伝えると、事前登録した最大5件の連絡先に連絡が入る仕組みです。
2025年からは明治安田生命と提携して保険加入者向けに無料で提供を始めており、すでに活用されたケースもあります。「健康寿命を延ばす」という弊社の理念に沿ったサービスとして、今後も拡大していきたいと考えています。
ーー今後の展望についてお聞かせください。
小松克已:
現在、新しい研究開発センターの建設を進めており、2026年春ごろの完成を目指しています。この施設では、より高度な製品開発と品質検査が可能になる予定です。製品開発のスピードと精度が向上すると考えています。
また、CSSのような社会貢献事業も積極的に展開していくつもりです。高齢化社会が進む中で、健康に関するさまざまな課題を解決するサービスを提供することも、弊社の使命です。これからも人々の健康と幸せに貢献できる企業であり続けたいと思います。
編集後記
「人を幸福にする一番身近な方法は、本気の笑顔」と語る小松社長の温かな人間性、父の病から生まれた製品を特許取得へと導いた技術力、そして、多彩な事業を成功させてきた経営手腕。これらが互いに結びつき、今日のコラントッテを形づくっている。磁気の力と笑顔の力、その両方を大切にしながら健康寿命を延ばす同社の挑戦は今後も続いていくだろう。

小松克已/1957年大阪府生まれ。22歳で建築士の資格を取得し、24歳のときに建設会社小松建設を設立。その後、設計事務所やゴルフウェアショップ、釣り用品など複数の事業を手がける。1997年、株式会社コラントッテを設立し、代表取締役に就任。磁気ネックレスをはじめとした医療機器の製造・販売を軸に事業を展開している。