
効率的な在庫管理や販売戦略の重要性が増す一方で、企業が対応に苦慮するケースは珍しくない。中でもフリマアプリの登場と急速な普及は、個人にも適切な在庫管理や効果的な販売戦略の立案を迫ることとなっている。しかし、個人や企業がこれらの課題をクリアするのは決して容易ではない。
そんな中、注目を集めているのが、株式会社MONO Technologiesが提供する効率的かつサステナブルな出品代行サービス「マカセル」だ。個人向けと法人向けの両方で革新的なサービスを展開し、業界に新風を巻き起こしている。代表取締役社長の大迫泰成氏に、起業のきっかけやサービスの魅力、そして今後のビジョンについて話をうかがった。
忙しい現代人の味方、出品代行サービス「マカセル」の魅力
ーーMONO Technologiesの主要なサービスについて具体的に教えてください。
大迫泰成:
私たちは、個人向けの「マカセル」と法人向けの「マカセル for B」という2つのフリマアプリ出品代行サービスを主軸に事業を行っています。
忙しくて出品する時間がない方や出品の手間をかけたくない方のニーズに応え、クローゼットに眠っている不要品を簡単に売ることができます。依頼者は売りたいアイテムを玄関先に置くだけで、その後の撮影や商品説明、価格設定、発送、購入者とのやり取りまでをプロの出品者(マカセラー)が代行します。
ーー具体的な利用シーンについて教えてください
大迫泰成:
「マカセル」は、特に家事や仕事で忙しい方、あるいは出品のノウハウがなくて負担を感じている方に最適です。たとえば、小さなお子さんがいる家庭では、不要になったベビー用品や子ども服を処分するのに時間を割くことが難しいですよね。また、引っ越しや断捨離を考えている人にも好評です。依頼者がアイテムを玄関に置くだけで、プロが全てを代行するので、安心してお任せいただけます。
ーー「マカセラー」は副業として参加できるそうですが、どのような仕組みですか?
大迫泰成:
マカセラーは、フリマアプリの出品スキルを活かして副業として活動できる仕組みです。自宅で好きな時間に作業ができ、時間や場所に縛られることなく働ける点が魅力です。特に地方に住んでいる方や、在宅で収入を得たい方にとって、新しい副業の選択肢として人気があります。また、地方での雇用創出にもつながり、働き手と依頼者の双方にメリットがあります。
在庫処分をサステナブルに!企業向け「マカセル for B」の可能性
ーー法人向けサービスの「マカセル for B」について詳しく教えてください。
大迫泰成:
「マカセル for B」は、在庫を抱える企業向けに特化した買取および出品代行サービスです。特に小売業者やメーカーは、売れ残りや旧モデルの商品を抱えて処分に頭を悩ませているケースが少なくありません。これまで、廃棄するしかなかった商品を効率よく再販する仕組みを提供しています。サステナブルな在庫処理を実現するため、フリマアプリを活用し、無駄を削減する新しいサービスとして立ち上げました。
ーー「マカセル for B」はどのような企業が利用しているのですか?
大迫泰成:
具体的には、小売業者やメーカーなど、季節商品や型落ちモデルを扱う企業が多いです。たとえば、ファッション業界ではシーズン終了後の商品が余剰在庫になりやすく、家電やIT業界では新モデル登場による旧モデルの処分が課題となります。「マカセル for B」を活用することで、こうした売れ残り商品を廃棄せずに再販し、無駄を減らしながら利益を生み出すことが可能です。
ーー導入した企業からの反応はいかがですか?
大迫泰成:
導入いただいた企業からは、「在庫の処分に困っていた商品を無駄なく再販できた」という喜びの声を多くいただいています。特に、在庫を保管するスペースや管理コストの削減ができることに加え、廃棄せずにすむため、環境への配慮にもつながる点が評価されています。SDGsに取り組む企業にとって、ブランドイメージの向上にも寄与するサービスとして高く評価されています。
大学時代のトレーディング経験が人生の転機

ーー起業のきっかけは何だったのですか?
大迫泰成:
高校時代は野球部に所属し、甲子園にも出場するなどスポーツに熱中していました。しかし、大学時代に大きな転機が訪れました。それが株式投資との出会いです。最初は趣味として始めたものの、次第にその魅力に引き込まれ、トレーダーとして腕を磨きました。在学中には株式トレーダーとして一定の成果を上げ、起業の道を模索するようになったのです。
大学で株式投資とIT分野の経験を積む中で、自分の会社を持ちたいという思いが次第に強まりました。その結果、20代前半でMONO Technologies(当時は株式会社ハコクル)を設立しました。当初は小規模なスタートアップとしてのスタートでしたが、現在ではITサービスを核に事業を拡大し、多くの人々に便利なサービスを提供しています。
在宅ワーカーとITで生み出す新しいサービスの形
――MONO Technologiesの組織としての強みはどこにありますか?
大迫泰成:
弊社の最大の強みは、フレキシブルな組織体制にあります。私たちは、全国各地に住む在宅ワーカーを活用し、全国規模で高品質な出品代行サービスを提供しています。各地域のワーカーが、自宅で働きながらプロフェッショナルなクオリティを維持することで、依頼者から高い満足度を得ることができています。これにより、雇用創出にも寄与し、社会的な評価もいただいております。
また、IT技術と業務効率化のノウハウも強みの一つです。フリマアプリでの出品代行業務をITで効率的に管理し、販売データの分析を通じて、依頼者である企業が在庫をスムーズに処分できるよう支援しています。これにより、企業側は無駄なコストを抑えつつ、在庫管理を安心して委託できる体制を実現しました。
出品代行業界の未来を切り開く!10年後のビジョン
ーー今後のビジョンを教えてください。
大迫泰成:
出品代行という分野をさらに発展させるというビジョンを描いています。10年後には、フリマアプリでの出品代行が一般的なサービスとして認知され、誰もが手軽に利用できる環境を実現することを目指しています。
また、「マカセル for B」を通じて、環境に配慮したサステナブルなビジネスモデルを推進し、社会全体に貢献していきたいと考えています。特にSDGsに積極的に取り組み、企業と消費者の双方にメリットをもたらす仕組みを作り上げていきたいですね。
編集後記
大迫社長へのインタビューを通じ、出品代行ビジネスの新たな可能性を見出すことができた。特に印象的だったのは、在宅ワーカーの活用による地方創生と、企業の在庫問題解決を同時に実現するビジネスモデルだ。
「マカセル」「マカセル for B」という2つのサービスを通じて、個人の不用品処分から企業の在庫処分と管理まで、幅広いニーズに応える同社の姿勢は、デジタル時代における新しいビジネスの形を示している。大迫社長の掲げる「誰もが手軽に利用できる出品代行」というビジョンは、サステナブルな社会の実現に向けた重要な一歩となるだろう。

大迫泰成/1997年愛知県生まれ。大学在学中に株式投資を始め、トレーダーとして成功を収める。2017年、イタンジ株式会社でインターンを経験し、その後株式会社終活ねっとでエンジニアとして活躍。2018年、株式会社ハコクル(現MONO Technologies)を設立し、代表取締役に就任。個人向け出品代行サービス「マカセル」と法人向け「マカセル for B」を展開し、ITと在宅ワークを活用した新しいビジネスモデルを推進。環境配慮や地方創生にも注力し、SDGsに貢献する事業展開を行っている。